2016/05/22 のログ
■カナム > 「いや、犬とかドブとか冒険者の意味ないでしょ?
.....お姉さん天使か何か?」
喜ぶ顔が嬉しいとか天然記念物かな?
凄すぎて直視できない
「じゃぁ余裕だね....ん、真心?
爺屋は確実に禿げながらキレると思うよ、そんで国王もキレる」
多分我慢と度量が足りないんだろうね
気づけばアマンダの傷がほとんど完治してた
「断ると絶対嫌がらせされるでしょ?
それにそんなことで評価ダウンとかストレスで死んじゃうよ」
まぁつまるところ得にもならないことを強制されるのが嫌だ
そんな事するくらいなら不貞寝する
「....アマンダさん、ホントに男には気をつけなよ?
絶対いつか変な輩に惚れられるから」
優しさと可愛さで構成されてそうな生命体にそう言っておく
多分これは計算づくの動きでも惚れる奴は居るな
「じゃぁそろそろ行こっか、怪我ももう治ってるし動けるでしょ?
山を下るまでは着いてくよ」
■アマンダ > 「あれ、僕言ったかな。 確かに天使の子供ではあるけどね。」
天井を見上げながら首を傾げる。
決してそういう意味ではないはずだが。
「それならお姫様なんて出来ないよ。 迷惑をかけないと旅にも出れない生活なんて考えられない。」
足もだいぶ元気になってきた。
壁に手を当てながらゆっくりと立ち上がる。
「僕の所は大きなギルドだからそういうことはないんじゃないかな。 ダメなら他の冒険者に回すだけだろうし。
他の依頼で頑張ればそんなに悪い評価にはならないはずだよ。」
立ち上がると、両腕を動かしている。 体はすっかり良くなってきた。
「ラブレターとかはたまにもらうかな。 でも、僕は直ぐに旅に出てしまうからずっと会ってあげるってのもなかなか出来ないんだけどね。
気にしてくれてありがとう。」
少年の頭に手を伸ばし、軽く摩ろうとする。
少年が嫌がるなら触らずに手を引っ込めるだろうが。
「ありがとう。 危ないのが出てきたらお願いするね。」
そういうと、カナム君の隣へと寄り添う。
そのままカナム君に守られながら山を下りていくだろう。
■カナム > 「へー....うん?」
聞き流しかけたけどなんか今とんでもないこと言わなかった?
「お姫様に憧れない女の子か、アマンダさんは少数派だね。」
正直実際になったら嫌になりそうなのは同意だけど
見てるだけのがいいよ絶対
「へー、そういうギルドもあるんだ。」
興味はあるけど頑張るの言葉で....どうしてだろう一気にやる気が消えてしまった
人のために頑張るのは向いてないのかな僕?
「やっぱりもらうんだ。」
予想的中
哀れな男達よ、理想を抱いて死んだか....
