2018/01/12 のログ
イグナス > なるほど、理由は分かった。こんな場所でかと、そんな問いはもはや野暮な部類だろう。
それくらいには理解してる。
彼女が近づいてくるならば向き直る。
元気がないというよりは悔しそうというか。
彼女の言葉にも、ん、とつい、口ごもる。

「んぐ、いや、――…………そのな。」

確かに関係者であることは間違いない。間違いはないが、関係したいわけでもなかった。
少し迷うがあきらめたように、ああ、と溜息交じりに認め

「いや、追われてンだよ。――せいだいに、スってなあ。」

カジノでぼろっぼろに負けました。と、そういうのを白状。

チルユキ > 路地裏で眠る訳ではない――――でも、無かった。そんなこともあった。
道端で眠ることを理解されてしまっていることを知らない儘。
―――知っても多分、頷くだけだろうが。


余り表情が動かない己と反対に、感情が豊かな相手を見遣る。不思議だった。

「楽しんだり、退屈にのびたり、忙しい」


―――間。


「合ってた。……おれが最強だって、言ってたのに。負けてる。」


言葉の鉈、かもしれない。真顔、

イグナス > 「んむ、おう。おれぐらいになるとな。
 なんでもかんでもやって忙し―――――ぐ。」

がん。
鉈で頭を真っ二つにされたらそういう衝撃かもしれない。
彼女からの言葉にずいと思わずのけぞって、言葉を失った。
後、ふる、ふるって首を振って。

「いや、――…いやいやいやいやいや、ちがう。
 まけていない。あ、いや、カードでは負けたかもしれねエが。
 違うんだ、違う。…たたかい、そう。実際の戦では負けねエから。」

そのあとはずいと彼女に迫って、必死の言葉。
こういうときは負けていいのだ、最強にかわりはないのだと。
わりかし一生懸命に。

チルユキ > 「表情が豊かだ。」

一つ頷く、が。

じ、と眺める。
思ったより威力があったようで、仰け反っている。

間。


「カード?で負けて、追手から、逃げてる。」

実際の戦い、と。言葉の鉈を翻してた。
ず、い。と。序でに一歩距離を縮める。

―――――愉しそう。追い詰めている感じが。けっこう愉しい。

イグナス > 「ちがう。」

きっぱりとしているが、毅然とはしていない。
実際問題、カードで負けて、追手からは逃げている。
が、こちらとしても主張はある。

「カードなンてのはこう、ほら、イカサマだ、きっと、ウン。
 しかも追手の連中はこー、…さすがにぶちのめしちゃまずいだろ。
 なによりあとが面倒だかンなー……!」

主張は実に言い訳くさかった。ついでに小物感まである。
ついぞちゃんと目を合わせるに合わせれなくなったのか。
視線をぐいと逸らしつつ、いつもそうだが今日は特に舌が滑る。

近寄られる感覚に、ぐ、と気おされて足を一歩うしろに。

チルユキ > 一歩詰めた、距離を開けられた。

間。

「お前はやられたらやり返す質、だ。
逃げてるなら、イカサマじゃない、ということ」

ずず、い、と。もう一つ大きく距離を、縮める。
逃げ場を奪うように。

「今、わたしにも、負けた」

勝利宣言。

イグナス > ―――しかも見透かされてる…!?
がんって、再度衝撃を受けた。縮められるのにまた一歩後ろに下がる、が。
どん、後ろは壁だ。これ以上の逃げ場のない状態で、勝利宣言。
ぐう、とまた声を枯らしてから。

「―――……ま、……負けました。」

がくん、と頭を垂れての敗北宣言。
ここに至り、路地裏での奇妙なバトル――、いや一方的な口撃は決着と相成ったわけである。
ずーんっていかにもな効果音付きで頭を垂れていたが、割とすぐに顔を上げて。

