2020/04/20 のログ
■リス > 「ええ、私もそれは思っておりますわ、商売以外での付き合い、大事ですものね?
今度、落ち着ける所でのお食事でも如何でしょう?」
彼女は、友人という形で考えるなら、とても、とても大事な友人と言う所に成る。少女は、友人と認める相手は狭く深くである、その中の一人となるのだ。
大事にしていきたいし、大事に付き合っていきたい。彼女との会話や悪だくみは、とても楽しいのだから。
「いいえ?別に夢見がちでは無いのではないか、と。ほしいと思うものは、有るのでしょうし。それに、私は厳密に言えば人ではありませんし?
アクセサリー、良いですわね。じゃあ、ナイン様の美貌を引き立てるようなものを、探しましょう。
――では、悪い一つに捕まって売られないように、真黒な人を見つけるのは、お任せいたしますわ。」
とても心強いと思える、商人では、金に関する人の暗い所は判るけれど、貴族程の闇は見抜けないところも多いのだ、だからこそ、彼女のように、貴族として見て判る相手は、心強く頼もしく思える。
それに、竜だからこそ、そう言った機微には、疎くなるのかもしれない。なまじ、力のある種族だから。
少女は力が無い特殊個体だけれども、基本は物理的な力を持っている種族であり、陰謀巡らせる前に爪爪噛みつき尻尾で粉☆砕する種族なのだから。
彼女の様な人は、本当に助かるのである、少女自身だまされやすいとも言えるのだ。
「そう言ってもいいのですけれど、でも、今日は此処に、出会いを求めてきているのでしょう?水を差すようなことは控えた方が良いと思いまして。
買わずとも見て回る楽しさ、買い物というのはそういうのもありましょう?
それに、これを見て、もっと良いものが欲しいと泣きついてくださったときに、私は、お任せくださいって、良いものを取りそろえる方が、お互いに気持ちよくなりますし。」
ウインドショッピングを否定するものでは無い、彼女が欲しいと思っても不足を感じるときに、満足を売る、それが一番だと少女は笑うのだ。
最初から直ぐに提示するのではなく、需要が発生してから供給を満たす、それが商売ですし、と。
「ふふ、先程迄の姿が、可愛らしくて忘れていましたわ。綺麗な薔薇には棘がありますわね、本当に。」
彼女の言葉に乗る様に、少女の方も紡いで見せる。周囲に牽制として放たれる言葉に同意するように。
彼女は、正しく悪徳を持つのであろう、そして、それを友人としている自分もまた、悪徳なのである、と。
それが、とても、とても、愉しい。
「ネコか、イヌ……どちらか、かしら?
セイン様の所にお売りしたこ、あの子たちは特に優秀な子でしたから。
―――秘訣と言うのは基本ですわ。今だって、垂れ流していますもの。」
自分の所から買われたという言葉で、思い出される優秀な子、この二人のうちどちらかかしら、と少女は首を傾いで見せる。
なら、それに負けぬよう、教育した子を出しますわ、と。
それから、売り手に関しては、軽く笑って見せる、商人とは買ってもらう必要があるから。関心を引くために、色々言葉を放つ彼等。
呼び込みをしている商人、ものを見せている商人、それらすべてが基本であり、秘訣なのだ、と笑って見せる。
■ナイン > 嗚呼、其れは良いな。今迄なかなか、外でも落ち着ける機会という物も無かったし。
それなら折角だ。…貴女の、お薦めの店でも。見繕って貰えると有難いな…?
(己の方が店を選ぶと、どうしても。貴族界隈の柵が抜けきらない気がする。
彼女の方が、街の中には詳しかろうし、隠れた名店などという物にも。心当たりが有るかもしれないのだから。
それなら、下手に自分が出しゃばるのではなく。出来る者、上手い者に任せる方が良い。
友人としての大切さも、さる事ながら。それと同時に、商人としても…人としても。己はかなり。彼女に頼っていると思う。)
何、人らしさという物は。血の濃淡とは亦別口さ。
…あぁ。後は、そうだな――結果はどうあれ。自分で探して、自分で見つけ出した、というのも。それはそれで満足に繋がるだろう?
獲物を見付け、追い詰め、射止める…狩のようなものさ、な。
く、く。それならお互い、補い合って行こうじゃぁないか。私達が手を組めば…何。こういう場所も、恐れる事は無いのだし。
(得手と不得手は誰にでも有る。課せられた難題を、誰もが超克出来るとは限らないのだが――何、その時は。
こうして役割分担すれば良い。上手い事人を使う、使われる、のは。商人も貴族も、大事なスキルと言える筈。
勿論。二人寄ろうが三人寄ろうが、どうしようもない事態という物も亦。存在する。
例えば採算度外視、自暴自棄、或いは――極端な無知。そんな輩が後先構わず手を出してきたら。己も彼女もどうしようもない。
それこそ、単なる仔娘達として。即座に売り飛ばされるか、その前に…諸々使い潰される事にでもなるか。
だからこそ、そういう事態も避け得るべく。意図的に周囲に拡散する虚偽。
利に聡い者、余計なトラブルを嫌う者、等であったなら。少女達に手を出した結果、何が起こり得るか分からない――となる以上。
第三者による被害に巻き込まれる事も由とせず、動いてくれるかもしれない為に。
誰だって。他人の為には動く事を厭うとしても。自身の利を守る為ならば、動かざるを得ないのだから。)
…っ、と。そう、だな。……無ければ無かったで。それも亦結果だから、仕方がないけれど。
そうなったら…折角此処迄来たのにと。貴女に頼る口実にもなりそうだ。
まぁ、そう簡単に泣き顔を見せては。やれないけどな?