頭を撫でられる....敵意も殺意もないので甘んじて受けるよ、だって悪い気はしないし
「お任せをー、まぁ多分何も来ないよ。うん」
血の匂いで獣が、山賊のアジトを潰したという事実が人を遠ざける
依頼の品と新しい知り合いと一緒に山を下っていく
ご案内:「九頭龍山脈 山賊街道/山中」からカナムさんが去りました。
ご案内:「九頭龍山脈 山賊街道/山中」からアマンダさんが去りました。
ご案内:「九頭龍山脈 山賊街道/山中」にリーゼロッテさんが現れました。
■リーゼロッテ > 専用の防具を着せられた6頭の馬、その後ろにある馬車は二台連結された大きなもの。
木製の車体ではあるが、普通の馬車とはかなり異なる。
鉄線が入った窓が嵌めこまれ、表面は燃えにくような加工に鉄のフレームで確りと補強されていた。
まるで砦の一部でもそのまま持ってきたかのような作りをした車両が二連結され、高さもそこそこある。
左右と後ろには、馬に乗って随伴する護衛の組合員の姿もあった。
何時もなら盾を象った紋章をつけた、護衛班の面々がいるはずだが、今日の随伴メンバーは短刀を象った紋章をつけた戦闘班のメンバーである。
車両の中には護衛班のメンバーも4人待機しており、手綱を握る席とその隣も護衛班のメンバーが居た。
何時も異常に厳重に警備をしているのは、どうにも山中の状況が危ういからである。
ドラゴンフィート以外の馬車が壊滅するほど襲われたこともあり、今は客を逃さないためにも、戦力を惜しまず厳戒体勢での警備で客を送り届ける。
チェーンブレイカーが経営する夜行寝台馬車は、軍隊となって通り過ぎるかのように確りと防備を固めていた。
「何もなければいいけど……」
それに飽きたらず、大型の隼とそのパートナーのバディ達で結成されたリトルストーム隊まで上空からの警戒に駆りだされている。
とはいえ、全て出撃させるわけにはいかず、半分ほどの戦力を使い、馬車に一組宛てがって、索敵範囲を広くとっていた。
そして、教官の仕事がなければ隊員とは違うものの、同じことが出来るこの少女も同様に引っ張りだされている。
「馬車は凄くお金になるっていってたからね、旅路をしっかり守ろうね? ザムくん」
馬車の上空、隼の背に乗りつつ、相方のザムこと大きな隼の背中を軽く叩く。
お前は眠って落ちないように気をつけろと悪態を思念の言葉でつかれれば、ムスッとした表情で再び背中をぺちぺちと叩いた。
「ザムくんのばーかばーか!」
子供かと言わんばかりな安直な悪口を言いながらも、そんな日常も楽しいのかどうか、薄っすらと微笑んでいる。
森の街道を抜ける馬車を見下ろしつつ、隼の瞳と嗅覚も合わせながら怪しい影を探す。
■リーゼロッテ > (もう少しすると温泉街だね、注意しないと)
飛行しながら、思い出すのはこの先の航路。
山中にある温泉宿が連なった集落を抜けるのだが、そこで操舵手と助手席のメンバーを馬車内のメンバーと交代させる。
ほんの数分間だが、そこで足を止めてしまう。
深夜の薄暗い中、魔法で闇の中を見通せるようにしながら進んでいるとはいえ、集中力の消耗は早い。
交代させて一眠りさせたほうが、ずっと効率がいいのだとか。
そんな話を参謀さんから聞かされ、よく分からなかったものの、彼から言われたのは確りと守れの一言。
わかったと満面の笑みで返事したのを、呆れた溜息で返された時は、グーパンを見舞ってやろうかと思うほどムカっときた。
そんな数時間前のことを思い出しつつ、隼から止まるぞと一言かかると、馬車は宿並びの道で速度を落とす。
明かりの消えた宿は、厳重に扉を閉ざしており、普段ではなかなか見れない宿並びの景色が広がっている。
その中央で静止すると、随伴の組合員達も足を止め、真っ黒な外套の下で二連銃身の魔法銃を構える。
銃口に灯る魔法陣の青白い光を外套で遮り、目立たないようにしながら、フードの下から鋭い眼光で辺りを見渡す。
随伴の組合員はミレーの少女達、魔力に長けた特徴を活かして働いている。
「私達はぐるーって回ってみてみよっか?」
