2015/10/24 のログ
ご案内:「九頭龍山脈 山賊街道/山中」にソードさんが現れました。
ソード > (街道から外れた山中。
なるほど、ここからならば街道がよく見下ろせる。逆に街道からは、容易に身を隠すことができそうな場所にその遺跡はあった。
かつて、どこぞの山賊が塒として用いていた遺跡である。いわゆる迷宮型のダンジョンではなく、いくつかの建造物とちょっとした地下室が存在する程度のいわゆる「遺跡群」だ。
今や制圧されてしまった後なのか、そこに暮らす山賊の姿は見受けられない。
そんな遺跡に、男はいた。
空は既に星空であり、世も更けきっている。)

毛皮とか置きっぱだな。
正規軍だか冒険者にでもやられたのか、魔物に襲われたか。

(生活の痕跡をありありと残すその遺跡。周囲を見回しながら嘯いたところで、男の手元で火がともった。
ちょうど焚火がついたようで。
男は一息つくと、ゆっくり立ち上がって背伸びをする。)

ソード > (この場所を見つけたのは偶然である。
そこらの遺跡を冷やかした後、適当な寝床を求めて彷徨った末たどり着いた。
多くの者が寝泊まりしていただけあって、雨風をしのぐにはちょうど良い場所である。
いたるところに血痕があったり、動物だか人間だか魔族だかの骨が転がっていたり、生活の痕跡が残っているのに完全に無人だったりと、ぶっちゃけた話けっこうなホラースポットと化している訳だが、男はさして気にした様子はなく。
そのまま、焚いた火と星明り、月明かりを頼りに遺跡群をブラブラと見て回る。)

―――お?すげぇな、温泉まで湧いてんのか。
いい暮らししてたんだな、ここの連中。

(てっきり、用水路とため池なのかと思っていた場所。
湯気が上がっているので近付いて見れば、あきらかに温泉である。
もともとそういう用途ではなく、普通の泉の水を引いてくる場所だったのかも知れないが、今は完全に温泉だ。
地殻変動だか、あるいは何らかの要員で転じたのかも知れない。
脚だけでも浸けるかねぇ、などと嬉しそうに目を細める。)

ソード > (結果、誘惑に抗えず。
というか抗う姿勢など一切見せる事なく、男はブーツを脱ぎ捨ててズボンの裾を捲り上げ、その湯の中に両脚を突っ込んでいた。)

あー……いいわー……。

(至福、といった風情で貌を蕩かせながら嘯く。
本能のままに、気の向くままに生きる、実に獣らしい有様を晒している。
ふくらはぎというのは、下半身の心臓なんぞと呼ばれる場所である。
自重を支え続け、歩行の際はその数倍の衝撃を受け続ける場所。
当然疲れがたまりやすい場所であるし、国によっては「脚の重みを落とす」というマッサージが一般的であったりもする。
だから、足湯とは気持ちいい。
気持ちいいのだ。
星空を見るともなしに見上げながら、その快楽に身を任せる。
多少ホラーなロケーションである事を気にしなければ、割と贅沢なシチュエーションである。
たとえ、いつ盗賊や魔物に襲われるか分からない場所であるのだとしても。)

ソード > (そうしてしばらく、暢気に足湯を愉しんだ後は、火の前に戻って食事である。
と言っても、狩りをした訳でもない。
持って来ていた少量の干し肉であったりパンであったりを食べる程度のものだ。
気が向けば、川で魚を獲るなり木の実を採るなりするのだけれども。)

平和だねぇ。

(嘯く。
少なくとも今この時、この場所は平和である。
ラム酒の入った小瓶を傾けながら、もう一度星空を見上げる。光源の少なさもあって、見事なものだ。
男はそのまま食事を終えると、賊が残していった毛皮などに包まって夜を明かしたのだった。)

ご案内:「九頭龍山脈 山賊街道/山中」からソードさんが去りました。