2017/04/16 のログ
ご案内:「港湾都市ダイラス “ハイブラゼール”2」にソーマさんが現れました。
ソーマ > 今の時刻も定かではない不夜城の一角、音と光の奔流に包まれし欲望の城。
悲喜こもごも、怒声と歓声、そして、嬌声……。
ありとあらゆる欲望が限界以上に詰め込まれたそこに英雄と呼ばれた少女がいた。
頭の上で揺れる可愛らしいうさ耳、形のいいお尻を飾るもふもふの尻尾、すらりとした脚を包み込む網タイツ。
そして、豊かな谷間を強調する……はずのバニースーツは貧相な身体用には出来ておらず、少し前屈みになるとぷっくりとした乳輪を晒してしまう始末。

「きゃんっ!もう、お客様やめて下さいね?」

カクテルグラスを載せたトレイを片手にジト目を振りまく金髪の少女は、無遠慮に尻を撫でてきた男へと「めっ」と人差し指を突きつける。
っていうか、死ね、助平親父!
内心悪態を吐きつつも、それを口にすることは許されない。
もっとも生来の悪い目付きは常に不機嫌そうな印象を与え、客を怯ませる。
しかし……今日はまだ客が付いていない。
目付きが悪いせいか、愛嬌がないせいか、それともやはり胸元が貧相だからか……。
このままでは借金を返せるのはいつになるのか……いや、むしろ、こうして時間を稼いでいる間にアイツが新しいパトロンを見つけてくれれば万々歳……いや、でも、そう簡単に……。

「あぁ、もう!なんであたしがこんなことで悩まなきゃいけないのよ!」

堂々巡りする思考を遮るよう思わず少女は叫ぶ。
はっと我に返り周囲を見回すとこちらを痛々しく見つめる視線がちらほら……。
羞恥に顔を真っ赤に染め、そそくさとその場から早足で逃げ出した。

ご案内:「港湾都市ダイラス “ハイブラゼール”2」にホウセンさんが現れました。
ホウセン > 王都から港湾都市へ。
本店から支店へ雑事を片付ける為に訪れた妖仙は、事が終わり次第遊興へと繰り出す。
どれもこれも遊びと愉悦を見出す性質のそれが、興味本位で足を運んだのは賭博場。
賭け事で身持ちを崩す輩ののたうつ様を鑑賞し、酒の肴にしようという魂胆だったけれども。
小さな体を生かして人と人の間を泳ぐようにすり抜けていた足が、不意に止まった。
聊か場違いとも思われる声に反応したのだ。
大きく黒い目を二度瞬きさせ、口元には人の悪そうな歪み。

「呵々!仕事中にも拘らず、他所事を口にしてしまう程の悩みを抱えておるのかのぅ?」

逃げ出したとはいえ、仕事は放り出せまい。
カジノのフロア内に留まっているのなら、逃げ出した先にひょっこりと姿を現す。
遠慮がちに見上げ、人の良さそうな笑顔を投げる。
この国の者ではない衣装に袖を通した子供。
外見的要素だけならそう判断されるだろうし、魔術的素養によっては”常人ではない何か”であるぐらいは看破されるかもしれない。

「ま、それはそれとして、一杯貰おうぞ。
 そうじゃな、その青い酒を所望するのじゃ。」

細っこい腕を伸ばし、トレイに並べられた酒盃の一つを指差し。

ソーマ > 「え?あ?あれ?」

そそくさと早足で人混みの中を抜ける中、不意に聞こえてきた声に足を止め周囲をきょろきょろと見回す。
しかし、こちらへと向けられた視線はなく、声の主が見つからない。

「うぇ!?あ、君?どうしたの?パパとはぐれた?」

下から伸びてきた指でようやく目の前に身なりの良い子供がいることに気付く。
視線を合わせるよう前屈みになるとスーツの隙間からぷっくりとした乳輪が覗き見える。
普段見せない瞳を細めた温和な笑み……それが不意に固まる。

「……何者?アンタ。」

眉を顰め、ジト目がさらに三角になり剣呑さが深まる。
魔王討伐の為の数年の冒険、その中で獲得した観察眼は目の前の子供が見た目通りではないことを見抜く。
実力の程は……問題のないレベル。
かつて魔王を屠った少女の魔法を持ってすれば消し炭に出来るだろう。
もっとも……その魔力の大半は封じられてしまっているわけだが。

目立たないよう周囲の視線を気にしつつ、少年が指し示したグラスを手渡し、上半身を起こしながら半歩距離を取る。
数ヶ月前、魔王討伐の栄誉を讃えられ、天才魔法少女と称され広報にも載った少女……だが、まさかこんな場所で給仕をしているなどと想像もされないのか、意外と気付く者の少ないその素性に果たして気付くか……。

ホウセン > 港湾都市の一角にある大歓楽街のこと。
異国の出で立ちの者はちらほら見かけることがあるやも知れない。
そして、一見したところ年端の行かぬ者であっても、金払いさえ良ければ”客”足り得る。
ここはそういう街で、そういう場所だ。
その点を鑑みると、女に声を掛けたちんちくりんは、身に着けている物の仕立ての質から相応の財力を有していることが窺い知れよう。
女の雰囲気の変化にも鈍感に、或いは超然として眉一つ動かさず差し出されたグラスを受け取る。