至近距離の警備は任せつつ、ぐるりと周回するように旋回して入れ替えの合間の警備に当たる。
重苦しいドアを開き、警戒しながら出てくる組合員が素早く入れ替わるにしても多少は時間を食う。
ご案内:「九頭龍山脈 山賊街道/山中」にイニフィさんが現れました。
■イニフィ > ―――ダイラスを離れたのはつい30分ほど前だった。
夜の闇に紛れられるというのはなんとも便利なもので、誰にも気にされることもなかった。
風を纏いながらの空中浮遊での散歩は、なかなかに楽しいものである。
鼻歌なんか歌いながら、九頭竜山脈付近までやってきたのだった。
(そー言えば、あの一件どうなったのかしら……。)
最近はいろいろと物騒である。
街道で商人の一行が襲われたり、山賊街道でも商人の一行が妖魔の軍団に斬殺されたり。
マッタク、本当に物騒な感じだ。その点、空の旅は何の障害もない。
この魔法を覚えられたのは、本当にラッキーである。
ただ――――その分気づかれたら本当に驚かれるのだけれども。
リーゼロッテの隼が、風に精通するものであるという事―――。
それが、今現在温泉街へと飛行中のイニフィにとっては誤算だった。
気づかれる可能性は非常に高い。夜の闇に紛れて、その金髪の街娘が飛んでいるという事実。
(まだ占拠されてるままなのかしら…。ったく、此れだから騎士団って信用ならないのよねぇ)
ため息を突きながら、少しずつ高度を降ろしていく。
そこに何もなければ―――ちょっとだけ、温泉に入っていくつもりなのだけれども。
■リーゼロッテ > 馬車に乗り込んだ行商人や旅人達は、この馬車と厳重な警護を見て、こんなことを呟いていた。
こんな砦みたいな馬車に近づく愚か者はいないだろうと、それだけ見るからに守りの強さを感じさせられるといったところか。
旋回しながら辺りを見渡していると、夜闇にまぎれて金髪が揺れるのが遠目にも瞳に映り込み、きょとんとしながら隼の方へと視線を落とす。
「ザムくん…何だか、人が飛んでるみたいに…みえるんだけど?」
俺もそう見えると答えれば、旋回をやめてその姿へと近づこうと滑空していくのだが、気を張り詰めているところに空から人がやってくるなら、随伴の組合員達も直ぐに気づいてしまう。
空から何か来ると叫ぶと、後方と彼女に近い方角の側面を守っていた随伴の組合員二人が外套を翻し、魔法陣が二つ並んだ銃口を空へと向ける。
慌ただしくメンバーの入れ替えを急ぐ護衛班の仲間達を援護すべく、猛スピードで隼が彼女の周囲を通り抜けて牽制しようとするだろう。
それだけ近づけば、おそらく見覚えのある姿に、一瞬驚いて瞳を瞬かせ、彼女へ振り返りながら二度目しているかもしない。
■イニフィ > (……ん?うわっ、なにあの馬車?)
少しずつ高度を降ろしていけば、まず見えたのは温泉街の知覚で停泊している馬車。
なんというか、なにを運んでるんだとでも言いたくなるような堅牢な馬車である。
用心か何かを運んでいそうなほどの重装備をしている馬車を見下ろしながら、その近くの温泉街の様子を見ていた。
占拠は―――されているのかいないのか、此方では判別しにくい。
(んー、も少し近寄らないとダメかしら。…こういうとき、夜目が効かないのって不便よねぇ。)
ため息なんつきながら、そんなことを思っていた。
さて、もう少し近寄ろうとしたところに―――こっちへと何かが『飛来』してくる気配がする。
―――この時間、月明かりは良好。
だとしたら鳥ではない、もしかして妖魔なのかしら?と前を向いた瞬間――――。
「……きゃあぁぁぁーーーっ!!?」
猛スピードで突風が吹きぬけていった。
その瞬間、纏っていた風の魔法の効力が薄れて、飛行することが難しくなってしまったのだ。
この高さはちょっと拙い。落ちたらいたいとかそんなレベルじゃない――。
「うわわわ…落ち、落ちるってかもう落ちてるわよねこれえええぇぇぇぇ!?」
なんとも間抜けな悲鳴である。
もう一度風の魔法を構成するにしても―――間に合うかどうか。
まだ覚えたてのこの魔法は、制御になれていなくて構成に時間が掛かる。
