2019/03/02 のログ
ご案内:「港湾都市ダイラス “ハイブラゼール” 賭場」にジンライさんが現れました。
ジンライ > 豪奢に飾り立てられた巨大な娯楽施設。陽が落ちればライトアップが色とりどりになされ、見目も更に鮮やかに彩られる。その広い入口を行き交う人々の欲望の色も、施設の中から漏れ聞こえてくる陽気な音楽によっていっそ健全なもののように浮かび上がる。今日もそこは紳士淑女、老いも若きもヒト以外も、様々な様相の客足が途絶えることは無い。

中では更に熱気と音楽が溢れる。女たちの香水の匂いや煙草の煙、興奮した人々のかすかな肌のにおい、その他提供される料理や酒で色づけされた空気が高い天井へと巻き上げられ、天窓から外へと漏れる空気が目に見えないのが不思議なくらいだった。

その施設の一角、多種多様な賭博のテーブルが集まる場所がある。ポーカーやバカラ、ブラックジャックなどの古式ゆかしいカード、ルーレットに針鼠の徒競走、どのテーブルもそこそこの人で賑わっている。
そのうち最も数の多いポーカーのテーブルの一つで、東国風の男が渋い顔で自分の手札を睨み付けている。

ジンライ > 男の着いているテーブルには他に4人。
農夫風の男と燕尾服姿の紳士、船員風の男の3人は既に降りて、残るは東国風の男と、豪奢に着飾ったプラチナブロンドの仮面の婦人。

東国風の男は額と頬に疵があり、目つきも尋常ではない鋭さで明らかにカタギではない。
その男を前にして、夫人は微塵も臆した様子は無く、ゆったりと羽根つきの扇子で顔を煽いでいる……それを見やって舌打ちをし、カードを手にしていない手でがりがりと後頭部を掻いた。

(…表情が読めねえ………)

果たして夫人がどんな表情を浮かべているのか。仮面の存在もそうだが、そもそも外国人の自分はこの国の人間の喜怒哀楽にまだ馴染めていない。そんな状態で勝負に挑もうとする方が悪いと言えば悪いが…堪え性の無い性分は仕方がない。

「……レイズだ」

低いかすれた声でディーラーの男に告げ、コインを前に押し出した。

ジンライ > 夫人は間髪入れず、扇子の奥からレイズ、と言葉を漏らす。従者らしき若者がコインを押し出し、抑揚の無い表情をしたディーラーが、東国風の男へと視線を移した。

(こりゃァ…)

仮面の奥を睨み付ける目が瞬間、鋭さを増すが、すぐに舌打ちをしてカードを前に押しやった。

「止めだ、ドロップ」

その言葉を男が漏らした瞬間、夫人の唇が笑みを形作ったのを男は見落とさなかった。
相手の手札を奪い取ってでも見てやりたかったが、自分の手札も大したものでは無かったので、再度舌打ちをしてスツールから立ち上がった。
コインを夫人の方へと取り寄せながら、ディーラーの男が次の勝負は?と問いかけてくる。
それにけっと悪態をついて

「やるわきゃねえだろ…少なくともお前ェのテーブルで、その女とはな」

ジンライ > きっと、女の手札は不自然なほど良い手だったろう。言い捨てるとテーブルに背を向けた。
背後から、他の参加者がディーラーに詰め寄る声を聞きながら、残ったコインを手の中で転がす。

(…まァ、一杯飲むだけでも残ってンなら、上々だな)

くあっと欠伸を漏らしてから、けだるげな足取りで熱気ただようテーブルの間を縫い、バーカウンターへと去って行った…

ご案内:「港湾都市ダイラス “ハイブラゼール” 賭場」からジンライさんが去りました。
ご案内:「港湾都市ダイラス “ハイブラゼール”2」に違法カジノさんが現れました。
違法カジノ > 季節は未だに寒さの残るころ。
今日もカジノは相変わらず、アブノーマルでハードなメニューを掲げ、
挑戦者を待って営業中のようだ。

本日の目玉商品としておかれているのは、魔族の国の付近の山脈でのみ手に入るという、ブラックダイア、しかもかなり大きなものが、カジノで飾られている。
交渉次第で何ポイントか、決めることができるようだ。