女の涙だって、立派な、宝石に例えられるんだ。……悪い輩としては。早々安売りして遣る訳にはいかない、だろう?
(くく、と喉を揺らしつつ。…そういう約束を貰ったのなら。結果的に買い物が上手くいかずとも、それはそれで。
態々ダイラス迄足をを運んだ事が、無駄にはならずに済みそうだ。
相変わらず、こうして彼女と語らうのは。色々な意味で快い。上機嫌になればなる程、冗談めかせた口調が、いっそう不穏当になっていくのだが。
其処は其れ、そういう性なのだから仕方がない…という奴か。
やがて。ほぅ、と一つ息を吐けば。手に取ったのは髪飾り。…シェンヤンの花を、銀細工で模した物。
先日行われた花見とやらには赴けなかったが。噂は聞いていた為に、目に付いた…という所。)
ふふ、そう、彼女…だな。この前セインには会ったが…当人達の事は聞きそびれたな。元気にしていると良いのだけれど。
あぁ勿論。きちんと働いて貰うんだ、是非とも優秀な娘を宛がって欲しいものだよ。
…ふぅん?そういう物、なのかな。世の中基本、手の内という物は。隠すに越した事は無いと思っていたんだが…
(いや。敢えて手の内を晒し、共有し。だからこそ…本当の隠し球を、隠し通せるのかもしれない。
そう考えれば商売の世界も、実に奥が深い物だ。
折に連れ感心しつつ。先程手に取った髪飾りを、つぃと彼女の前へと差し出して。)
…こういう物が、結構…好きだよ。今日は貴女も髪を飾っているけれど…どう思う?
■リス > 「ふふ、お任せ有れ。では、目的は食事にしましょうか、語らいにしましょうか。
それによってご案内を切り替える必要ありましょうから。」
いくつか見繕っておきますわ、と少女は胸を叩いて見せる、が、ぽよんと揺れるだけである、ドンと行かないのが悲しい所か。
美味しいお店、静かなお店、ある程度の知識はあるので、彼女の気分に適うチョイスをしないといけませんわね、と。
頼ってもらえるのは嬉しいので、むしろ歓迎しますわ、と微笑んで見せる少女。
「私、ある意味では人間らしくはありませんわ?
ええ、判ってますわ、だからこそ、最初は控えておいたのですわ、でしゃばるばかりが商売ではありませんもの。
お買い物は、見ているだけでも、あれこれ考えて楽しいですわ。
はい、共犯者様。」
悪い軽口、お互い悪人だというのならば共犯者と言うのが一番しっくりくる。
何かをしたかと言われれば――そう、悪いことを言い合うという極悪な事をしているのだから仕方があるまい。
悪というのは、自分の利益を優先するものである。決して、自分を損させない存在だ。採算度外視、自暴自棄に無知からなるものは、ただ単に、人災というものだ。
それはもう、仕方があるまいと諦めるしかないのだろう。
そして、人災以外の悪を防ぐ為の、彼女の一手は、効果的、なのだ。
「ふふ、泣き顔、見てみたいですわ、子供のようにワンワク泣く姿でも、美しく涙零す姿でも。
どちらも、美しそうですから。
そんな、安売りしない涙を―――宝石を盗むのも、良いですわね?」
ね?と笑み浮かべる悪の片割れ、精神的にはこっちの方が酷い娘なのかもしれない。
そんな性分なのだから仕方がないと、諦めてもらおうか、彼女もそういう口調になる性分なのだろうし。
手にしている細工の細やかな品物を眺める、じ、とその品を見るのは、彼女の手にある簪を、目利きしているから、で。
「あの子たちも、元気でいればいいのです。
と、どの様な奴隷が欲しいのでしょうか?護衛ですか?労働ですか?知識ですか?
―――なんだって、そうですわ、基本があって、応用ができるものですから、基本こそが一番大事ですわ。」
希望をお聞きして、それに見合った奴隷を選別しますから、と。後、性別もと。
手の内は隠すというのも間違いではない。ただ、今現状ではそれが当てはまっていないというだけだという事で。
「そう、ですわね?
華やかでいいと思いますわ、そして、目立ちすぎるわけでもありませんし、宜しいかと。
品質も、確かなものですし、一つはお持ちになっても良いかと。」
飾りに関しての忌憚のない意見で少女は伝える。
■ナイン > 【後日継続】
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