そんな、間抜けな悲鳴を上げているイニフィの姿を、きっと少女は見ているだろう――。
■リーゼロッテ > 遠目に見るとゆっくりな飛行も、近づいてくるとまるで弾丸の様に突き抜ける速度に感じるかもしれない。
猛スピードで滑空して突き抜ける中、ひしっと背中にしがみついて彼女の姿を確かめると、隼は翼を器用に動かして速度を殺さず旋回する。
「……ザムくん、私の知り合いみたい…なんだけど」
お前も大概変だが、知り合いも変わってると悪態をつく隼に何時もの子供っぽい反論を紡ぐ余裕はない。
冷や汗を垂らして険しい表情を浮かべたのは、彼女が落下しているから。
最初はまさか…と思っていたものの、その聞き覚えのある声の悲鳴は、勘違いではないと思うのに十分だった。
大回りな旋回をやめ、翼で空気の壁を叩いて急ブレーキからの反転。
急降下に近い角度で彼女に一気に迫ると、猛禽類の両足でその体を確りと掴まえて地面すれすれといったところで上へと軌道を反らし、激突を回避させていく。
「…イニフィさん、ですよね?」
旋回する隼の首元から逆さになりながら、にゅっと顔を乗り出すと回収されたであろう彼女へと視線を向けて苦笑いを見せるだろう。
その様子を見た馬車の護衛たちは、なんだろうかと警戒はしつつも、臨戦態勢は解除して出発の準備に入っていく。
■イニフィ > 「いやああああああ!?」
どうせ死ぬならもっとおいしい物を食べてもっと楽しいことをしたかった、と本気で思っていた。
何しろ木よりも高いところから落ちているのだ。地面に激突したらひとたまりもない。
イニフィは、不死というわけじゃない。怪我をしたら痛いし、極端な話を言えば首を斬られれば死ぬ。
当然、高いところから落ちればその衝撃で死にいたる怪我も普通にする。
そんな錯乱状態で、魔法の構成などできるはずもなくこのまま何の抵抗もなく落下して―――。
そんな未来が、唐突に回避された。
地面すれすれで、がくんっと空に引っ張られる感触がしたのだ。
構成なんか勿論していない。―――用は、何かに体をつかまれた。
「ゼェ、ゼェ、ゼェ…っ!……へっ?」
涙目になりながら、とりあえず助かったことに安堵する。
少し上を見上げれば、巨大な鳥に自分の肩をつかまれていた。
―――そして、その首元から顔を出す、その少女に目を向けると―――一瞬誰だかわからなかった。
けど、その子供っぽい表情と青い瞳。それをみればすぐに誰だかわかる。
「……リ、リーゼ…ちゃん?」
まだ息を荒くしながら、涙目で首をかしげる。
■リーゼロッテ > 物凄い絶叫の声に一人と一羽は焦りながらも急降下を続けて、ギリギリで彼女をキャッチすることが出来た。
掴む足からも、そして見上げた隼からもこの地にいたという旧神の白い力が溢れているのを感じるかもしれない。
ホッとしながら顔をのぞかせたところで見えるのは、胴体を二本の足で鷲掴みされている彼女の姿。
風に揺られる薄茶の髪が暴れ回っているが、苦笑いを浮かべる幼い顔立ちに青い瞳と、以前と変わらぬ様子である。
「はい…やっぱりイニフィさんでしたか、こんな夜中にお空にいるなんて思わなかったです」
くすっと苦笑いを浮かべながら体を起こすと、隼に馬車の上に降ろしてとお願いを一つ。
分かったと答える思念の声は、若い男性の音。
それが隼と触れている彼女にも聞こえるだろう。
速度を殺しながら馬車の平らな屋根へと近づいていくと、優しく彼女をそこへと開放し、背中からリーゼも身軽に飛び降り、傍へと着地する。
おもいっきりスカートが捲れてしまうものの、同性相手だから気にした様子もなく、苦笑いを浮かべている。
「脅かしちゃってごめんなさい、今ココらへん凄く物騒になっちゃって…馬車の護衛も厳しいんです」
緩やかに動き出した馬車は温泉宿の並びを抜けて、山の向こう側の麓へ向かって下り始めた。
随伴する組合員達が馬で取り囲むように追いかけ、銃を手にしている姿も、屋根からならよく見えるだろう。
■イニフィ > 残念だが、イニフィはその旧神の力を知らない。
