2021/11/27 のログ
ご案内:「港湾都市ダイラス 大通り 」に八蛟さんが現れました。
■八蛟 > 月の無い夜のダイラス
今夜は月明かりのない夜
灯台の明かりはあるものの、月の無い夜 最も光る星の無い夜ほど
船乗りにとって不安な夜はないだろう
空と時計 コンパスなど 持ち得る技術が無ければなにもできはしない
又、月の無い夜は魔性が出歩くと言われる
月は、天上の者が覗いでくる窓なのだと解釈し、悪さをする日は月の無い夜と決めていた
などという小話、誰かが聞いたことがあるだろう
だからこそ、こんな日は飲み歩く者が多いのだ
船も出られず 呑みに出歩き 覘き穴がないからこそ 魔物が喰らう
そんな夜
「よう、大将。」
始まりは鬼の一声
港近くの大道で商いをするおでん屋台
暖簾をめくり、声をかけた八蛟
バフートへと船で気まぐれな一人旅を終えて
また出歩く機会の多い港湾へと戻ってた矢先
冷える外の中で馴染みらしい屋台に顔を出す
『おや、鬼の姉さん 意外と早いお帰りだったね。』
蒼髭の残る、ガタイの良い冒険者から移った屋台の親父
素焼きの酒壺 銘の入ったそれを見せながら
『いい酒も女も喰っちまうと、またいい魚が喰いたくなったってだけさ。
その火酒と、適当に旨いの見繕っておくれよ 卵は入ったかい?』
海鳥の新鮮なやつをちょいちょいとね、と内陸とは違い
ここでは肉や麦 卵などは多少値が張るだろう
伝手のある親父は皿の上 煮えた海鳥卵に白太根 そしてすり身に稚魚を混ぜた“雑魚天”を出し。
火酒は壺ごと 杯は茶碗じゃあれだろうと、ぐい飲みで。