2019/03/25 のログ
■ホアジャオ > 腰かけた岩を探って、バスケットが倒れなさそうな所を探す。
…見つからない。
「啐(ちぇっ)……」
口を尖らせると、膝の上にバスケットを載せて、そのまま岩からはみ出た足をぶらぶらさせ始めた。
…暫くして、岩の下から小さく、猫の鳴き声。
女がひょいと覗くと、少し太った白猫が女を見上げて、また甘えるように…と言うよりも、抗議するように鳴き声を上げた。
■ホアジャオ > 「好乖!良く頑張ったねえ!」
だらんと舌を出して喘ぐ白猫ににっこり笑って、またぽんと飛び降りるとわしわしと撫でる。
猫はおとなしく撫でられる…抵抗する気力なし、という体だ。
その白猫を片腕で抱き上げると、今度は岩の上によじ登る。
片腕に引っかけただけのバスケットからまた、不穏な音がする。
「よォし、約束どおりお昼にしよ!」
上機嫌に笑う女。傍らに放した猫はすぐに蹲る。
まだぜえぜえと喘いでいる猫の背中を撫でてやってから、バスケットを開けて中から瓶と包みを取り出した。
■ホアジャオ > 瓶の中身を掌に開けて、猫の口に当てがってやる。
猫は一心不乱に喉を潤す…そうして何度か乾きを癒してやったあと、女は包みから中華饅頭を取り出して、半分に割った。
「……頑張ッたから、中身多い方、上げる」
重々しく見比べた後、中身が多いらしい方を猫の前に。
白猫は少し億劫そうに匂いを嗅いでから…ゆっくりと中身のほうへかぶりついた。
女はそれを確認すると細い目を更に細めて、目を丘からの光景に転じた。そうして残りの半分を口に運ぶ。
■ホアジャオ > そよと風が吹く。
蝶がちらちらと舞う。
時折ミツバチがふわりと花の群生の間を飛ぶ。
1人と一匹は長閑な風景の中のんびりと中華饅頭を平らげると、猫はそのまま四肢を丸めて日向ぼっこの姿勢。
女はバスケットを下に放り投げて(がしゃん!)一度両腕を上げてぐっと伸びをすると、そのまま岩の上に仰向けに寝そべった。
…まあこちらも日向ぼっこの姿勢。
■ホアジャオ > …そうして数刻。
太陽が中点から半分、更に下になって空の色が変わる頃。
女はようよう目を覚ましてむくりと上半身を起こした。
「…あァ……よく寝た」
ふあっと手を当てて欠伸をして、後頭部をぽりぽりと掻いて、両手を組むと硬い岩の上で少し凝った背中を伸ばす。
「よし、帰るよ!」
気合一発。ぽんと岩から飛び降りる。
………白猫から反応は無い。
背伸びして覗き込むと、腹がゆーっくりと上下しているのが解る……熟睡中だ。
「…没办法(仕方ないなァ)……」
手を伸ばすと、白猫の首の後ろを掴んでずりっと引き下ろす。そのまま、拾い上げたバスケットにほいと放り込んだ。
…くぐもった呻きが聞こえたかもしれない。
■ホアジャオ > その女も、バスケットを持ち上げようとして呻き声を漏らす。
「……もうちょッと、しごかなくちゃね…」
来た時と一転、両手でバスケットを下げる。
転がり落ちないように足元に視線を落としながら、えっちらおっちら丘を下って行った…
ご案内:「港湾都市ダイラス 郊外の丘」からホアジャオさんが去りました。