確かに、マグメール建国以前の知識は本などで知ってはいるものの、その力がどのようなものなのかは知らないのだ。
ヤルダバオートという神様のこともよく知らないし―――何より、無教徒であるイニフィには、あまり興味をそそられる話題ではなかった。
ただ、もしまともに思考が働く状態だったら、相当強い力を持っているというのは―――気づいたかもしれなかったけど。
「ぐすっ………うえぇぇぇん…!」
安堵からか泣き出してしまった。
死なずにすんだことに対する安堵で、まるで自分がリーゼロッテよりも子供であるかのように大泣きしてしまう。
―――はっきりいっておこう、かなりのレアケースである。
「怖かった、怖かったよぉぉぉ……!」
スカートが捲くれようと、今はそんなことに気にできる状態ではなかった。
とにかく助かった、そんなことしか頭の中になかった。
そばにいるリーゼロッテにしがみつき、おいおいとひとしきり泣いた後、ようやく落ち着きを取り戻す。
「……ぐすっ…、もう…ほんとにビックリしたわよ…。」
まあ、それを知らず空中浮遊をしていた自分も悪いのかもしれない。
事情をある程度聞くと、馬車の屋根の上から周りを見てみる。
確かに、かなりの数の護衛だ。それもかなりの重武装をしている。
ライフルを持っているところをみると、リーゼロッテの部下か何かだろうか。
初めて会ったとき、そういえば銃の講師をしているとかいう話を聴いていたし。
「あー……知ってるわ。新聞に乗ってたしね。
逸れに、九頭竜山脈の六合目の温泉街が山賊に占拠されてるらしいし。」
今は、それはもう開放されたのだろうか。
いまだにその続報が入ってこないことも、あわせて話しておこう。
■リーゼロッテ > 怖がらせてしまったとは思っていたものの、まさか大泣きしてしまうとは思いもせず、びくっと跳ねて驚きながら膝をついてしゃがみ込むと、オロオロしながらしがみつく姿に両手を伸ばして、無意識ながらにぎゅっと抱きしめて落ち着かせようとしていた。
「ご、ごめんなさいっ…! 魔物とかだったらあれで…驚いて逃げてくれたり、したものですから…っ」
そこまで怖かったとは思いもせずに、背中を撫でようとする。
落ち着いてきた様子に改めて安堵の笑みを零す頃には馬車は動き出しているだろう。
隼は二人を下ろすと空へと舞い上がり、再び周囲の警戒と目と鼻を聞かせて辺りを探り続ける。
そんな中、側面を守る組合員の一人が、フードを降ろしてこちらへと声をかけてくる。
猫耳のついたリーゼと同じ年ごろだろう少女から、知り合い?と声をかけられれば、そうだよと微笑みながらそちらへと顔を向ける。
「本当に驚かしちゃってごめんなさい…。ぇ、六合目の…? だから馬車の数、増えたのかな…」
何時もより運行数も増えたと思っていたが、そんな理由があったのかと、山の情報に驚きながらも耳を傾けて頷く。
これは暫くお仕事が忙しくなるかもと思えば、困った様に眉を顰めて小さくため息をつくが…。
「……ところで、イニフィさんはこんな時間になんでここに?」
真夜中の山中に飛んでやってくる程の事だから、なにか大切なことだったのでは?と思うと、少々不安そうに瞳を揺らしながら彼女の瞳を見つめる。
身内の不幸とかで急いでいたなら、大変なことをしてしまったとか、そんな心配をしながら青い瞳がじっと見つめていた。
■イニフィ > 「…私は魔物じゃないわよぅ……。ただの可愛い旅行者よ…。」
可愛い、というところは少しだけ強調しておく辺り、おそらくは大丈夫だろう。
泣き止むまでしばらく慰めてもらえば、ほどなくしておちついただろう。
フードを取り、猫耳のミレー族がこっちのほうへと気づいたら、軽く手を振って会釈だけしておこう。
「ううん、もういいわよ。…まあ、私もいきなり風を飛ばされるとは思わなかったけど…。」
まだ制御が上手く出来ないため、少しの障害であっさりと魔法が瓦解してしまう。
まあ、それでも落下することは少なくなったのだけれども、其れでもこれである。
「あー、もしかして知らなかったの?
