2017/07/24 のログ
ご案内:「港湾都市ダイラス “ハイブラゼール”2」にピアさんが現れました。
ピア > 「いってきまーす」

まるで自宅さながらで高級娼館の入り口付近にいる娼婦たちに挨拶し、出かける少女。
縁あってここで1泊するつもりだったのだけれど、何やかんやと少し滞在している。
明日はそろそろ出発かな、なんて思ってはいるのだが。
服も借りているためあどけなさの残る顔立ちには少々大人っぽすぎるドレスは
着ているのか着られているのか、馬子にも衣裳というレベルまで至っているか謎である。
それでもこうして通りの建物に背を寄せ、立ち竦んでいれば客引きのように見えるかもしれない。

(もう少し下着買い足そうかなー。でもこの辺高そうだなぁ)

少女の背にある建物は下着屋であった。
場所柄なのか、なかなかに過激なデザインが多いので、中に入っても買うものがない可能性が高い店ではあるが。

ご案内:「港湾都市ダイラス “ハイブラゼール”2」にワルセイ・イダーヤさんが現れました。
ワルセイ・イダーヤ > ふぅむ…こうして娼館が並ぶ場所に来るのも久しいな…
(そう呟く見た目は青年貴族の男、ワルセイ。この男、実年齢はすでに80を超えているが、とある目的のために、若い体を保っている。そのためか、性欲も若い肉体に引きずられていて…久々に発散しようかと、この港町へきた…のだが、来たのが昔すぎたのか、町並みはすっかり変わっていて…)
さて、どこに行こうか…ん?
(そして目に留まったのは、一人の少女…見た目の幼さと、着ている服のアンバランスさから、娼婦見習いが客引きでもしているのか…?と思いつつも、その顔立ちや姿に、どこか見覚えがあるような…そんな気がして)
ふぅむ…まあ、気のせいか。
(その見覚えのある相手は、数十年前の女だったハズなのだ。そんなわけないと思い直し…そうだ、この少女に案内を頼もうか。と思い。)
すまぬ、少しいいだろうか?
(そう声をかけ…)
すまぬが、女が花を売る場所が知りたい…教えてくれるか?
(そう聞いて…)
無論、ただでとは言わぬ。そなたの欲しい物を買ってやろう。
(そう優しく笑みながら…)

ピア > 突然声をかけられて顔を上げる少女は、考えごとをしていたせいで
何と言われたのか一瞬理解出来ないような表情となった。

「え?花? …………。」

そうして心底悩むような表情に変わる。
娼婦見習いならぬ、元温室育ちのお人形には難しい比喩だったようだ。

「ちょっと…ここにきてからお花屋さんは見かけたことないですねぇ…。
 でも娼館に花束を持ってくる男性は何人も見ましたから、どこかにはあると思うんですけど…。」

パッと見、冷たくも見えてしまいそうな赤い瞳には笑みが浮かんでいるので、少女も怯えたりはしなかった。
ただその発言は的を得ているんだか惜しいんだか。
こんな回答で見知らぬ相手に何かを買ってもらうことは出来ないので、次いだ言葉は聞こえなかったことに。

ワルセイ・イダーヤ > お花屋さん…お花屋さんか…っくくはは。確かに、花を売るのはお花屋さんだな。
(そう愉快そうに笑って。どうやら目の前の少女に、彼女にとって的外れなことを聞いてしまったようだ。気取って聞いた自分が恥ずかしくて笑って)
ああすまない。そなたの事を笑ったのではなく、少し自分の質問が可笑しくてな…一人笑いだと思ってくれ。
(そう笑いが苦笑になれば、少し冷静になり…)
しかし、娼館の場所を知っているなら話は早いな…ところで、そなたはその娼館の娼婦なのか?…ずいぶんと見た目が派手というか…そなたの肉体に反して扇情的だが…?
(そう、彼女自身の体の幼さから言えば、煽情的な服より、もっと可愛らしい物の方が似合う気もするが…)
違ってそんな格好をしているのなら…俺以外だったら攫われているかもしれんぞ?
(そう苦笑しつつ…)
まあいい。花は今度買うとして…その娼館に案内してほしいな。
(そう言って。)

ピア > 男が笑う様を目を丸くしながら見ていた少女は、本当にこのドレスを着るには幼い表情だったことだろう。
肉体年齢と精神年齢は同じ頃であるはずなのだが、何せまだ造られて3年ほどの人形。
外に出ていれば当然のように得られる経験もこの身には備わっていないので、若干ちぐはぐなことも。

「…やっぱり派手ですか?これ借り物なんです。
 でもこれくらい大人びたデザインが好かれるみたいですよ。…男性には。」

当然ながら自分には分からない感覚だ。
恥ずかしいやら落胆するやらで露出した肩を落としながら、
ようやく相手の望みが分かったのでこちらです、と一言告げて歩き出す。
やはりこちらも借り物、歩き慣れない高さのヒールなのでその足取りは微妙に覚束ないが。

「わたしは娼婦ではなくて…何というのか…宿泊させてもらってるんです。
 すごく綺麗な場所で、すごく高そうな娼館なんですよ。
 わたしは女性を買ったことないので相場とか全然分からないんですけど。」

