2019/03/19 のログ
■ルヴィエラ > (周囲からの異論はない――ただ驚きが先んじたからかも知れないが。
席へと座り、女の歓迎を受ければ、周囲を歩いていた給仕へと飲み物を頼み
ゆっくりと背凭れに身体を預けて。)
「では、宜しく御願いしよう。」
(ディーラーが卓上の整理を終えるまで、身じろぐ事は無い
緊張は無く、ただ、終始ゆったりとした雰囲気の儘。)
「いや、君の好きな様に決めて構わないよ。
元より制限など無いのが此処の良い所だ、互いが望めば、ね。」
(あっさりと、女の問いに応えよう。
此処で細かく取り決めをせねば、其れだけで不利になりかねない
けれど、気にも留めずに勝負の主導権を、相手へと委ねよう)。
■レア > 男の迷いのない返事に笑みを返しつつ、チップをテーブルに差し出すとディーラーがこちらへ配った手札を手元に揃える。
「それもそうね…じゃあまず1枚10000ゴルドから始めましょうか?」
ゲームの開始を告げると共に手札を1枚捨て、補充の為に卓上に配置された山札へと徐ろに手を伸ばす。
「(――ここだっ……!)」
伸ばされた人指し指と中指が山札の一番上のカードを抜き去るその瞬間、微かな魔力が指から山札へと流れる。
使用されたのは『鑑定』の魔法、女は上から数枚のカードをこれで把握することで先程から連勝を重ねていた。
当然イカサマながらも微弱な魔法使用故にこの場所で魔力の行使に気付くものは珍しく、すっかり女に取っての必勝法となっていた。
■ルヴィエラ > 「成程、なら、其れで。」
(異論は無い、女が告げた条件を其の儘に、ディーラーの準備を眺めて居た。
女が先に手札を引くなら、其の手元をフード越しに眺めて居た、が。)
「――――――………。」
(僅かに、首が傾いだ。
そして、口元に微かな笑みを浮かべよう。
女がカードを抜き終えるならば、其の後で此方がカードを抜く番
指を伸ばし、カードをゆうらり、暫し迷う様に触れてから。)
「――――……では、此れで。」
(自らのカードを、一枚を残して全て捨てる。
そして、山札から残りのカードを補充すれば、其れで良しと頷こう。
僅かに女へと視線を向ける、其方は、其れで大丈夫かと問う様に)。
■レア > 男がとった派手な選択にギャラリー達が再びざわめくのを聞いて、こめかみに一筋の汗が垂れる。
手札が悪かった為に1発に賭けたのだろうかそれともタダのハッタリか、その真意は目深に被られたローブの奥に隠されたまま測る事ができない。
(大丈夫…、さっき確認した山札の内容ならこちらの手札で勝てるはずよ……!)
自らの手札を覗き込んだ後、そこしれない相手のローブの中をじっと睨んで、ゆっくりとチップを一枚卓上へと転がして
「――――コールよ。そちらはどうかしら?」
■ルヴィエラ > (――動揺は、見えないだろう。
其れが文字通りのポーカーフェイスによる物なのか否か
それは周囲の誰しもが予想のつかぬ類、の筈だ。
一度自らの手札を確かめる、そして、女の表情を軽く伺う
其の口元が再び、穏やかに笑ったのが、見えただろうか。)
「……問題無い、勝負と行こうじゃないか。」
(ほんの少し、間を置いたのを、女がどう考えるか。
ただ、ひとつだけ――ひどく微細な――女が扱うよりも
更に微かな魔力が、刹那、カードへと奔って居るのが
果たして、女に気づけるか、否か)。
■レア > 男の表情は相変わらず見えないもの、チラリと覗いた口元は穏やかそのもので声の様子に戸惑いは見えない。
(一瞬手札を確認した……?本当にあの手札で勝つ算段があるのかしら?)
何度かそのことを考えてみても何かの策略なのかはたまた策略があるふりをしているかも分からない。故に女は自らが握った手札に自身を持つことを選択した。
「レイズ、100000ゴルドよ」
初戦から大きく出た数字に今日何度目かのギャラリーのざわめきが聞こえて。
■ルヴィエラ > (―――女が、上乗せを掛けた。
周囲の喧騒が大きくなり、フード越しにも、感心したように声が毀れたろう。)
「――――……大丈夫なのかな? その額と為ると、早々出せる数字では無い筈だがね。」
(―――一言、声を掛けよう。
100000ゴルド、それは大抵の者にとって、失えば途轍もない損失と為る額だ。
此処に居るモノが如何に資産を持つとて、一晩で無一文に成りかねぬ額でも在る。
本当にいいのか、と、問う声はまるで試す様に。
そして、もしも女が、留める事無く勝負を続けるのなら。)
「――――……乗ろう、コールだ。」
(勝負に、乗った。
重ねてレイズを掛けずとも、最早後戻りの出来ぬ額。
逆に、「勝負には乗ったが日和った」と思われるやも知れぬ、が)。
ご案内:「港湾都市ダイラス “ハイブラゼール”2」にレアさんが現れました。
■レア > お互いが勝負に乗ったのを確認するとディーラーは賭けの成立を唱えオープンを促す。
「私の手札はこれ―――!!!???」
卓に叩きつけるようにして開かれた手札は中の上程度の役がついた組み合わせ…のはずだった。
しかし、現れたのはなんの役も付いていない、バラバラの手札。
手札が卓に接触した瞬間、女にも気付かないほど緻密に細工されていた魔力が切れて、カードが本来の数字を顕にしたのだ。
「え……、あっ、そんな……」
■ルヴィエラ > (――勝負は、成立する。
ディーラーの合図を以て、女が勢いよく手札を晒す。
確かに女の手は、「其の儘であれば」大抵の勝負は制する物だったろう
ただ、其の手札から現れたのは、最も最弱の手――敗北を意味する物、だ。
周囲が、一瞬静まり返り、そして如何反応して良い物かを考えあぐねて居る不可思議な空気と為る中で。
己が、手札を開く。)
「――――……私の手札は、此れだね。」
(テーブルの上に広げられたのは、たった一枚の数字が揃った手。
本来ならば到底、勝負出来る手とは言えない筈だろう。
だが、実際、女の手札よりも上回っているのは確か、だ。
周囲は、未だ静まり返って居る。 何が起きたのか、誰も理解出来て居ないのだろう。
余りにも在り得ない勝負は、一周回って高度な心理戦だったのではと考え出す者すらいる始末、だが。)
「―――――……私の勝ち、で良いのかな?」
(―――沈黙を打ち破るかに、先刻から調子の変わらぬ穏やかな声が
困惑するディーラーへと、裁定の是非を問いかけるだろう。
もし、此の勝負が成立するのであれば、ディーラーから提示される筈だ、勝者への支払いを。
問題は、女が、自らが乗せた分のチップを、或いは資産を、所持しているかどうか、だが)。
■レア > 沈黙が場を支配する中、女は漠然とと卓の上に置かれたカードを眺めていた。
レイズした分の金、それ自体はそれまでの勝ち分を含めればなんとか払える額だ。しかし同時に軍資金の大半を初戦で失うことでもある。
イカサマの通用しない相手に果たして巻き返す事が出来るかのだろうか、そういった不安から動揺を隠しきれないのか、彼女のチップを渡す手はふるふると震えていて。
ご案内:「港湾都市ダイラス “ハイブラゼール”2」からレアさんが去りました。
ご案内:「港湾都市ダイラス “ハイブラゼール”2」からルヴィエラさんが去りました。