五合目でお土産やさんやってるおばあちゃんの話なんだけどね…。」
もう2月以上も前になる。九頭竜山脈六合目に位置する温泉街が、丸ごと山賊に占拠されてしまった。
討伐を騎士団に頼んだらしいけど、それ以降何の話も聞かなくなってしまった。
新聞にも、それらしい話は出てこないし、おそらくはまだ何の解決策も出ていないだろう。
その丸い瞳が、赤い瞳を見つめる。
―――少し目を細めながら、にこりと微笑む。
「ん?……嗚呼、別にたいしたことはないわよ。
ダイラスにいたけど、ちょっとこっちのほうが気になってね、空の散歩がてらに温泉街の様子を見ようかってね。」
以前、リーゼロッテに紹介された九頭竜山脈の温泉。
ずっといきたいのだけれども、その機会がなくて――時々こうしてみに来る、というわけだ。
■リーゼロッテ > 「ふふっ、旅行者さんなだけなら、お空は飛べないですよ?」
可愛いと強調したところは否定しなかったものの、旅行者という枠組み以上だと思うと悪戯な微笑みを浮かべていた。
手を振られたミレーの少女も、小さくお辞儀をしてからフードをかぶり直していく。
「あまり飛ばれ慣れてないんですか? えっと…ここらでも空で突風みたいな風が来ることってあるので、気をつけてくださいね?」
自分一人で風を操って浮かび上がった時に、強い横殴りの風で木の枝のネットへ飛び込んでしまったことを思い出しつつ、心配そうに注意を促し……その後葉っぱまみれになった事を思い出しながら苦笑いが溢れた。
「はぃ、ここ最近忙しかったので情勢に疎くて…―― …そうだったんですか、多分組合長さんなら知ってたかもですけど…今は解放しにいくのが大変なのかもです」
何度か頷きながら話に耳を傾けていくと、思ってた以上に深刻な結果を聞くこととなった。
戦闘班も護衛班も動かしている今、遊撃班を拠点の守りに宛てがっているのもあり、浮かぶだけでも動ける状態ではないと浮かんでいく。
どうするんだろうなんて、思いながらも、重ねた視線に笑みが戻るともう大丈夫そうとこちらも改めて安堵の微笑みを見せる。
「じゃあ、向かいの街まで到着したら私は交代になるので、良かったら温泉をご案内しましょうか?」
いい息抜きにもなるしと思えば、微笑みのままそんな提案を。
移動の足も空を飛んでいる隼がいることだしと、空をちらっと見上げた。
■イニフィ > 「むっ、リーゼちゃんも言うわね…。まあ、確かにちょっとだけ魔法の心得はあるけどさ…。」
会釈したミレー族は、また深く帽子をかぶった。
イニフィは、ミレー族に対して特に何か思うものがあるわけではない。
そもそも、ただちょっとケモっているだけなので、人間と大して区別しているわけではなかった。
「んー、というか…ざっくり説明すると、私の場合風とお話して、ちょっとだけその力を借りてるって言えばいいのかしら?」
だから、対話がうまく行かなくなれば力を借りることが出来なくなり、浮遊の力もなくなる。
原理としては、リーゼロッテの逸れにかなり近いかもしれない。ただ、イニフィの場合具現化はしていない。
力を借りることの出来る存在は、目には見えないのだから。
「あー…其れで最近、姿を見なかったのか…。なかなか大変ね…」
自由人のイニフィにとって、彼女の忙しさは他人事でしかない。
だけど、今こうして仕事についている彼女の元気な姿を見ていると、とりあえずは大丈夫かと思う。
―――頑張りすぎる傾向にある彼女だから、身体を壊さないか心配になるのだ。
