2016/09/10 のログ
ご案内:「九頭龍山脈 山賊街道/山中」にレイカさんが現れました。
レイカ > 「……其れで、被害状況は?」

ゾス村よりしばらく言った先。
ダイラスとゾス村の中間地点あたりの街道で、2台の馬車が襲われた。
どうやら麓の町で積み込まれた荷物を狙い、山賊の集団が夜襲をかけてきたらしい。

幸い、被害は積荷だけで村人に被害はなかったようだが、積み込んでいた葡萄や作物を根こそぎ持っていかれた。
私は、その報告を聞きながら渋い顔で、夜の暗闇を睨みつけた。

「………わかりました、無責任ないい方ですけど、人に被害が出なくてよかった…。」

そうでも思わないと、怒りがふつふつとこみ上げてやっていられなくなる。
実りの秋を狙う山賊は、これからも沢山出るはずだし…やはりもう少し警備を増やしてもらうよう頼むべきか。

ご案内:「九頭龍山脈 山賊街道/山中」に吸血鬼アリスさんが現れました。
吸血鬼アリス > .....はあ

(山脈の街道を、透き通る蒼髪を揺らして歩く一人の少女。背からは吸血鬼の翼が生えており、少し疲れ切った顔を浮かべていた。今日は、妹と喧嘩をしてしまったせいで、魔法の修行には一人で来ていた。ここはあまり人が多く通らないおかげで、練習にはもってこいの場所なのだが、魔力を使いすぎ、疲れ果てた状態で城まで戻るのには少し不便な場所だとも思う)

お母さんみたいに移動魔法が扱えれば、帰りも簡単なのに...

(愚痴をこぼすかのように呻き、重い足をゆっくりと動かす。門限まであと数時間。このペースだと、城に戻るのは門限を過ぎてからになりそうだ。過保護な二人の親が怒った顔が目に見える。とにかく急いで帰らねば)

...あれ、人...?

(しばらく無言のままうつむきながら道を歩いていれば前方に何人かの人が群がっていた。数はそこまでないが、なにやらトラブルでもあったのだろうか。あり近づくのは危険かもしれないが、ここを通らなければ城に戻るのにもっと時間がかかってしまう。アリスは、恐る恐る馬車の横でなにやら険しい表情を浮かべる女性の真横を気づかれないように忍び足で通り過ぎようとする。しかし、もう既に周りの何人かの人はアリスの存在に気づいており、忍び足を立てることさえ無駄だったようだ)

レイカ > 「そうですね…とりあえず村人さんたちを一時的にドラゴンフィートで保護しましょう。
こんな時間です、誰かに襲われたら今度こそ危ないかもしれません。」

話を聴く限り、村民はどうやら中年の男性が2人と、その付き添いの若い娘が一人。
ゾス村に程近い集落で、葡萄やりんごなどを栽培し、ダイラスやマグメールの商人組合に出荷しているという話だった。
手塩にかけて育てた作物を盗まれるのは忍びないけれど…ひとまず、怪我がないようなので一安心というところか。
明日、明るくなってから護衛をつけて村へと送り届ける手はずも整えておこう。

…本来、此れは私の管轄じゃないはずなんだけど……まあ、こんな事情だし、仕方がないか。

「…………さて、報告書を纏めておきますか…。」

しばらくは、ここで警護の任務に就くことになっていた。
所属している部隊の役割ではないけれども、近頃九頭竜山脈のほうで、山賊の動きが活発になっている。
それを監視するために、大部分の人手を割いてしまっているため、街道のほうでは人手不足なのだ。
そこで、警備の任務に当たるために、私がここに派遣されたということ。

そんな夜の警備中――。

”あら……?ねえ、お譲ちゃん。こんなところでなにをしてるのかしら?”

アリスに気づいた警備員が一人、にこやかに近寄ってくる。
確かに気づいているものの――ミレー族である彼女は、どうやら彼女も同じだと思っているらしい。
蝙蝠のような羽を生やしているから、それ形のミレー族だろうと思っているのだろう。

”こんな夜更けに、こんなところにいちゃ危ないわ。
いまからどこへ帰るところなのかしら?”

吸血鬼アリス > ひっ....!
わ、私は.......

(当然、身を隠すこともしないでただ通り過ぎるという杜撰すぎる作戦が成功するわけもなく警備員に捕まるアリス。いつもなら、ここに妹がおり、自分はその妹の後ろに隠れ、妹が暴れる、なんてこともあっただろうが、現在アリスは一人だ。瞳にウルウルと涙を浮かべ、体はブルブルと震えだす。この警備員が幸いにも女性だったおかげか、逃げ出さずには済んでいるが、こんな夜遅くに知らない人物に声をかけられることがこんなにも恐ろしいものだとは...)

お、お城...お城に、帰らなくちゃ......