本日のオススメメニューは肉便器プレイ、三角木馬、鞭責め、水責め。
これらのメニューはポイントが2倍されるとのことだ。

ご案内:「港湾都市ダイラス “ハイブラゼール”2」にネコさんが現れました。
ネコ > 『……へぇ。ここが噂の』

とあるメイドが、カジノに入り辺りを見渡す。
冒険者ギルドでちょっと小耳に挟んだ噂を頼りに訪れたカジノ。
なんでも、ハイリスク・ハイリターンな、普通とは違うカジノということで。
楽しいこととスリルが大好物の少女は期待を胸に訪れたわけだが。

『……っ!? ぶ、ブラックダイア……!
 しかも、あのカラット数だったら、売って大金にしても。
 魔術発動のための触媒にしても。どう転んでも間違い無しの逸品……!』

カジノの中を見ていた少女だが、目玉商品を見れば目を見開く。
冒険者稼業をしている中でもなかなかお目にかかれない宝石。
しかも超極上物。欲しい。なんとしても欲しい、と少女は目を爛々と輝かせる。

『ねぇそこの店員さん!
 あれ、どうしたらもらえるの?』

興奮を押し殺し、店員に尋ねる少女。
もはやなんとしてでもゲットする気は満々らしい。

違法カジノ > 「いらっしゃいませ。当店は初めてですか?
それでしたら、こちらのルールカードをお持ちくださいませ。
あちらの商品は、勝利に70ポイント、敗北がマイナス50ポイントとなっておりますが、
交渉可能です。」

声をかけられた黒服の店員は、物腰丁寧な手つきでカードを一枚、ネコに手渡すだろう。
ここのカジノのルールが書かれている。
このカジノで賭けるのはお金ではなく、貴女の体。
行うのは、非常にシンプルなダイスゲーム。
一つのメニューを選んで、ダイスを振るのだ。
ダイスの目が相手より大きければ勝ちで、ポイントがもらえる。
ダイスの目が相手より小さければ負けで、ポイントが減点された上、
選んだメニューが実行される。
同じ目ならば、メニューは実行されるが、ポイントはもらえる。

もし、勝利条件のポイントに達した場合は、ゲームに勝利となり、景品がもらえる。
一方で、敗北条件のポイントに達した場合は、
一切の人権を剥奪された奴隷としての扱いが待っていると警告されている。
賭ける金は不要なものの、代わりに賭けるものは、大きい。

それに、ここのカジノの事を少しでも耳にしていれば、
そのカジノの事は違法カジノであることもきっと知っているはずだろう。
手渡されたルールカードの裏面に書かれているのは、このカジノで負けた際の罰ゲームとそのポイントの一覧。
物々しい単語が立ち並ぶその有様は、ともすればスリルの部分を掻き立てるか、
或いはぞっとさせるだろうか。

「いかがでしょうか?よろしければ、是非お立ち寄りくださいませ。
あちらの商品は本日、たった一点しかありませんから、早い者勝ちでございます。
今席は空いておりますので、ご案内いたしますよ。」

彼女が首を縦に振れば、すぐに、賭けの席へと案内されるだろう。
人のよさそうな笑みを浮かべる、優し気なディーラーの対面側へと。

ネコ > 『こりゃご丁寧にど~も。
 ……うん? ポイント?
 ……へぇ。なるほどねぇ』

店員の説明に、少女はにこり、と微笑むのだが。
相手の言葉にうん? と首をかしげ。
そして……渡されたカードを見て、少女は愉快そうに唇を歪める。
書かれている内容。その罰ゲーム。
ハッキリ言って、悪趣味だが。

『……ハッ、おもしれぇじゃん。
 こちとらスラム出身。荒事には慣れてる、ってね』

カードの端を齧りながら、店員へと凶悪な笑みを向ける少女。
そこには、先ほどまでのメイドメイドした少女の様子など無い。
あるのは、闇の中、危険地帯を渡り歩いたストリートチルドレンとしての表情。

『店員さん。案内してもらおうじゃん。
 ……こういう、ヤヴェスリルを求めてたんだよね。
 アタシはさ』

くすっ、と笑いながら。店員の案内に従い賭けの場へと向かう少女。
自身が必ず勝てる、などとは微塵も思っていない。
しかして、このひりつく様な感覚。
伸るか反るか。生きるか死ぬか。そんな極限状態のギャンブル。
こういうのが好きだから、自身はそんな生き方を選んだのだ。
そう内心で再確認しながら、少女は一歩を踏み出した。

ご案内:「港湾都市ダイラス “ハイブラゼール”2」からネコさんが去りました。
ご案内:「港湾都市ダイラス “ハイブラゼール”2」から違法カジノさんが去りました。