2021/06/12 のログ
ご案内:「◆港湾都市ダイラス “ハイブラゼール”2【イベント開催中】 オークション会場のひとつ」にホアジャオさんが現れました。
ホアジャオ > 深夜のハイブラゼール。
煌々と光あふれる施設のひとつから、ワァッと漏れる歓声が上がる。

「太好了(よっしゃぁ)!」

オークション会場のひとつとなっている広間。
中央にある舞台には今、ガッツポーズを取る黒い道着を女と、その前に倒れ伏す大柄な男が一人。
周囲の観客からは怒声めいたものも混じるが、大概は小柄な女の方が男を打倒した技に対する賞賛だった。小さいほうが大きい方を翻弄する姿は、女が狙った通りウケがよかったらしい。

ここは闘技場ではない。紛れもなくオークション会場だ。
但しちょっと趣向は変わっていて、
『公主の護衛同士を戦わせて、結果をみてそれぞれの護衛を再度雇い入れる者が入札する』
というもの。
強者を好んでも良し、敗者を玩具として雇っても良し。
当然入札は公主、という訳でもなく、貴族でも数寄者は参加しているようだ。
入札がなければ出場者は次の試合に挑むことになる。
勝者であれば抜けても良いが、敗者は強制だ。

「哈哈哈(あはははは)ー」

強者に遭えれば見つけもの。居なければ適当に遊んで帰るだけ。
満足げに笑った女は舞台から降りて、端に用意されていた水のグラスをくいと煽って紅い口の端を拭う。
試合が終われば入札が始まる。はてさて、手を挙げる数寄ものがいるかどうか

ホアジャオ > 結論、入札開始寸前に女の雇い主の公主から使いが慌ててやってきて、女をひっとらえて引きずって行く一幕。
要するに、勝手に出場していたわけである。

女は向こう3日タダ働きを言い渡され、むくれてぶー垂れる声を部屋に残して
その広間からは今宵、歓声が途切れることはなく―――

ご案内:「◆港湾都市ダイラス “ハイブラゼール”2【イベント開催中】 オークション会場のひとつ」からホアジャオさんが去りました。