さすがに、彼女が所属している組織のそんな事情は知る良しもなかった。
ただ、最近シェンヤンと戦争になりそう、だという話は何度か耳にしているけど、さすがに此れは話さなかった。
彼女にはあまり関係のない話だろうし。
「え、ほんと!?」
微笑みのまま、そんな提案をされたら勿論受けるしかない。
かねてより行きたかった温泉宿、そこを案内してくれるならば願ったり叶ったりだ。
■リーゼロッテ > 「ふふっ、この間はちょっと魔法が使えるだけって聞きましたけど、イニフィさんって色々出来ちゃいそうですね」
空を飛ぶこともちょっとのカウントにされているのなら、自分が想像するよりも多くのことが出来そうと浮かぶもので、楽しげに微笑んでいる。
風そのものと対話して飛ぶのなら、尚の事、自分より魔法っぽく感じというだけで、凄いなと微笑みを深める。
「それもあるんですけど…ちょっとお友達が体を悪くしちゃいまして。それを直す方法を探してたんです」
故郷からやってきた友人の治癒、元々の引き金を引いてしまったのが自分だからと、未だに傷跡が癒え切らず、少しだけ笑みに陰りが見えるはず。
「本当です、私もゆっくり温泉とか入れなかったので、一緒に入れたらいいなぁって」
馬車は順調に麓の町へと近づいていく中、この後の休暇の話しを膨らませつつじっくりと空の紺色が明るく晴れ始めた。
もう吸う時間ほど走れば、朝焼けの中、街の中央へと辿り着くだろう。
その後の二人の話は、その後のこと。
■イニフィ > 「できないわよ。私は万能じゃないしね?」
にこり、と笑みを浮かべながらウィンクする。
リーゼロッテのそぷぞうが以下ほどかはわからない、けれどもイニフィが出来ることは本当に限られている。
この風との対話だって、自分一人で出来るようになったわけではないのだから。
「………なるほど、ね。その事情は温泉街でたっぷり聞かせてもらうわ?」
彼女の友人が傷ついてしまった。そのことに、笑みを曇らせるリーゼロッテの話は、後でたっぷりと聞こう。
勿論今でも構わないのだけれども―――それは、まだ彼女が仕事中だという事で、諦めていた。
それに、彼女との温泉旅行も楽しみだ。―――しばらくは一人ないし二人で旅をしていることが多かったけど。
笑みを浮かべるその様子に、こっちもつられて笑みを零すのだった。
「あ、いいわねいいわね!二人で美味しい物食べて、ゆっくりしましょっか♪」
その後は、待ち合わせの時間や場所、そしてどういう温泉にしようかといろいろと話すのだろう。
その際に、彼女が顔を見せなかったさいのことも多少は聴きつつ―――。
その後の話は、もう少し未来の話。
ご案内:「九頭龍山脈 山賊街道/山中」からリーゼロッテさんが去りました。
ご案内:「九頭龍山脈 山賊街道/山中」からイニフィさんが去りました。
ご案内:「九頭龍山脈 山中/盗賊団アジト」にマクシミリアンさんが現れました。
■マクシミリアン > 九頭龍山脈の一角にある洞窟。洞窟の前では火が燃やされゴブリンやオーガといった妖魔が捕まえた動物や人を食い酒を煽っている。
洞窟内からは微かに悲鳴のような声が聞こえその奥でも碌な事が行われていないのが解り…
そんな騒ぎから少し離れた場所。暗闇に紛れる様に座る頭領であるダークエルフ。そしてその周囲にも少数の妖魔がいる。
流石に人を食う趣味はなく商隊から奪った保存食と酒を口にして。
何度もの襲撃で流石に警戒心を持たれたのか大規模な商隊ほど多くの護衛、または襲撃をするには相性の悪い頑丈な馬車が増えた事を思い浮かべる
