2021/09/12 のログ
リン > 「あ、ここってやってる~?」

翼のある少女よりもより小さな、藍色の髪の人影がカード遊びの席に現れる。
ゆったりとしたローブのような服を纏っていてひと目で性別がわかりにくい。
背には大きな青い楽器ケースを背負っている。

「今夜はなんだかついててねえ。このままいい気持ちのまま終われちゃいそうだな」

チップケースを開いて、周囲の人物に見せびらかす。
高ランクのチップがぎっしりと詰まっている。確かに大勝ちできているようだ。

エレン・ローズマリー > グラスが運ばれてきては、甘そうなカフェオレ色のそれ
お決まりなようにステアするスティックの代わりに差し込まれたチョコレートプレッツェル
氷の入ったそれを、カラカラとゆっくり廻せば引き上げたそれを パキンッ と口の中で折り食んだ
チョコレートと吸血鬼は、劇にも出てくる組み合わせ

サクサクとプレッツェルを口の中で弄んでいると、中性的な それでいてエレンよりも小柄な相手
見た目成りはカジノに訪れる、遊び好きな貴族子には見えない
ただ大枚を見せびらかす様にして訪れた、彼の者は今日は強運が訪れているよう

「ごきげんよう、今夜は貴方に月が微笑んでいそうね。」

エレンは、やってきた自身よりも小柄な、異性か同性かもわからない
どちらかといえば、少年好きの同性や、男娼好きの異性に好まれる外見の相手へ声をかけた

見せびらかす様にする それはカジノに於いて、ディーラーにその大半を搾り取る
そう思わせても仕方ない 周りからすれば、その強運
付き従えばそれなりの勝ちが得られるかも、と思わせる

最も、これはダイスゲームやルーレットとは違い
「21」に当てはめることを主軸としたもの
一人一人の運は独立し、一人一人の運は恩恵を与えることはない

そうして小柄な二人は席を隣り合わせにする
それは背中からでも、周りの目を引く
一人はハイブラでよく動く ローズマリー家の妾腹
もう一人は大枚を抱えた中性的な幼年

遊びに興じてみるかと、何人かが席へ訪れることだろう

『ではゲームを始めさせていただきます』

揃ったところで、各々は各自好きな額をベットする
ディーラーが席に座った各々へと、カードを二枚配り始める
勝ちを狙う者 カジノの空気を味わう為に訪れた、派手な敗けでもなければ構わない者
「21」を揃える勝負が始まった

エレンはといえば、手持ちの中でカジノコインを指でつまめる厚み 15枚から始めた
手元のめくり上げたカードは―――
[2d13→5+9=14]
リン > 「えへへ~」

少女の見かけの歳に見合わない優雅な挨拶に、こちらは脳天気な笑みで返事をする。
博徒特有の迫力はあまり感じられない。
本当にビギナーズラックなのだろう。
立ち居振る舞いも、カモにしてくださいと言わんばかりだ。

「ぼくはリン。どうやら勝利の女神がついているらしい。
 けれどどんな天使や神も、君にはかなわないかもしれない……」

歯の浮くような台詞を吐きつつ、リンと名乗った少年は
ためらうことなく大枚のカジノチップを駆け、配られたカードをめくる……
[2d13→5+6=11]
エレン・ローズマリー > 強運と、緩やかな口調
リンと名乗る相手は今だ性別不明なものの、丸みのある卵型のグラスでカルーアを傾けながら
隣にいると、だんだんと異性と気づくのは、半魔といえどもドラクルの血が混じっているせいだろうか
夜の店を構える者としてみると、嗚呼、どちらもできてしまう器用な子のようだと
それを感じるのは、雄よりも雌を思わせる何かを感じるのだろう

「よろしく リン わたしはエレン。」

そう言ってお互いにカードを確認し合う
一枚は表向き 一枚は裏向きのままなんのカードが来ているのか
それはお互いにしかわからない
初めから21がきていると知れてしまえば、意欲も下がるというもの

さて、エレンはグラスで唇や舌を濡らす程度に酒精を押さえながら
甘い口当たりの口内 鼻腔に抜ける子供でも飲めるそれが通り抜ける
頬杖を突き、チラリと見たカードは5と9 足して14
何とも言えないカードだった

カジノではポーカーフェイスと呼ばれるくらいに、表情に出すべきではないし
興奮と勝気高まればそれは思わず出てしまう
しかしエレンは、悩ましい笑みを浮かべてしまう
絵柄が来てしまえばバスト 望むカードはエースから7まででしかない
しかし、ここでスタンドしてしまうと寂しすぎる数字だった