歩きながら時間潰しの雑談をば。

ワルセイ・イダーヤ > ふぅむ…そういうものなのかな?俺にはよく分からんが…
(そう、大人びいたデザインが好まれると言われれば、少し不思議がって…)
女は、見た目の素材に合った服を着た方が、より魅力的だと思うのだが…時代が違うのかねぇ…
(そう年寄りくさい言葉を吐きながら…少女が娼婦ではないと言えば、自身の黒マントを外し、そっと肩にかけてやって)
ほら、娼婦でもないのに、そなたのような少女がそんなに肩や肌を出すものじゃない…かけておきなさい。
(相手が歩きなれていないのを見れば、ちゃんと歩調を合わせてやり、ふっと優しく笑んだ…つもりで。まあ、外見は少し和らいだしかめっ面に蛇のように赤い目だが…)
ほう、高そうか…金はあるから、まあそこらへんは大丈夫だろう…
(そう相場について話されればそう言いつつ…)
ふむ、もしそなたを買うとすれば…そうだな、もっと少女が着るような服装なら、そちらの趣味の男は金貨を何枚でも払うだろうなぁ…
(そう悪い顔をしつつも、少しからかいながら、娼館までの道をゆっくりと…)

ピア > 「たぶんわたしに似合ってないからピンとこないんですよ」

これがムチムチ且つ括れた所は括れた成熟した美女なら違う筈だと、自らにガッカリ。
しかしかけられたマントに表情一転させ、僅かながらの驚きを見せてから照れたように笑い。

「すみません。そんなこと言われたの初めてですねー。
 世の中のお父さんと呼ばれる方々は娘にそんなことを言うイメージですけども。」

優しい人々はたくさんいたが、肌の露出を咎める人は初めてで新鮮だった。
お父さんなどと言ったが、共に歩く相手にそんなイメージを抱いたわけではない。
それに当て嵌めるには若すぎるし、容姿はどことなく尖った印象がある。
ただそれも見た目だけの話で、きっと彼も心優しいのだろう。
歩く僅かな時の間にも端々にそれが窺えた。

「ま…待ってくださいよぉ…わたしそんなちっちゃい子じゃありませんて!
 体だってぺったんこというわけじゃないんですけどぉ……。」

たしかに娼館に待つ彼女たちに比べたら色気はどこ?状態だけれども。
膨れたり慌てたり忙しく反応をくるくるさせていると、立派な娼館が見えてくる。
ファタールと呼ばれるそこの入り口に立つ娼婦たちの美しく、煌びやかで、
上品な出で立ちは高級娼館だと紹介したことに間違いがないことを表していた。

「あそこです」

反してまだ色気の備わらないおつかい少女は彼女たちを視線で指して、そして肩に羽織っていたマントを外す。
これから彼女たちと夜を過ごす彼に返そうと。

ワルセイ・イダーヤ > ふぅむ、まあ、そういうことにしておこうか。
(似合って無いからと言われれば、ふふっと苦笑しつつそう言って…)
…そ、そうか?年頃の娘が肌を無駄に露出していたら、普通大人の男ならこうしようと思うだろう…おそらく、な…
(お父さんと呼ばれる人~と言われれば、無駄に歯切れが悪くなり、少々冷や汗も…実際に娘がいる身としては、そう言われるとおそらく家で執事と遊んでいる娘を思い出し…すぐに頭を振って…今日は一人の雄として、雄の本能を発散させるために来たのだから、娘も許してくれるだろうと勝手に無理やり思いこみながら…)
ははは、確かに、幼女ではないな…だが、少女だ…まだ、な。将来に期待しようじゃないか。
(ちっちゃい子ではないと言われれば、表情をくるくると変える少女を、背伸びしていると思いながらそう苦笑しつつ。ポンポンと頭に手を乗せて…)
…ん?あそこか。ほう…これは…たしかに。
(そこは確かに高級娼館だった、娼婦たちも美しく、抱きごたえがありそうだ。そう思っていると、差し出されるマント…だが)
…ん?いや、それはそなたにやろう。代わりの服が見つかるまで、はおっておけばいいだろう。いらなかったら換金しても構わぬし…返すとしても、今日でないいほうがいいだろう。
(変わりはあるゆえに…そう笑いながら…ステッキを一回転させ、少女の前に跪いて)
そのマントの返却はもう一度で会う時に…もしかしたら、その再会が、そなたと俺の、何かの縁なのかもしれぬしな…
(そう言えば、そっと掌の甲にキスを落とし…)
…ではな。また会おう!
(そう言って、立ち上がり、娼館の中へと…もしかしたら、マントに刺しゅうされた、ワルセイ・イダーヤという文字が見えるかも…)

ピア > 彼が微妙に気を遣ってくれれば遣ってくれるほど子供扱いされているようで、複雑だった。
将来に期待ということは、今現在失格と言われているようなものである。
しかも少女、歳をとらないのでもう肉体劣化するまでこの外見、決定。

「……。」

だからこそ本当に、本当に複雑なのだ。

「えっ?え?でも、申し訳な…――――」

洗濯中とはいえ、一応露出が今より格段に少ない自分の服も持っているのにマントを奪ってしまった。
慌てて彼を追おうとするが、その時には既に娼婦の1人が彼の隣にいて、中へといざない消えていく。
他の娼婦も2人のやり取りを何となく見て察したのか、良いじゃない、借りておきなさいよ。などと進言してくれた。
その結果、少女はマントを次の邂逅まで保管することとなる。
汚すことを避けて羽織ることは止めておいたけれど、この数時間後、娼館にて借りた部屋に帰った時に彼の名を見つけた。

ちょうどその頃、彼は少女とは違う艶と色に富んだ娼婦と同衾中か、それとも就寝後か。
いずれにしてもそれを確かめることが出来るわけもなく、
ただマントを見ては今宵出会った不思議な男性を時折思い出すこととなるのである。

ご案内:「港湾都市ダイラス “ハイブラゼール”2」からピアさんが去りました。