「いや、お前、何をさせンだ。というかどんな寸劇させてンだこれ。」

って平時通りにツッコミひとつ。伸ばした手のひら、目の前にまで来てる彼女の頭に伸ばして。
わしわし、と撫でてやった。

チルユキ > 「完全勝利」

うん、と一つ深く頷き、とても満足気だった。
顔の横、壁に手を突いて、勝利宣言―――は、実行しなかった。
立った儘では、迫力が失せる予感しかしなかった為。

勝利の余韻に短く浸る。
相手がノリをおさめるまで。

「この間反撃受けたから、一回勝ってみようか、と。」

撫でる手越しに相手を見遣る。
間近な手を見る。手首の辺をじっと見る。筋の柔らかそうな辺は何処か、目が探す。危険。

イグナス > 勝利宣言を忌々し気に見やる。
いや変なノリだったのは間違いないけど、負けず嫌いに違いはない。

「勝てるときに勝つのは悪かないけどな、悔しいぞこのう。」

がしがし、余計に強めに髪を撫ぜた。
きれいな黒髪を撫ぜて可愛がるものの、――ふいに感じた危険に。
くに、とつまむのは彼女の鼻。じとと半眼で彼女を見やり。

「くれてやるとは言ったが、公衆…もまあンなとこにゃいないにしても。
 場所をもーちょっと選べ。あと勝手には吸わないこと。」

ぴしゃりと言った。しっかり危険信号を感じ取ってたみたいだ。

チルユキ > 「油断したら、ダメ」

勢いにつられて頭がくらくらと揺れる。ちらりと笑ったが。
う、と。息が漏れた。視線を遮ることには成功した模様。

「血を吸うことは、ワイセツじゃない…

…………………………………………………………。嫌。やだ。断る。ダメ。」

考慮するだけの間はあったが答えは否。
不意打ち禁止を全身にて却下する。

イグナス > なんとか彼女の動きを止めるに成功はしたものの。
頑固な反応、断固として不意打ち禁止を拒否する彼女に、はあと息をついた。

「そのまンまワイセツな流れになるだろーが、…こないだ半分酔っぱらってたのは誰だ、ン?」

じいと半眼で見つつ。鼻をつまむ手は放してやるものの、こっちはこっちで了解しない。

「やらないつってるワケじゃねンだから。
 不意打ちはダメ、禁止。―――守れねエなら、飲ましてやンねえぞう。」

ちょっとばかし評価も。でも断固と言い放つ。
こっちだっていきなり吸われたら、びっくりするし。

チルユキ > 「なるかもしれない、じゃなくて、なるだろーが、なんだ…?
だってお前の血は、濃い」

解放された鼻を幾度か擦る。
痛いのか痒いのか分からない。

「………………考えとく。」

問題の先送り。
少々しょんぼりしていたが、くあと欠伸一つ。
夜も遅く、本来夜行性の筈なんだろうが、健全な。
一歩二歩下がって、歩きはじめる。

「おやすみ。」

イグナス > 「なる。俺が我慢できん。
 ――やっぱ表では禁止な?」

こう禁止事項が増えてけば、きっと不満には違いないが。
…ほらこのしょんぼり具合、やっぱり不満そうだ。
ッククと喉を鳴らして笑う。彼女が後ろに下がってあっさりと別れの挨拶を告げるのには。

こくりと頷いて、後ろをついて歩きめた。

「金がねエ。寝床、いいとこないか紹介してくれ。」

――少なくとも彼女なら、橋の下よりマシなところを知っている…やも?
凍死しない場所であればいいが。ともあれ、ついてって、今日は彼女の近くで寝るつもり、のようだった。

チルユキ > 「………我慢してるところを見るの、愉しいのに。

……………」


ふるふると頭を振る。
思い立ったとき、果たしてそれこそ我慢が出来るのかどうか。
実力行使で止めるしかない可能性が透けて見えたか、どうか。

とろとろと始めた、行き先不明の歩みが止まる。

「ん、いーよ。………洞窟?」

―――岩肌に立派な絨毯がある訳でも無い。
森や、川の傍、木の洞その他。幾つか思いつく儘上げて、その内の一つへと。
雨風は凌げる場所だけど、眠った場合の筋肉痛等には、保証がない―――。

ご案内:「港湾都市ダイラス “ハイブラゼール”2」からチルユキさんが去りました。
ご案内:「港湾都市ダイラス “ハイブラゼール”2」からイグナスさんが去りました。