2016/07/17 のログ
ご案内:「九頭龍山脈 山中」にタマモさんが現れました。
■タマモ > ふわりと九頭龍山脈に立つ樹木の一本、その上に降り立つ。
見渡すには丁度良い高さを持つ場所に立ちながら、ぐるりと辺りを見渡した。
「ほほぅ…片手、指でも数え切れる日数で消されてしもうたな。
…に対して、大体この範囲までに広がった訳か…ふむ」
ここに来るまでの間、一つ二つの小さな村を見てきた。
村そのままを残し村人が消えていた、多分、放った屍が原因だろうとは思うが…それにしても、綺麗に消え過ぎている。
まぁ、何にせよこの日数で与える被害の範囲は分かったのだし、これはこれで良しとしておこう。
前のものの確認はこれで良しとし、さて、後はどうしようかと考えを巡らせ始める。
■タマモ > 最近は妙に色々と起こってくれる。
面白くない事から、楽しめる事まで様々だ。
この地の者達は、己の地に居た者達と違いそれなりに達者なものが多いらしい。
それが、ある意味どちらとも取れる要因となる訳だが。
「面白そうな相手でも見えたら、軽く遊んでやろうと思うておったが…不作みたいじゃ。
ふふ…最近の賊達も、冒険者とやらも、暗い山道は怖いらしい」
それだけ、暗き闇に生きる者達が恐れられているのだろうと思えば、おのずと笑みが零れる。
…もっとも、時折、道に迷うなどと言う間の抜けた理由である者もいるのだから侮れない。
高い樹木を見付けてはその上に跳び移る、そうしながら、ゆっくりと獲物となりそうま存在を探してみた。
■タマモ > さすがに広大な広さを持つ九頭龍山脈だ、こうして跳び回ってもそうそう奥が見えない。
そうしている中、ぴくりと耳が揺れる。
辺りにいる動物達とは違う、人型であろう二足歩行の足音を耳が聞き取った。
付近の村人の可能性は無い、となれば冒険者か、少し離れた場所にある集落に住む者かのどちらかだろう。
「………出来れば楽しめる者が良いものじゃ。
つまらん相手であれば…またあれで遊んでしまっても良いかのぅ」
離れた距離で感知し切れる程の魔力感知はまだ出来ない。
あれやこれやと考えを巡らせながら、聞き取った音の方へと向かい闇夜を舞う。
■タマモ > …正直、期待はしていない。
求めるような相手であるならば、それなりの魔力をすでに感じ取っていても良いものだからだ。
実際に見える距離にある樹木の上に着地をすれば、その姿がはっきりと見て取れる。
動物のような耳と尻尾、ミレー族だ。
…と、そう安直に考えてはいけないのがこの地だ、もしかしたら魔族の可能性もある。
どちらにせよ、そう高い魔力を持ってはいない。
まぁ、あの者の反応次第で決めてやろう。
その身が再び舞い、向かう方向を塞ぐように、音も無く着地をする。
「まずはあれじゃ、己自身の不幸を呪うが良いじゃろう。
お主のすべて、これから妾が頂くからのぅ?」
くすくすと笑いながら、足を止めた相手に言葉をかける。
いきなり現れ、かけられる言葉に、理解するまでに少しの間を要する相手。
それが理解出来たらしいか、携えていた武器を手に身構える。
…よく見る刀身を主としたものでなく、鈍器でもない、俗に言う銃器という類の武器だ。
それを見れば、笑みをより深めるだろう。
■タマモ > ただの銃器では無く、魔法を打ち出す発動体みたいなもの。
記憶を手繰れば、そんなものだと理解が出来る。
何にしても、こういった類の武器の欠点は…単純なものだ。
何者だとか、何の目的かなんて、そんなものを正直に答えるつもりはない。
最初の言葉以降は無言のまま、笑みを浮かべたままでゆっくりと近付いていく。
説得は無理だと判断した相手のミレー族…どうやら少女のようだが、問答無用で魔法を放つ。
目で追える弾速、その魔法が水の類であるものがすぐに分かる。
半歩横にずれる、それだけで水弾は狙いを逸らされ後方の樹木に叩き付けられた。
みしり、と樹木の幹がひび割れる音、威力は及第点らしい。
「おぉ、怖い怖い。か弱い妾なんぞ、当たれば一発でやられてしまいそうじゃのぅ?」
余裕を持って避けておきながら、おどけた様に言葉を紡ぐ。
どう見ても遊んでいる、すぐに分かるかもしれない。
更に2発目、3発目、続けて水弾を放つも…やはり紙一重で避けていった。
■タマモ > さて、狙いはなかなか、身体能力はどうだろうか?
次の水弾を避けたところで身を屈め、地を蹴って一気に少女との距離を詰める…ただし、相手に見える程度の速度で。
そして、同じような動きで少女へと伸ばした爪を振り下ろした。
当然だが少女は飛び退って避ける、距離を置いて再びこちらを睨み付ける。
が、自分の立っていた真後ろにあった樹木が、ずずっ、とずれていき…大きな音を立て倒れてしまう。
綺麗な切り口を見れば相当鋭利なものだと理解したか、驚きに瞳が見開かれた。
「ふふ…良い表情じゃ、そうでなければ面白くない」
そんな少女の様子を余所に、再び歩み寄り始めてみせる。
魔法は避けられる、当たれば間違いなく死に到るだろう斬撃。
表情が恐怖に変わっていくのを、楽しげに見詰めていた。
■タマモ > 「その恐怖たる感情、なかなかに美味じゃ。
さて…そろそろ、頂くとしようか?」
勝てない、そう判断した少女は再び武器をこちらへと向け、魔法を放つ。
先ほどとは違う、それは放たれたものの形でなんとなく分かる。
それは2人の間でぱぁんっ、と爆ぜれば、辺りを覆う霧となって視界を遮ろうとする。
「………良い判断じゃ、遅いがな?」
視界を封じて逃げる、手としては良い、通じればだが。
少女は霧が覆ったのを見計らい…だが、その瞬間、どっ、と背中から言葉と同時に小さな衝撃が走る。
背中から胸にかけて起こり始める焼けるような感覚、視線を落とせば、長い爪の先が貫いているのが見えた。
先ほどまでと違う、目で捉えきれぬ動き。
完全な実力の違いを最後に見せ付けてやった。