横目で回りの様子を確かめると、小柄な二人のゲームが少し気になる様子の視線が幾つか交わる

「これではダブルダウンする勇気もないわね ヒット。」

そう言って、一枚が裏向きでこちらへと流される。
幼げな手指で流れてきたカードを止めると、自身に見えるようにしたカードは……。
[1d13→6=6]
リン > 「エレン! 凛々しい名前だね。よろしく」

お世辞を口にしながら、着席した脚を床から浮かせてブラブラと揺らす。
背が低すぎるのだ。単純に背丈だけを見れば10歳の子どもにも満たない。

「ぼくにも彼女と同じものを!」

カルーアミルクを注文する。まるで子供同士が背伸びをしてカジノに来てしまったかのようだ。

そうして配られたカードを確認しても、へらへらと緩んだ表情は変わらない。
ただの愚昧か、彼なりのポーカーフェイスかは判別つかないだろう。

「ダブルダウン!」

さほど迷うこともなく宣言し、手持ちのチップを突き出し、賭け金を増やす。
配られたカードの合計は11。絵札が来れば21、勝利となる。
しかし相手は20。ダブルダウンを宣言すれば追加できる札は一枚だけ。
リンにはまだわからないが、8以下が来ればおしまいだ。
果たして……
[1d13→12=12]
エレン・ローズマリー > 歯の浮いたセリフはエレンに釣られてか
カクテルを傾ける様子も同じく
まるで弟が姉を真似るかのような仕草

廻りも、カジノという一種の緊迫感を味わうために訪れているというのに
思わずクスクスと笑みを漏らす熟女や紳士
これでは、賭ける金額も盛り上がるまいとディーラも渋い顔をする一点
リンは大金を賭けている 数字までは把握していなかったものの、ダブルダウンで倍額投資
そして一枚だけを引くというプレイに、エレンもパチリと瞳を開く

「え。」

ディーラー側からすれば、それは僥倖
しかし手元に来たエレンのカードが総て開かれる
5 6 12 合計数「21」
全員のカードが出そろう中で、エレンは月に微笑まれたかのように 20 という数字結果
周りはそれに及ばずか、同数が多い
しかしリンは見事に21に仕上げて見せる

「本当に月に微笑まれてたのね 私は霞んでたわ?」

パチパチとはしゃぐリンに祝福をする。
本当に豪運がついていたらしい
エレンの酒は測らずとも勝利の美酒になってくれるどころか
負けが確定したほろ苦い甘さになってしまった

そして、21を出された渋い表情のディーラー側にも、二枚が配られる
それは裏向きではなく総て表側で見せられ……。
[2d13→3+7=10]
エレン・ローズマリー > 17に届かず、さらに続けてもう一枚がディーラの手元へ。 [1d13→13=13]
リン > 「ふふ、きみもなかなかいい引きだったが
 勝利の女神はどうやらきみに嫉妬したらしいね……」

得意満面、と言った体で、カルーアを手に小さな体で椅子にふんぞりかえる。
微笑ましげに観戦していた紳士淑女らにも悠然と手を振って見せる。
しかし勝負はこの一度で終わるわけではない。

「このままきみを買い取れるぐらいには勝ってみせようか?」

にやりと笑みを浮かべて、さらにゲームを続行する──

エレン・ローズマリー > 「あら。」

結果は20 周りも一瞬ザワッとして、一瞬で静まった
エレンを含める他が20 バストも交じる中で、リンは「21」

『結果は リン様の21に対しディーラー20です
 ダブルダウンによる倍額から、絵札カードで21に仕上げられたので
 1.5倍の額で戻させていただきます』

周りが子供の用にはしゃいでいた、ビグナーズラックという月が微笑んだ結果に拍手を送る
一度目にしては、子供が勝つという結果に苦い思いがないこともない
それでも、一度目から良い盛り上がる結果となってしまった

「ダブルダウンに21 出来すぎよ?リン」

おめでとう、とグラスをチンッと合わせてお祝いすると
お互いに甘い酒を傾ける
なんならエレンを買い取れるくらいまで勝ってみせるよ!と豪語するのに
それはそれで面白いものの、あいにくエレンは、男に抱かれる趣味はない、と述べるだろう

しかし笑みを浮かべるリンとは、後にその場で数度勝負し合うと
小柄な者同士というものは意外と少ない 意気投合するかのように
お互いで勝ち負けを繰り返した後

エレンとリン 奇妙な組み合わせの二人は他のカードゲームや闘技場で一度、二度と冷やかす様に遊んでから
なんなら二人だけで遊ぼうかとなり、特別個室 限られた客同士で絞り合う部屋へと訪れることとなった

ご案内:「港湾都市ダイラス “ハイブラゼール”2 カジノ」からエレン・ローズマリーさんが去りました。
ご案内:「港湾都市ダイラス “ハイブラゼール”2 カジノ」からリンさんが去りました。