(震えた声で質問に答える。しかし、足腰は砕け、立っているのが辛かったのかその場にヘタリと座り込んでしまう。一見、悪い人たちには見えないが...。もしもの時のために、翼に魔力を籠める。相変わらず緻密な魔力の制御はできておらず、その魔力量は普通の人間であっても感知できるほど大きなものになってしまっていた)

レイカ > ”ん、なぁに?大丈夫よ、怖がらなくて。”

ミレー族の団員は、別にアリスを取って食おうなどと考えてはいなかった。
しかし、すっかり怯えてしまってへたり込んでしまったその娘に手を伸ばし、助け起こそうとする。
ふとすえば逃げ出しそうなので、結構身長に距離を離しているけれども。

”お城?…えっと、お城って言うと―――ひっ!?”

しかし、その表情が突如として凍りつく。
あまりに大きすぎる魔力の力、それを間近で感じてしまったのだから、この団員がへたり込んでしまった。
おびえを眼一杯浮かべて、何とか這いずってでも後ずさりしようとしている。

そして、この魔力はテントの中で報告書を纏めている、私のところにも届いた――。

「―――――っ!?
な、何ですか…何事ですか!?」

私はすぐさま、弓矢を手にテントを飛び出した。
その視線の先に、青白い魔力を放ちながら怯えている少女を見、そしてへたり込んでいるミレー族を見る。
魔力の元凶は…あっちの女の子。
ただの人間じゃ無いし、ミレー族でもない。――ともなれば、答えは一つ。

「……ま、拙い……!
全員すぐにこの場を離れて!動ける人は彼女を!」

怒号を放ちながら、私は少女の前に飛び出す。
恐ろしいほどの魔力だ…確実に彼女は――!
この数で、少女に立ち向かうのはあまりに愚作。だから私が少しでも時間を稼がないと…。

吸血鬼アリス > ....っ、ご、ごめんなさい.....

(思ったよりも強く翼へ込めた魔力によって怯えだすミレー族。そして、自分の魔力に気づいて出てきた女性を見て、まず口から出た言葉が「ごめんなさい」だ。弓矢を持っているということは自分に敵対しようとしているのがわかる。しかし、争い事は嫌いなアリスだ。溢れかえる魔力をもってしても怯えながらレイカを見つめる)

ごめんなさ、い...ごめんなさい....

(翼を畳んで、落ち着いてくれば魔力は徐々に消えていく。アリスの感情によって力の濃度が簡単に揺れてしまうほど、アリスは強く純粋な魔力を持っている。普通なら、この場で目の前の女性に攻撃されてもおかしくはないし、そしたら、きっと無傷で城に帰ることはできない。二人の母親にこれでもかというくらい叱られるだろうし、妹にだって笑われてしまう)

わ、私は...、貴方たちに危害は加えません....、だから...攻撃しないで......

(穏便に解決する方法は、やはり自分に人間たちを襲う意思はないと正直に話すことだと思い、震える足で立ち上がりレイカへ向けて話す。もちろん、あの魔力を感じ取って信じてもらえるかはわからないが、それでもここで戦闘を行うのは両者にとっていいことではないだろう)

レイカ > 動けずに固まってしまっている団員を、ほかの団員が肩を貸すことで後ろに下がらせる。
正直、こんな魔力を持っている相手に私一人でどこまで戦えるかなんて…正直、5分持てば御の字だろう。
ここで屍を晒すことになるかもしれないけれど…責めて、彼女らが逃げ出すまでは――え?

「………え?」

――ごめんなさい?
彼女の魔力が、急速に衰えていく。
アレほど空気を張り詰めさせていた魔力――まるで、海の底にでもいるかのような強い重圧が消えていく。
ぽたり、と冷や汗が顎を伝い、地面へと落ちる音が、いやに響いた。

「………危害を加えないなら、何故ここに来た……?」

明らかに彼女は魔族、しかもかなり上位のものだ。
下手をすると、タナール砦に攻めてきている者達の上官、といわれてもすんなり信じるかもしれない。
だが、その彼女が――危害を加えるつもりはないという。
私は弓を構えたまま、少しずつ彼女へと近づいていく。

「……何者…だ?名前と、ここにいる目的は?」

とにかく情報がほしい。
彼女が一体何者で、そしてなぜこの山脈街道にいるのか。
ここで戦うことは確かに私も避けたい…、相手の力量を考えると…生き残れる確立なんて正直1割あればいいほうだと頭の中で計算する。

吸血鬼アリス > ....わ、私は、魔法の練習のためにここに来ていただけで...、帰ろうとしてたまたまここを通っただけなんです......

(必死に説明するように手ぶりをつけて、ここに来た経緯、理由を隠すことなく話す。その目は真剣にレイカの顔を見据えており、何一つ隠そうとはしなかった。今ならきっと、何を聞かれても素直に答えてしまうだろう。それで両親に怒られるなんてことはない。むしろ、ここでこの人たちを傷つけてしまえば、それこそ怒られてしまうかもしれない...)

