2015/10/31 のログ
ご案内:「九頭龍山脈 山賊街道/山賊の砦」にエーヴさんが現れました。
エーヴ > (石柱に飛びつくと猫のような軽快さを持ってするすると登っていく。
 足を引っ掛ける場所など一見皆無というのに、人物は苦も無く登っていく。かすかな凹凸に足をかけ、体重を時に腕一本に託して。
 柱をすっかり登りきると砦の頂上に出た。
 石塔。その昔寺院だったころはさぞ賑わったであろうそこにあるのは見張りの男数人だけである。
 まさか石塔の頂上に人物がしがみついているなど思いもよるまい。
 一人石柱の頂上であたりを伺う)

「ふーん? おかしいなあ。水晶でできた笛があるとかなんとか聞いたんだけど……」

(ようは無かったのである。
 止むを得ず引き上げてきた。石塔の頂上からあたりを伺えば場所が分かるかもと思ったものの、風景がいいだけで手がかりを得られない。
 人物は唸ると、足元が突如として崩れたことで石塔の最上階へと転落した。)

「いつつ……。あ、はじめまして盗賊やってますエーヴですー
 あはははは……」

(仰天する見張りの男に作り笑い)

エーヴ > 「あはははははー
 あははは

 うわあっ!? 」

(頭部目掛けて殺到するクロスボウの鏃を仰け反ることで回避。
 男共が一斉に襲い掛かってくる最中をどたばたと床を転げまわって逃げる。
 椅子を掴むと足で蹴り飛ばし先頭の一人を吹き飛ばす。
 続く二人目の体当たりをステップを踏んでかわすと、石塔の背景たる空へと放り投げようとする。手すりを越えれば地面へと真っ逆さま。死亡は免れない。)

「ごめん! 危なかった。死ぬところだったよ」

(男の手を引くと、ついでに襟首を掴んで柵を越えないように手加減する。
 ほっと胸を撫で下ろす男との間に奇妙な沈黙があり、)

「僕に感謝くらい言ってくれてもいいんじゃないかなあ!?」

(羽交い絞めにせんと飛び掛ってくる体を横に跳んで回避。
 石塔の階段へと一気に走りぬける)

エーヴ > (階段を降りるとそこは宴の真っ最中でした。
 奴隷らしき女を犯す男の図。
 真っ最中に飛び込んでしまったフード姿は気まずそうに視線を逸らし、上の騒動がなかったかのように振舞う。
 一度見つかってしまった盗賊はもはやただの賊である。
 逃げるのだ。それしか手立てが無い。)

「親分! 上で妙な奴が忍び込んでたって報告が」

(言葉を遮り見張りの男たちが一斉に階段を降りてきて人物を指差す。
 人物は既に駆け出していた。腰から爪のついたロープをたぐると石の柵に引っ掛ける。終端を腰にくくり、柵の上に乗った。
 ウィンク。フードの口元に笑みを乗せて)

「素敵な宴会をありがとう。ああ、それから親分さん? かわかんないけど。
 みやげ物は貰っていくからよろしく」

(手にはいつの間にやら布袋。じゃらじゃらと音を鳴らして見せて。
 手袋を嵌めると跳躍。石塔を数度に分けて降りていく)

エーヴ > (――ぷつん。ロープが切れた。
 あ と発言するまもなく体が重力に引かれて落ちていく。
 木の枝でバウンド。角度が若干変わったおかげか山中を流れる川の中へと飛び込むことに成功したのだが)

「うぶッ……ぐぶぶ……」

(この盗賊。泳げなかった。
 川の流れの中で必死にもがきつつも流されていく)

エーヴ > (もがく。暴れる。抵抗する。
 水という暴力に逆らうべく全身の力を総動員。
 ようやく浅瀬へと流れ着く。渾身の力を込めて這い上がる。
 ずぶ濡れの衣装が体に張り付き不快感をあおっている。大量に水を飲んでしまったらしく、げぼげぼと苦しげな咳をして水を吐き出していく。
 人物が震える手を擦り合わせて双眸を瞬いた。)

「はー。死ぬかと思った。ここはどこ?」

(見上げてみると石塔があった。さほど流されては居ない様子。
 ここでようやくフードを上げる。赤毛のまだ幼さの残るそばかすだらけの少女だった。
 背丈や声こそ男性寄りでも顔立ちは確かに女性のもの。)

エーヴ > 「逃げられたしよしとしよう。
 ……よしじゃないけれど……」

(目標は誰にも気づかれずに潜入し盗むことだった。
 結果はこのざま。若き盗賊は頭を掻いてその場を後にした)

ご案内:「九頭龍山脈 山賊街道/山賊の砦」からエーヴさんが去りました。