「何者かと問われれば、商人と答えるのが事実から最短距離にあろうな。」

手にしたカクテルのショートグラスを、躊躇無く口元に運んで口腔へ流し込む。
中身が半分程になった酒器を臍の高さに下げて、味覚への刺激の余韻を愉しむ風情。
緊張感の一文字目さえも見当たらない。

「そして、ここの客でもある。
 故に、そうツンケンせずとも良かろう?
 ――のう、ソーマよ。」

商売の鉄則は情報収集を密にすること。
故に、刊行物の類には必ず目を通す事を日課としている妖仙の記憶の中に、素性は確りと残っている。
一方的に自身の事を知られているという居心地の悪さを提供しながら、女の正面から右隣へ。
クルリと小さく舞うようなターンを含んだ足運びで。
”客”であると釘を刺したのがどの程度効力を発しているか探るべく、小さく柔らかな掌で尻を一撫でしようとする。

ソーマ > 「ふぅん……商人……ね。」

爺臭い口調の少年の答えに怪訝さを隠せぬジト目を向ける。
本当に?目的は?人へと害を与える類のモノではないのか……?
その端的な言葉から思考を巡らせるも少なすぎる情報からは当然答えなど得られるはずもなく、生き残るために身に付いた何でもすぐに推察を巡らせる癖を意識してシャットダウンしつつ、剣呑な視線で少年を見下ろす。

「ボクぅ?いたずらはダメよ?」

素性を知られている……その事実は苦難の末に幼馴染と共に栄光を勝ち取った少女の心に鈍器で殴られたかのような鈍い痛みを与える。
しかし、そんな態度は極力出さず、尻を撫でる少年の手首を掴みつつ、引き攣った笑みを浮かべる。
客……な以上邪険には出来ない。
下手に逆らってクビにでもなれば、もっとひどい所へと回されてしまうだろう。
ただでさえ勇者との逢瀬の機会が減っている中、そんなことになれば下手すれば今生の別れとなってしまうかもしれない……。
小さな胸に抱いた恋心は誇り高き少女に打算を覚えさせ、手首を掴んだ手からわずかに力を抜かせた。

ホウセン > 公の機関が市井の者に対して発行する情報は、功績を速報する一方でその後の顛末まで載せることはない。
魔王が滅ぼされたという吉事をもって王国の威信を知らしめるのが第一なのだから、それさえ満たせれば良いと。
故に、その後にの醜聞に類する類のものが紙面を賑わわせることはなく、一般人の耳には入っていない――筈だった。

「悪戯ではないのじゃ。
 これは資金繰りに難儀しておるであろうお主…いや、お主”ら”に対するささやかな援助の為の通過儀礼じゃぞ?」

手札は伏せ、”勇者一行”の事情を知っていると思わせぶりに。
何処まで事情に通じているかという情報の全ては明かさぬままに、持って回った台詞回しを展開する。
捉まえた手から力が減るのを待つ辺り、女の打算を透かし見るような悪趣味さの片鱗が覗く。
手首に手を纏わりつかせたまま、人差し指と中指がタイツの網目を梯子のような取っ掛かりとし、交互に指を曲げてバニースーツの際ににじり寄る。

「この後、誰彼かの予約でも入っておらぬというのなら”買う”てもよい。
 魔王屠りの英雄相手じゃ。
 儂の重たい財布が、軽うなる程度にはチップを弾ませるのも吝かではないぞ?」

悪趣味の最たるものの一つである、札束で頬を叩くような言動。
それすらも許容してしまえるだけの切望を、バニーガールが抱えているかは分からぬ所だけれど。
応否は言葉によるものか、それともバニースーツの縁から内側に入り込もうとする妖仙の指に対する行動によるものか。

ソーマ > 「ぐ……。」

事情まで知られている……。
恥とも言える醜聞を知られている上にわざわざ援助まで申し出てくる……。
それは屈辱以外の何物でもなかった。
悔しそうに奥歯を噛み締めうめき声を漏らし、少年の手首を離す。
それは勇者と結ばれ、魔王を屠った英雄が端金に屈服した瞬間だった。

「……前は…その、魔術封印で挿れられないけど……。」

それでもいいの……?と。
身体を強張らせ、悪戯のように下肢を這う少年の指に耐えながら、少しでも早くこの地獄から逃れる為、幼馴染の負担を減らす為にプライドを売り渡す。

ホウセン > 消極的ながらに応諾が返って来ると、満足そうに首肯を一つ。
いざ、事に及んでどうなるかは、褥で暴けば良いと、特に気にした風もなく。
広いカジノから二つの影が姿を消し、買われた店員が”使われる”為の部屋が、新たに来訪者を迎え――

ご案内:「港湾都市ダイラス “ハイブラゼール”2」からホウセンさんが去りました。
ご案内:「港湾都市ダイラス “ハイブラゼール”2」からソーマさんが去りました。