2016/01/01 のログ
ご案内:「九頭龍山脈 山賊街道/山中」にタマモさんが現れました。
■タマモ > 「………うむ、迷ったのじゃ」
ここは山の中腹辺りか、佇む少女は誰も言うでもなく呟いた。
実入りのあった遺跡から近い湾港都市で懐を暖めたところで、そろそろ1度話にあったタナール砦とやらに向かおうとしていた。
…徒歩で。
地図なんてものはない。
方角だけを聞き、その方向に思いっきり直進していた。
転送は場所がはっきりしていないので使えない。
ならば、飛べば良いんじゃ?という意見もあるだろう。
まぁ、気紛れである。
■タマモ > 何日か前に来た時は…確か、獲物を試す為にこの付近に沸いている山賊とやらを相手した気がする。
その時はまぁ、相手がどこから出るか分からないから適当に彷徨うしかなかった。
だが今回は、ちゃんと目的とする方角があった。
いや、あったはずだった。
結局は方角を見失い、彷徨う形になっている訳だが…
この場所から上空へと上がれば、見渡して方向もはっきりとするだろう。
だけどあれだ、それをするとこう…何か負けた気がするのだ。
…勝ち負けの問題じゃない?うん、気にするな。
「うむ、こういう時はあれじゃ」
ぽんっと手を打つ、何か思いついたらしい。
すっと左手を軽く上げると、ぽんっとその手に唐傘を出す。
■タマモ > 左手に出した唐傘を持ち、閉じたまま、とんっと地面に立てる。
しっかりと真っ直ぐ立たせるように、向きを調整し…
「さぁ、妾に進むべき方向を指し示すのじゃっ!」
ぱっと手を離す。
支えを失い、立たせられた唐傘はゆらゆらと揺れ…ぱたん、倒れた。
「………よし、タナール砦はあちらじゃな?」
倒れた唐傘を拾い上げ、ぽんっと消す。
そのまま傘の倒れた方向へと歩き始めた。
かなりいい加減だ、それは認めよう。
だがしかし、実際にその方向はタナール砦の方角であるという驚愕の事実。
…ただし、散々迷っていたせいで今立っているのがあらぬ方向であるのが不幸である。
タナール砦までの距離は…まだまだ遠い。
むしろ、スタート地点の湾港都市よりも遠かった。
■タマモ > ただでさえここまで徒歩で結構かかっている。
なのに、ここから更に普通にかかる時間よりかかってしまう。
その事実を知らぬ少女は、ただただ決めた方角へと歩き続ける。
…途中で挫折し、一旦湾港都市へと戻る結果となるのだが、それはまだしばらく後の話であった。
ご案内:「九頭龍山脈 山賊街道/山中」からタマモさんが去りました。
ご案内:「九頭龍山脈 洞窟」にタマモさんが現れました。
■タマモ > 九頭龍山脈、少女の姿はまだそこにある。
タナール砦は一旦諦め、湾港都市へと向かう途中である。
徒歩である為、さすがに少し歩けば着いてしまうという状況ではない。
とりあえず、休める場所は…そう思っていたところでこの洞窟を発見したのだ。
今、少女は洞窟の入り口付近でのんびりと寛いでいた。
ちらりと暗闇に包まれている洞窟の奥へと視線を向ける。
やはりといえばやはりだが、奥があるのならば気になるところだ。