2017/04/29 のログ
ご案内:「港湾都市ダイラス “ハイブラゼール内カジノ」にソーマさんが現れました。
ソーマ > 煌々と照らされる明かりは店内を真昼よりも明るく染める。
音楽、歓声、罵声、怒声、そして、嬌声……ありとあらゆる音が奔流となって逆巻くそこはまさに欲望の坩堝だった。
ポーカー、ルーレット、バカラ、ビンゴ……勝者と敗者を区別するシステムは、ごく少数の勝者を生み出すと同時に無数の敗者を生み出す。

「もう、お客様ったらぁ。ダメですよぉ、お触りはぁ。」

死ね、エロオヤジ!息が臭いのよ!
尻を撫でてくる好色そうな男へと猫なで声を上げながら内心罵声を浴びせるバニーガールもまた敗者と言えよう、それも飛び切りの。
確かに使命は果たし栄誉と名声を得た―――だが、同時に得られるはずだった富は負債へと代わり、勝者であると同時に人生の敗者へと転落してしまったのだ。
少し胸元が余るバニースーツに身を包む金髪の少女は忌々しげなジト目をホールの中央へと向けながら独りごちる。

「絶対負けてやらないんだから……。」

視線の先、そこには天井から両手首をロープで吊るされた少女の姿があった。
首には『ご自由にお使い下さい』の掛け看板。
成績が悪い者はああして嬲り者晒し者にされるのだ。
何人目とも知れぬ男を受け入れている少女はすでに涙も枯れたのか、ただ茫然とした表情で喘ぎ声を上げるのみ。
明日は我が身……そんな想いを振り払うよう仲間へと想いを馳せる。
新たなパトロンを探し走り回っているはずの幼馴染である勇者。
彼が必ずここから救い出してくれる、と。

ご案内:「港湾都市ダイラス “ハイブラゼール内カジノ」にヒューイさんが現れました。
ヒューイ > 一仕事を終え部下たちに休暇を与え繰り出したハイブラゼール。
次の船出までに少しでも楽しむかと行きつけのカジノへと足を運ぶ。

いつ踏み入れても変わらずの騒動の中で陸に戻ったという実感を伴い。
様々なゲームを眺めて歩けば今日はどれで楽しむかと眺めて歩く。
そんな中でも知り合いや顔見知りがいれば社交辞令のように挨拶を繰り返し。

そんな顔見知りの一人にホール中央を促されればそこには吊るされ何度も嬲られ今なお使われる少女が目につき出遅れたかとその光景を眺め。
そんな中央を見る人の中にかつて何度か乗船をさせた事のある確か…勇者の仲間の一人を見つければ笑みを浮かべ近づいていく。

「よう、奇遇だな。こんな場所で会うのはな。相棒はどうしたんだ?」

この場でバニースーツを着ているという事はどういう事なのかわかっていながら。
僅かに揶揄うよな声色で目についたバニー、ソーマへと声をかけていく。

ソーマ > 嬲られる少女を忌々しげに眺めているとふと声を掛けられ身体が硬直する。
その声はバニーガールを呼び止めるものではなく、ソーマという個人を呼び止める声。
最悪……そんな言葉が頭の中に浮かぶ中、ゆっくりと顔だけ振り返れば、ああ、見覚えのある顔。
確か海賊船の船長だったか……魔王討伐の為の冒険の最中に何度かチャーターした覚えがある。
何度か粉をかけられた覚えもある、無下もなく袖にしたが。
勇者と愛し合っている姿を覗かれたこともあったか……その時もいつものように勇者が先に果てて……。
あの頃は羽振りがよかった……。
苦しくも楽しかった冒険の思い出が頭の中によぎり、それが故に目の前の男の表情にジト目が深くなる。

「いらっしゃいませ、今日はルーレットがお勧めですよ。大当たり連発中です。」

ジト目のまま、口元にだけ営業スマイルを浮かべ左手を差し出してルーレットのゾーンを示す。
さっさとあっち行け、声かけんな、そんな無言の圧力。

ヒューイ > 声を掛け女の様子を見ればこちらの事を忘れていないと判り馴れ馴れしく近づく。
チャーターされた当時に何度か粉を掛けはしたが相手にされず。
航海中に偶然や故意で何度か勇者との行いを覗き見、先に勇者が果てた事を見ては誘いをかけた事もあったなと。
あの頃の様子とは打って変わり今の姿を見れば変わるものは変わると見て。

「ま、そう邪見すんなよ。久しぶりに顔を合せた仲なんだ。少し話でもどうだ?
ルーレットに使う金は別に使ってもいいんだしな」

無言の圧力も流すように笑えば強引に女の肩に腕を回していこうとし。
そのままに余り気味なバニーの胸元に手を滑り込ませようとする。

ソーマ > 「ちょっと……」

肩に腕を回されるとあからさまに不快な表情を浮かべ、じとっと男の顔を見上げる。
かつて、触れるだけで魔法をぶっ放してきた少女は、しかし、今はそれ以上の抵抗は見せず、以前との立場の違いがはっきりと現れる。

