2017/08/29 のログ
ご案内:「港湾都市ダイラス “ハイブラゼール”劇場」にミューズさんが現れました。
ミューズ > 異様な熱気に包まれた劇場の舞台の上。
耳障りなほどの音量の音楽の中で踊らされているのは、一見すると奴隷には見えない程に着飾らされた女性だった。
布地は薄く、中がほとんど透けて見えている。
わざと席が舞台から少し離してあるのは、もっと見たかったら買えということなのだろう。
舞台の横には『持ち主』である中年の男が、ニヤニヤと笑みを浮かべて立っている。

ミューズ > その表情は売り込むような顔では決してなく、むしろ曇っているように見えるはずだ。
実際まだ見世物になることには諦めはついたが、買われてからの事には慣れるというほど慣れていないしそもそも娼婦以前に精神的に奴隷にすらなりきっていない。
早く終わってほしい。ただその一心で舞台の上で腰をくねらせ、時にはわざと後ろを向いてお尻を振ってみせたりする。

ミューズ > 『どうです?あの踊り子…まだ慣れていませんが、いいでしょう?今なら貴方の色に染めることもできますよ?』

すすすっと持ち主は席を回り、小声でセールスを始めた。
値段が少し高めなのは、安く売ってしまうと荒っぽく扱われたときの採算が取れないからだ。
娘はその様子を見ながら、曲が終わるのをただひたすら待つことしか出来ない。

ミューズ > 何分ほど踊っただろうか、やっと曲が終わると娘はほっとした様子で客席に一礼すると舞台を降りようとした。
するとそこへ持ち主が現れ、何かを耳打ちする。
娘は一瞬顔を曇らせたものの、客席に向き直ると口を開いた。

「私の、拙い踊りを御覧いただきありがとうございます…。
 奴隷で娼婦の…ミューズと申します。
 どなたか、是非……私のこの、体で…お楽しみ、ください…」

言いながら舞台に座り込むと、大きくMの字に足を開いてみせる。
見えているようで、ギリギリ見えない。そんな光景に客席はざわついている。

ミューズ > 『さぁ、如何ですか?今ならご要望であれば、この媚薬もお付けいたしますよ。お部屋も勿論、いい場所から調教用のお部屋まで。早い者勝ちですよ』

言いながら、持ち主はこれ見よがしに娘の後ろからたわわに実った果実へと手を伸ばし先端をつまみ上げる。
日常的に弱めの媚薬を投与されている体は嫌でも反応し、あっという間に先端を尖らせた。
顔を真っ赤にしながらそれでも声を耐えるのは、恥ずかしいのもあるが意地もいくらか混ざっているのかもしれない。

ミューズ > やがて、一人の恰幅のいい男が舞台へと歩み寄ってきた。
持ち主と数言会話を交わすと、彼女の首に嵌っている首輪に縄がつけられる。
ニヤニヤと笑う男に連れられ、向かう先はやはり娼館だった。
今夜もまた、娘にとっては悪夢のような時間が始まる。

ご案内:「港湾都市ダイラス “ハイブラゼール”劇場」からミューズさんが去りました。