2015/10/29 のログ
ご案内:「九頭龍山脈 湖」にソードさんが現れました。
■ソード > (先日釣竿を購入してから、ちょいちょいと釣りをするようになっていた。
とは言え、もっぱら夜釣りであるが。
今夜も、半身を欠き始めた月がまだ明るい。夕刻ごろからのんびりと登山をしていたら、気づけば月の美しい刻限。
山脈内にあるとある湖はよく釣れる、などと聞きつけて、こうしてやって来た訳である。
走ればもっと早く来れるし、そうする事も多いが、今夜は何だか歩く気分であった訳で。
ともあれそうして、今夜も水面に釣り糸を垂らす。)
今夜は釣れるかねぇ。
(湖面で揺れる浮きを見つめながら呟く。
釣果は、基本的にあまり芳しくない。坊主の日の方が圧倒的に多いのだ。
はてさて、今夜はどうなるやら、と。男は黙って釣り糸を垂らす。)
■ソード > (浮きはぴくりとも揺れない。
まぁ、釣り始めてからまださほど時間は経っていないのだから、のんびりと待つ事にする。
男は見るともなしに水面を見つめる。すこし視線を動かすと、湖面に月が映り込んでいた。
粋、否、どちらかと言えばこれは雅であろう。
男にはそんなものを改めて解するような高尚な趣味はないが、その風景は嫌いではなく。
結局これもいつも通りに、外套の懐から取り出した小さな酒瓶の蓋を開けて、中身をちびちびと煽り出す。)
まァ釣れなけりゃ、適当に切り上げて温泉にでも脚ィ伸ばすか。
(嘯く。
曖昧な記憶ではあるものの、この近くに温泉が湧いていたハズである、と。そんな事を思い出して。)
■ソード > (そうしてしばらく釣り糸を垂れているのだが、やはり一向にアタリがある気配はない。
浮きは、ぴくりとも揺れやしない。
仕掛けが悪いのか、餌が悪いのか。あるいは場所か、そもそも運なのか。
こうして釣り糸を垂れているだけでも、それはそれで気分が味わえて悪くはない。というか、それがそもそも一番重要なのだが。
坊主が続くと、たまには一匹くらい釣れても、という気持ちにもなる。)
―――何か、釣りの本でも読むか。……いや、いいか。
(流石に、適当にやってればいいってものでもないのか、と。
何だかその手の教則本のようなものでも読もうか、と思い至るも、しかしそうまでする事はないか、とすぐに自分で否定してしまう。
何にしたところで、静かで平和な夜釣りに違いはない。
魔物が出るでもなく、盗賊が出るでもない。
遠くの方で獣の鳴き声が聞こえる。)