「あたしはアンタと話なんてないし、別にアンタに使って貰わなくたって何の問題もないわ。人気あるのよ、あたしは。」

ふんっと鼻を鳴らして胸へと侵入した男の手の甲を抓る。
上から覗けば中が見えてしまうほどサイズの合ってない胸元は、肉付きが悪い癖に乳輪だけがぷっくりと膨らみ、その上先端は陥没してしまっている恥ずかしい代物。
人気はある……が、それは半分嘘。
確かに穴の良さからリピーターは多いが、目付きのせいか新規の客がなかなかつかず、今日もまだ一人も客を取れていない。
他の男になんか抱かれたくない…売れなくていい…それは間違いのない本音。
しかし、このままではいつかホールの中央で吊るされてしまうのは火を見るより明らかだった。

ヒューイ > 「客の相手はするもんだろ?それともあの時みたいに魔法をぶっ放すか?そうすりゃああなれるな」

不快な表情で見上げる女を見下ろして告げ。
かつてのようにしてみるかと挑発のように告げれ、次には中央に吊るされる少女にと目を向ける。

「そりゃ残念だ。けどな俺はお前と話したくなってな。そりゃお前なら人気が付くだろうな」

手の甲を抓られ今はあきらめるというように手を引き、代わりに覗き込み薄い薄い胸元と先端の陥没した膨らんだ乳輪を目にして笑う。
女の容姿を考えれば人気があるというのも納得できるがこの性格では人気も固定客なのだろうと。
だが今は客として女を楽しむことができる嘗てとは違う立場。

「そういうなよ。俺に塚われりゃ今日は他の奴の相手をしなくて良いほど稼がせてやるぞ」

腰にぶら下げるゴルドの詰まった袋を軽く叩き、女にどうだ?と誘いをかけて。

ソーマ > 「ええ、また燃やされたくなかったらさっさとその手を離しなさいよ。」

むすっとした表情。しかし、恥ずかしい先端にいやらしい視線を感じてしまい、ほんのりと頬が朱に染まる。
燃やしてやると言いつつも、そもそもその魔法が封じられてしまっている今、それはただのはったりでしかない。
男の視線の先では三つの穴を塞がれ息も絶え絶えに喘ぐ少女の姿。
ああはなりたくない……それはこのカジノで働く女性全員の総意だった。

「ぐ……。」

足元を見られている……男がこれみよがしに取り出した革袋を悔しそうに奥歯を噛み締め睨みつけ、悔しさのあまり両手を痛いほど握りしめる。

「……部屋……取ってくれる?それで口だけなら……。」

お金がいる……この生活から抜け出す為には。
俯き、消え入りそうな声で呟く。
それは気高く尖った少女のプライドと、恋人への想いがわずかな金貨の前に砕け散った音だった。

ヒューイ > 「やれるならやってもいいぜ?その代り店にきっちりと文句が行く覚悟をしておけよ?」

女の胸元を見下ろして笑い、視線の隅に頬がわずかに染まるのが見えて。
このカジノで働かされているからには魔力は封じられていると判っていての言葉。
視線の先では吊るされていた少女が今は3人の男に弄ばれている光景。

「で、どうするんだ?嫌ならあそこで玩具になってるのを買ってもいいだぜ?」

女に選択などほとんどできないことを判っての言葉。悔しそうに睨まれても全く気にも留めず。

「あぁ、いいぞ。そりゃ口だけで満足させれるならな」

消えそうな声で呟く女に笑いかけて返し。
女の肩を抱いたまま遊ぶための部屋のある奥へと共に向かって…

ご案内:「港湾都市ダイラス “ハイブラゼール内カジノ」からヒューイさんが去りました。
ソーマ > 「ぐ……。」

まるで恋人のように肩を抱かれて寄り添いながら歩く二人。
それはこのカジノでは見慣れた光景ながら、少女にとっては屈辱以外の何物でもない。
プレイ用の個室へと辿り着くと髪の中から鍵を取り出し慣れた手つきで扉を開く。
そして、中の棚に備え付けてあるバニーガールの似顔絵を扉の前に貼り出す。
それは今、この部屋で似顔絵のバニーが客に奉仕していると言う宣伝。
一定以上の高い音…つまり、女の嬌声のみを外へと響かせるよう防音の魔法が掛けられた部屋は、中でバニーが淫らな声を上げれば上げるほど前を通りかかった客に買いたいと思わせるよう仕向ける悪趣味な作りだった。

ご案内:「港湾都市ダイラス “ハイブラゼール内カジノ」からソーマさんが去りました。