2019/03/12 のログ
ダグラス > 「別にあんたに脅しが通じるとは思っていないさ」

相手の言葉に口角を上げて答えた後、ちらりとカジノのスタッフを見渡す。
こちらの視線を浴びたものの数名は額に冷や汗をかいているものがいるだろうか。
何人相手に買収されたかはわからないが、少なくとも彼らの人生は短く終わるだろう。

「じゃあ言葉遊びもこの辺にしようか」

そういって手を出せばスタッフが手にサイコロを渡し。
軽く手の中でそれを回したのちにテーブルへ転がして。

ダグラス > ランダム指名(自分以外) > ギュンター・ホーレルヴァッハ
ギュンター・ホーレルヴァッハ > test
ギュンター・ホーレルヴァッハ > 「で、あれば良い。さて、運命の神は何方に微笑むのやら、見ものだな?」

彼が振った賽の目を見下ろした後、此方もスタッフから受け取ったダイスを転がす。
何の仕掛けも施されていないダイスが数回転がり、積まれたチップに跳ね返った先で出した目は――

「……成程、成程。貴様を手に入れるのは、早々簡単ではないという事か」

それは、奇しくも彼が出した目と全く同じ。
ざわめく観衆と戸惑うスタッフを横目に、ゆっくりと椅子から立ち上がる。

「私の勝ちでは無いが、貴様の負けでも無い。王族にその身を賭けて挑んだ褒美に、そこなチップは全てくれてやる。転がっている敗者からの戦利品も、貴様が好きに使うが良い」

そのままテーブルを回り、彼の元へと近づくと――

「……だが、私は貴様の様な強い男を、強者を諦めはせぬ。私の手足となって働ける様、息災であると良い。ダグラス」

クツリ、と妖艶に微笑む様は、野心に燃えた貴族の様な。或いは、獲物を甚振る少女の様な。
言いたいことだけ言い切ると、慌てて場所を開ける群衆が作った道を満足した様に歩き去っていく。
手に入れられるかもしれない、と思った獲物を逃したことよりも、強者と勝負する事が出来た高揚感に身を任せながら――

ダグラス > 「ふむ…………」

相手の放ったダイス、それを落ち着いた目で見届ければ小さくつぶやく。
どうやら勝利の女神はどちらにも微笑まなかったようだ。
背もたれに身体を預けながら椅子から立ち上がる相手を見上げ。

「王族だろうが貴族だろうが商人だろうが、ほしいものがあるならいつでも勝負してやるぜ」

どこか嬉しそうな、高揚感のある笑みを浮かべる相手に対して挑発じみた回答を返し。
テーブルに行儀悪く脚を乗せて去り行く相手の背中を見送り。

「お前こそ、俺が楽しむまで変な相手につかまるんじゃねぇぞ」

颯爽と立ち去っていき相手の姿が見えなくなれば顔を青くするスタッフを呼びつけ。
相手が置いていった景品で今日は全員に奢りの宴を開くことを伝え。
今までの緊張はどこへやら、一気に盛り上がる会場を後に自分も船へと戻っていった。

ご案内:「港湾都市ダイラス “ハイブラゼール”2」からギュンター・ホーレルヴァッハさんが去りました。
ご案内:「港湾都市ダイラス “ハイブラゼール”2」からダグラスさんが去りました。