2019/01/12 のログ
ご案内:「港湾都市ダイラス “ハイブラゼール”2」にフラニエータさんが現れました。
フラニエータ > 決して広いとは言えない道。そこに立ち並ぶ娼館。
格の落ちたそれは豪華とは言えず、質素で暗く、淫靡な雰囲気だけが篭っている。
高級娼婦がお望みならば他所に行け、所謂そういう通り。

店の前で客を引いている一人の娼婦と、女は話していた。

「そう、あの人、そうだったのね…ありがとう…これ、お礼ね?」

恐らく男が一番気を抜くであろう瞬間を、一番目撃する職業。
そんな職業柄、色々な情報を持っている娼婦達。女は娼婦から情報を買っているのだ。
どんな情報かと言えば…

「…横柄な態度なクセに…フフ…そう、あの人の趣味、そっちの方だったのね…」

思い切りそっちの情報らしい。
女としても仕事柄、男と夜を共にする事が多く…事前に標的の好む事を知っておけばなにかと都合が良い。

相変わらず女は色々な娼婦から、色々な男達の趣味を聞いて回っている。

フラニエータ > 沢山の娼婦と話しているのだが、ほぼ10割、相手の娼婦から聞かれる事がある。

「――で、貴女は何処の店?」

娼婦の質問は実に的を射ている。
娼婦と女が会話、しかも時折笑いながら。恐らく通りを歩く人々も、
暇を持て余した娼婦が歓談をしているのだ、と思うだろう。というかそうにしか見えない。
女も慣れたもので、その言葉を聞くや否や、

「…女が女を買っちゃダメなの?」

と、娼婦の顎を持ち上げ、顔を寄せる。こうすれば大抵の娼婦は黙るのだ。
なんかもう、どちらが娼婦かわからない。

フラニエータ > 勿論男娼からも情報を得ている。相手が男であれば当然違った対応をする女。

まず、女の時のそれより更に近くまで詰め寄り、体同士が触れるかどうかギリギリの所で男娼を見上げる。
そして、柔らかな微笑みと共に小首を傾げながらの会話。しかし目線は逸らさない。
あくまで男娼の話に興味津々、そんな空気を醸し出す為にだろう、
驚いたり、歯を見せて笑ったり、コロコロと表情を代える。
会話に途切れがあれば、恥かしそうに一瞬顔を逸らし、先ずは視線を、そして顔を男娼へと戻す。

情報を聞き出し、会話が終われば一言、

「…ありがとう、今度はプライベートで…ね?」

――あざといとはこういう時に使う言葉だ。

フラニエータ > 当然こういう行為を繰り返していれば、自然と視線が集まってくるもので…情報収集が凄く、凄くやり難くなる。
女も当然、この状況を予期していたのあろう。これもまた慣れたもの。
今宵最後の情報を得るために、一人の娼婦へと近づき、そのまま客として朝まで過ごすのだ。

――ところで、何故か近辺の娼婦、男娼は、口を揃えて女の事を知らない、と言う。
どんな方法で黙らせているかは
――秘密である。

ご案内:「港湾都市ダイラス “ハイブラゼール”2」からフラニエータさんが去りました。