2016/01/12 のログ
コヨミ > 「まあナリは立派じゃなナリは、じゃがお主の祖母のような風格にはまだまだじゃな」

ぱっと見だけで、まだ目の前の少女は未熟だと感じ、そう告げる。
それほど彼女の祖母は強大なアヤカシだったのだろう。

「そう驚くことはあるまい、現にお主の祖母を知る妾が、
 こうしてこの場にいて、旅行を楽しんでるのじゃ」

にんまりと笑いながら、そっと彼女に新品の手帳と筆を差し出す。

「よければ妾と友達にならんかえ? さすれば妾の力を主に貸すこともできよう。
 無論お主の力も妾に貸してもらうことになるがな」

そう言って手帳の使い方を軽くレクチャーする。
妖怪たちの間で最近流行のアヤカシ手帳、その力の使い方を

「例えばこうじゃな……頼むぞムツミ」

そう言って手帳に手を当てタマモも知る友人の名を呼べば、コヨミの身に付けている衣服が変わり、可愛らしいドレス姿に変わる。

「この通りじゃな、つまりお主に妾の“ぬらりと現れひょんといる”という力を
 一時的に使えるようにするのじゃ、それが元の世界に戻る方法の第一歩になるのう」

タマモ > 「ま、まぁ…それはいずれ備わるじゃろう、大丈夫じゃ」

視線を逸らしながらぼそりと呟く。
実際に先代との実力はかなり違う、少なくとも…式も満足に言う事を聞かないという事はならなかったはずだ。
いや、まぁ、九尾の力を受け継いでからはそうではないはずなのだが…経験というのは怖いものである。

「む、むむむ…それはそうじゃが…」

そう言われれば確かにそうだ、実際にこうして目の前に居るのだから。
と、ふと目の前に差し出された手帳を見る。

「………なんとも心惹かれる話ではあるが、それは止めておこう。
使い、使われる関係は妾等には似合うまい?
じゃが、そうじゃな…友として関係を結ぶ事は良いじゃろう。
少なくとも、何かあれば友として力を貸しはするのじゃ」

しばしの間、視線を手帳から外し相手を見遣れば、小さく首を振る。
時代はすでに違えど、やはり立場というものがある。
物に関わりを示し協力し合うのは、らしくない。
代わりに友としての関係を結ぶ事と、手を貸し合う事はするのだとは伝えておく。

「それが戻る為に必ず必要であるとならば…
来た方法はあるのじゃ、戻る方法もある、その手段を探すのじゃ。
諦めるしかあるまいのぅ?
…気を利かせてくれて悪いのじゃが、そういう事じゃな」

覚えのある姿を見詰め、ドレス姿となった相手を見詰める。
こういう性格なのだから、仕方ない。
やれやれといった感じに肩を竦めながら、ぽんぽんと肩を叩いた。

コヨミ > 「ほんと、頑固なトコは祖母に似ておるのう」

己の提案を断る様子、その姿に過去の彼女の祖母に重ね、懐かしそうな表情を浮かべる。
彼女の祖母もまた、気位の高い娘であったからである。

「まあ良い、いざとなれば妾を頼るが良い」

そう言って、手帳をしまえばにっこりと微笑み。

「妾の個人名はコヨミじゃ、イザというときは妾の名を呼べ
 お主の祖母に変わって主に手を貸してやろう。
 お主の天命はお主で切り開くその意気込みやよし
 じゃが一人ではなんともならん困難というものは必ず訪れる
 そういう時は一人で抱え込まず必ず頼るのじゃよ?」

そう言いつつ手帳に触れれば再び先ほどの衣服へと戻る。

「では早速じゃが、玉藻の孫よ妾の頼みを聞いてはもらえぬか?
 できれば王都とやらまで送って欲しいのじゃよ
 なにぶん妾の身なりは子供なのでな、道中妙なものに絡まれやすい
 ついでにココのお宝も、二人で半分こにしよう」

そういって積み上げられた野党の財宝を、次々に異空間へと放り込んでいく。

タマモ > 「これでも、記憶と力は継いでおるからのぅ?
まぁ、根っこの部分はそうなるのやもしれぬな?」

そうはいっても、性格部分はかなり違うところはあるかもしれないが。

「うむ、そうさせて貰うのじゃ」

本当に、それは最後の手段としておきたいところだ。
そう思うも、笑みには笑みで返す。

「コヨミ…暦か、なるほど、覚えておくのじゃ。
妾の名は…すでに知っておるじゃろうが、一応は…タマモじゃ。
何かあれば駆けつけよう。
…うむ、心得たのじゃ」

あの手帳のいくつかあった者達も同じ妖怪だろう。
この世界の者とはいえ、同じ妖怪であるならば多少は打ち解け易いか?
この者と名を示し繋がっているのだから、そういうものだろう。

「………そうか、お主の力は戦いには向かぬのじゃったな?
そういう事ならば良いのじゃ。
どうせ妾も戻る先は王都なのじゃからな。
うむ、ではさっさと周りが騒ぎ出す前に戻るとするのじゃ」

こう、異空間に放り込まれていくお宝を見ながら、便利な力じゃな…ぽつりと呟く。
空間を操る力、それは少女の持ちえぬ力だった。
それが終わるのを待ち…部屋にあった宝が全て異空間へと送り込まれる。
そのタイミングを見て、では行こうか?と。
子供という事なので、こう…それらしく、手を引きながら宝部屋を後にし、王都へと向かうのであった。

コヨミ > そのままタマモと手をつなぎ王都へと向かっていく
その後二人が一旦別れ、それぞれ何をするかはまた別のお話で

ご案内:「九頭龍山脈 山中」からコヨミさんが去りました。
ご案内:「九頭龍山脈 山中」からタマモさんが去りました。