2019/05/18 のログ
イリーナ > 喉を潤すエールの香りが鼻を通り頭を冷やす。
そんなおりに聞こえてきた声。

ん?と紅い眼を細めながら横を眺め……。

「私に?」

差し出されたエール。
マスターと「あちら」と教えられた相手を交互に見た後で。

「………。」

左手で頬杖をつき、じっと相手を眺める。
別のテーブルだったのだろうか。
勝負に熱が入っていたからか周囲を見渡す余裕もなくしていたのだろうか。

……さて。

「……………。」

相手の紫色の目を紅い眼で見据えよう。
さて、さて。 この駆け引きにどうでてくるのだろうか。

マリサ・ブラックバーン > 反応は悪くなさそうだ。
赤い瞳で射抜くように見つめられれば、思わず口角が高くなる。

泡が噴き出して居るグラスを手に隣の席へと移動して。

「綺麗な女性が随分と楽しそうにしてたから目に付いてな。
その調子だとまだ燻っているんだろう?
どうだい、俺と一勝負でもするってのは。
当然、賭ける内容はそちらで決めていいぜ。」

ツキの女神の気まぐれか、結構な勝を拾っているマリサ。
今日は十分な金を稼げた。
となると、今度は見目麗しい女性に興味が移ると言うもの。

今宵、もう一勝負挑むことにしようと。

イリーナ > にや、と。 笑ったのか、口角が上がる相手。
身なりの整っている姿と少しアンバランスさを感じるその表情。

「ふーぅん」

隣にやってきた相手から視線をそらさずに、空いた自分のグラスをマスターへと返す。

差し出された二杯目にはまだ手をつけていない。
そして吐かれる言葉を聞けば。

「あいにく、今日は『ついて』なくてね。もう店じまいなの」

見るからに上り調子の相手と、下り坂の自分である。

「内容っていっても、私はあなたの何かが欲しいわけじゃないし?」

じらす、はぐらかす。
エールのグラスを、細い指でツ、となぞりながら視線はそのまま。

さて、どういう反応を見せるのだろうか。
興味深そうに細めた紅い眼が視線を注いでいようか。

マリサ・ブラックバーン > 隣に座れば、女性らしい匂いも届きより相手の存在を意識させられる。
足元を見られない様に酒を口にしては冷静さを装っているがどこまで通用することか。

「まあ、あっちで座っている時はそんな感じだったな。」

彼女の様子を多少なりとも注視していれば誰でも気付いた事実。
マリサは静かにグラスを傾ける。

「まあ、初対面の相手にそこまで興味ねえわな。
ならそっちが勝ったら今日ここで吐き出した分俺が支払うよ。」

真っ赤な瞳をじっと見つめる紫色。

「あんたもこのままで帰ったら身体に毒だろ?
本心ではまだ勝負したがってるように見えるぜ。」

空になったグラスをマスターに渡し、酒の追加を所望する。

イリーナ > 「あら、そんなに見られちゃってたかしら」

傾けられるグラス、視線は一瞬横に切れた。

「……で?」

一勝負、こちらが勝てば……今日の負けはなし。

「そっちが勝ったら?」

とはいえ、聞かなくてもわかるものだが……。
対照的に、こちらは目を閉じて。

「……さて、どうかしら。
 そんな簡単に読まれているとは思えないけど?」

どうしようか、受けるか受けないか……。
このやりとりを楽しんでいるのか、グラスをなぞる指は上へ、下へ。

マリサ・ブラックバーン > 「見てたつもりはないんだけど、つい目に入ってしまったな。
やっぱり綺麗な人は違うぜ。」

今も視線が向いてしまう。
これは気を付けないと勝負にも影響しそうだ。

「飲む打つが満たされたなら次は買うだよな?」

お互い承知の上なので言うまでもないが、要は一晩付き合えとのことで。
新しいグラスが出されると、また口を付けていた。

「単純にお近づきになりたいって所もあるがな。
乗り気じゃないのなら別に構わないぜ。
隣に座ってくれるのなら酒位好きなだけ飲みなよ。」

相手のグラスを指が上下していた。
勝負を受けてくれるかは分からないが、こうして話しているだけでも楽しい。

イリーナ > 「うふふ、ありがとう」

褒められて悪い気などするはずもない。

「えぇえぇ、そのとおり……」

予想通りの回答である。
が、どうも今日は気が乗らないようでもあり。

グラスに這わせていた指をとってに添えれば。

「あいにく、そういうのに乗せられるほど若くもなくてね?」

グラスを掲げれば。

「話すだけまら付き合えるわ」

乾杯。とばかりに相手とグラスを合わせようとするだろう。

マリサ・ブラックバーン > 「言っておくが、本心だからな。」

紫の瞳は相手の姿に今も釘付けで。

「だろ? そんなにおかしなことは言ってないと思うがな。」

が、向こうはどうもその気はないようだ。
一瞬だが肩が落ちてしまう。

「ま、今日はそれで手を打つか。
…乾杯。」

相手がグラスを掲げると、それに応えて。

「まだ老いを口にするような年齢でもないだろう?
あ、俺はマリサ。 小さい騎士団に所属している騎士だ。
あんたは?」

酒だけだと少し寂しくなったのか、ツマミのメニューに眼を向ける。
欲しい物はないかと時折視線で訴えて。

イリーナ > 「はーぃ」

と、酒の席のことだからと真に受けるようなことはせず。

「私? イリーナ。 よ」

手短く名前だけを告げればグラスを合わせて。

基本的には話を聞く受け手側として、勝負の熱を冷やすように目の前の相手との会話を楽しみ……。

「次に会えたら、その時は一勝負かもね?」

と、そんな口約束を最後にはかわすだろうか。

ご案内:「港湾都市ダイラス “ハイブラゼール”・酒場」からイリーナさんが去りました。
ご案内:「港湾都市ダイラス “ハイブラゼール”・酒場」からマリサ・ブラックバーンさんが去りました。