「しばらくは街道に移す方がいいかもしれんか」
ゴブリンやオーガの中でも知恵の回るモノを集めてはこの先の方針を話し合いながら酒盛りを続けて
■マクシミリアン > 盗賊団の野蛮な宴は酒や食べるものが少なくなり始め終盤となり始める。
その時に一匹のオーガが洞窟へと入ればボロボロになった虚ろな目の女を片手に戻ってくる。
何をするのかと思えば鉈の様な剣で突然に女の腕を切り落としあたりに響く悲鳴。
少なくなった酒のつまみは今度は生きた人間を喰らうという狂喜の宴にと変わり…
暗い山中の一角に狂った宴は続いていく……
ご案内:「九頭龍山脈 山中/盗賊団アジト」からマクシミリアンさんが去りました。
ご案内:「九頭龍山脈 山賊街道/山中」にリーゼロッテさんが現れました。
■リーゼロッテ > 馬車の護衛が何度も続く日々、今日の仕事を終えてぐっと背伸びをして休もうと思ったところに届く凶報。
組合とは別の馬車が襲われている、その知らせが麓の拠点に届いた時に直ぐに駆け付けられるのが自分しかいなかった。
ちょっと疲れ気味ながらも、隼の背に乗って山道へと飛び出すと松明の灯が激しく揺れているところを見つける。
前後の道を倒木で塞がれ立ち往生する中、数人の護衛の男達が剣を片手に取り囲む山賊達の対応にあたっていた。
「ザムくん、下に降りて援護してくるっ。 皆追い払ったら馬車を掴まえて持ち上げて麓まで戻っちゃお?」
分かったと思念の言葉で答える隼にニコリと微笑みかけると、その背から飛び降りる。
風の力を纏い、数百メートルの落下を経て山道へと降り立つと、地面へ振り下ろされる突風で周囲の木々が揺れ、木の葉が舞い散った。
両陣営共によろめいた中、手近な山賊へと背負っていたライフルを構え、魔法陣を銃口へと灯す。
殺傷しない程度、強い衝撃で気絶させる魔力の弾丸を放つと、顎に直撃した山賊はぐるりと頭を傾けると脳震盪を起こして膝から崩れ落ちる。
「大丈夫ですかっ!?」
馬車の方へと呼びかけながら、銃を構えつつ、闇にまぎれて動きまわる山賊達を探す。
既に銃口には同じ魔法陣が広がっており、何時でも撃てる状態で事にあたっていく。
■リーゼロッテ > 呼びかける声に助かったと声が返れば、僅かに安堵の笑みを見せる。
相手の数もわからなければ、どんな手段を使ってくるかもわからない。
時折茂みから飛び出し、斧や剣を振り下ろそうとする山賊を魔法弾で撃ち、その衝撃で失神させながら戦うも数が多い。
護衛の男達がじわじわと負傷していき、数の不利さに渋い表情を浮かべる。
「……っ! 馬車はまだ動けますかっ!?」
生き残っている男へ呼びかければ、まだ動けるが道が塞がれていると戻り、それならとぎゅっとライフルを握りしめる。
少しだけ耐えてくださいと伝えれば、進路の先にある倒木の方へと走っていく。
後ろでは金属のぶつかり合う音が幾重にも響き、プレッシャーに息も荒がる。
30mほど先にある倒木へと到達すれば、魔法陣を銃口に浮かび上がらせ、地面を撃つ。
茶色の魔法弾は地面から岩の壁を発生させるのだが、倒木の左右にそれを撃ち、岩が飛び出す力で木を持ち上げて、通路を切り開こうと考えたのだ。
「…っ!?」
そこに待ち伏せていた山賊が飛び出し、こちらへと斬りかかってくる。
銃剣で受け止め、腹部を蹴って押しのけるも、数は3人。
険しい表情でライフルを構え直し、じわじわと倒木が持ち上がる中、応戦が始まる。
ご案内:「九頭龍山脈 山賊街道/山中」からリーゼロッテさんが去りました。