私、は...アリス...アリス・アプル・ポイズニー...です

(自身へ近寄る女性におびえつつも自分の名を告げる。「アプル・ポイズニー家」はここ数年人間やミレー族などと交流が深い一族としてそこそこ名は知れた家名だ。もし目の前の女性がそれを知っていればなんとかなるかもしれない)

レイカ > 「…………。」

魔法の練習?
魔族である彼女が、何故人間界で…というのは少しばかり気にはなった。
嘘をついているか、と疑いかけたけど、彼女の真っ直ぐな瞳は嘘をついているようには思えない。
…攻撃をする意思がないなら一安心か……。
ひとまず、私は弓を下ろしたけれども…警戒だけは解かないほうがいいか。
何しろ相手は魔族、なにをしてくるのか分かったものではない。

「アリス……。」

あいにく、私はその家名に関して、まったく知識はなかった。
そもそも、私の任務は主に警備や偵察。交流などは別のものに任せている。
その人から情報がなければ…私は彼女を、そういう眼では見ない。
彼女は魔族で、ここで魔力を見せ付けた…と、そういう認識だ。

「とりあえず……敵対するつもりがないのはわかりました…。」

本来ならば、捕らえてドラゴンフィートで拘束するほうがいいかもしれない。
しかし、そのせいでもしも危害を加えようとするものが現れたら目も当てられない。
こういうときはどうするべきか……私はしばし熟考する。

(どうする、ここは捕らえてしまうべきか…?
アプル・ポイズニー家というのはよく知らないけど…彼女が嘘をついていると思うべきか?
…相手は魔族…しかし……こんなに怯えている魔族なんて…。)

「アリス…申し訳ありませんが、このままあなたを返すわけには行きません。
2つ3つ質問をしたいので…私と一緒に来てもらえますか?」

吸血鬼アリス > .....ふぅ

(どうやら自分がレイカたちへ危害を加えないということはちゃんと理解してもらったらしい。両親は話せばどんな者とでも分かり合えることができると言っていたが、どうやらそれは事実だったらしい。アリスは胸をなでおろし、弓を下したレイカを見つめた。レイカが何を考えているのかはわからない。しかし、向こうも自分へ危害を加えることはないだろう。只の勘ではあるが...)

........、わかり、ました....
貴方たちについていきます...。
ただ、私の両親はきっと貴方たちより強いです...
これは脅しではないですけど.....

(まだ完全に自分のことを信じてもらえたわけではないということを悟れば、咄嗟に口にする言葉。脅迫をするつもりはないが、もしこのまま自分がレイカ達に捕らえられた時、きっと両親は心配して私を探しに来るはずだ。つまりはそういうことを伝えたかった)

私は...、貴方達に危害は加えません...だから、貴方たちも私に危害wo
...加えないで...ください...

(このままどこへ連れていかれるのか、何を質問されるのか、不安を抱きつつもレイカの目の前に立つ。そして、痛いことや争いが大嫌いな見習い魔王はそう口にした。彼女たちにとってはそれはただの口約束でしかないかもしれないが、約束があるのとないのとじゃ、アリスの精神状態に大きく差ができる。もし、彼女たちがアリスへ危害を加えれば、被害は甚大なものとなるだろう)

レイカ > 胸を撫で下ろすアリスを見るけど…正直、私はさっきから胃がきりきりと痛む。
無駄荷というわけじゃないけれども、魔力感知に関してはそこそこ鋭いほうなので…。
あんな大きな魔力を見せ付けられてしまっては、気苦労がかさむのも仕方がないと思ってほしい。

「…そんなことは言われなくても分かってますよ……。
はっきり言って、あなたを相手に立ち回りなんかしたくないんですよ、私だって…。
脅しでなくても、私たちにはその言葉は十分脅しになるんですから…。」

完全に信じていない、というよりも私は決して、理想で活きているものではない。
魔族と人間、一線を隔てる私たちが分かり合えるなんて、奇跡でもない限り無理だと思っている。
だからこそ、彼女の言葉は脅し以外の何物でもないのだ。
だからこそ、私は完全に彼女を捕らえるつもりはなかった…。
正直に言えば…”死ぬわけには行かない”から。

「…危害を加えるつもりはありません。
ただし、もし貴女が…何か悪事を働くのでしたら、その限りではありません。
…いいですね?」

効果があるかどうかなんてわからないけど、私は普段を押しのけて、彼女に眼一杯殺気をぶつけた。
あんな魔力を持っている子に、こんなものをぶつけても意味はないかもしれない。
けど…たとえ虚勢でも、弱気になって彼女に舐められるわけには行かないと、私は思った。

「まず一つ目…貴女の両親の名前は?」

まずは敵勢力の把握が最優先だった。
アプル・ポイズニーというの勢力がどのくらいなのかを知るためには、まず頭を知ることから。
かなりの勢力であるなら…必ず名前が知れた魔族の名前が出るはず。