2016/12/03 のログ
イア > 少年が妙に熱心に娼婦の顔を眺めているのは、何も買いたいわけではなく。
もちろんそんな金もないが、それ以上に理由があった。
生き別れた母を探してのことである。
どことも知れぬ娼館に売られたとしか知らない母を可能な限り探している。

そんなことはお構いなし、奴隷商は交渉不成立だったらしく不機嫌そうに少年へと近づいてきた。
ぶつぶつと少年に向かって毒づいてくるのに、口角片方だけ引き上げて皮肉げに笑う。

「無駄な努力ごくろうさん」

嫌味を吐いた瞬間、男の丸い拳が少年の頬を打った。
ふらついて、睨み返すとまた殴られる。

ご案内:「港湾都市ダイラス “ハイブラゼール”2」にリンさんが現れました。
リン > 娼館の近くを通り過ぎようとすると、以前褥を共にした少年と
それの持ち主らしき男が視界に入った。
関わるべきではないなと思いながら、気づかれないよう遠巻きに眺めるだけにしていたが。

「やつあたりはよくないんじゃないかな」

ひょうたん型の、不吉に青く塗られた提琴のケースを
武器でも構えるようにして持ちながら二人に近づく。
表情も声も醒めたものだ。

イア > 醒めた声音がかけられて、奴隷商ははっとして三発目、殴ろうとしていた手を止めた。
相手が年若い青年と見れば高圧的に、関係なかろう、と追い払いにかかる。

「リン……タイミング悪ぃな。おい、おっさん俺の客だ。邪険にすんなよ」

犬でも追い払うように手の甲を振る男の姿を、小柄な身体で彼の視線から遮るように一歩前に立ち。
右頬に薄ら赤い跡をつけた顔で、にっと嬉しそうに笑って見せる。

「今夜も買ってくれんのかい?」

ひょいと肩を竦めて、ちらりと肩ごしに男の方を見た後に藍髪の青年を見上げ。
目線に、そうだと言ってくれ、と願うような色を込める。

リン > 瞳孔が細まる。
後先考えずに一発ぐらい殴るか殴られるしてもいいかと思っていたし
そうするつもりだったが、イアの視線に思い直す。
ケースを持ち直して、嘆息する。そこまで聞き分けは悪くない。

「……ああ、そう。実はそうなんだ。よろしく」

渋々と言った様子で財布を取り出す。
自分はお金を使うことに関しては天才だと思った。

イア > 青年の返答を聞くや、奴隷商は態度を変えた。
奴隷としてこいつを買う気はないか、だの、目の付け所がいい、だのと。
調子のいいことを言って客の機嫌を取ろうとするのだ。
そして少年の首輪に繋がった鎖を手渡して、一晩いくらだ、と少年自身が言うより高い、男娼としても少々値の張る額を示した。

「……サンキュ」

殴られた痕の薄ら残る頬を手の甲で拭って、青年が財布を手にするのを情けなさそうな笑みで見届ける。
男に払った金は、少年の手元には一切入ってこないだろう。

リン > 「あいにくと身請けするほどの余裕は懐にないんだ」

無駄遣いの天才だから。
面倒くさそうに言われたとおりの金を財布から出して
奴隷商に乱雑に叩きつけてよこし、イアの腕を引っ張って離れる。

「奴隷商の中でも三流だな。同情するよ」

険しい表情で口にする。イアの所有者には聞こえてしまったかもしれないが別にいい。

イア > 乱雑に叩きつけられた金を取りこぼした奴隷商は、慌てて地面に這って落ちた貨幣を拾い集めた。
その耳に届いた声に一度顔を上げたが、すぐに地面へと視線を戻した。

「……本当にな。あと、悪かったな、無駄金使わせて」

奴隷商を見もせずに、腕を引かれて歩き出すと、そんな風に申し訳なさそうに言う。
幸い身を引きながら受けていたおかげで、頬のアザはすぐに消えそうだ。

「同情してくれるんなら、今夜は慰めてくれよ……な?」

悪戯っぽく、先ほどのやり取りを忘れようと明るい調子で肩に擦り寄って。
上目遣いに青年を誘う。

リン > 可愛らしい、と言っていい様子で寄り添う彼に、表情を緩める。

「奴隷なんかに情が移ったって、いいことないな」

皮肉そうに笑う。
前髪のあたりを撫でつけようと、少年の頭に手を伸ばす。
恋人同士がするみたいに、腕を絡め
もう片方の手で、首輪から伸びる鎖を持つ。

「場所はぼくの部屋でいい? この間みたいに。
 せいぜい、無駄遣いじゃなかったと思えるぐらいの
 サービスを頼むよ……」

そう言って歩き出す。

イア > ようやく表情緩んだのを見て、ほっと安堵したように息を吐き。
皮肉な笑みに、満面の笑みを浮かべた。

「まったく、その通りだな」

自分のことだと分かっていながら、他人事のように答えて。
前髪撫でる手を受け入れて、獣のように目を細める。
恋人同士のするように腕を絡めつつ、鎖を委ねて歩き出すのに合わせる。

「もちろん」

二重の意味で頷いて、彼のとっている部屋へと向かう。
部屋へとたどり着けば、さっそく甘えるように胸に頬を擦り寄せて。

リン > 部屋にたどり着いて荷物を下ろすと、くつろぐ間もなく甘えてくる。
まるで大型犬のようだ。

「今回はずいぶんと可愛らしいな」

抱きしめて、そのまま寝台の上に座る。
相手は自分の脚に座らせて。
体熱を確かめるように背中を優しく撫でながら、額に淡く口づけをする。

「いやらしいこと好き?」

小さく囁く。

イア > 相手にくつろぐ暇も与えず擦り寄ると、抱きしめられて寝台へと座らされる。
向き合って、膝の上に座る体勢となれば、くすくすと喉ならして笑い。

「可愛くねーよ、俺なんか」

ひねくれた返しをしながらも、背を撫でられ、額に落とされた口づけにすっかり身体を委ねてしまい。
心地よさに瞳を閉ざしかけていたが、小さな囁きにはつりと瞬く。
ほんのりと頬や耳朶を薄紅に染めてこくりと頷いて。

「す、き……だよ。リンは?」

ぞくりと震えた背筋。恥じらいを見せつつ問い返し。
顎先へ口づけようと首を伸ばす。

リン > 「……うん。ぼくも好き。一緒だね」

頬を染め、背筋を震わせるその反応が、一層愛らしく見えた。
じゃれつくような口づけを受け入れ、相手の唇の感触や
身体の重さを楽しむ。

「ううん。きみが可愛いから、どきどきしてきちゃったよ。ほら」

相手の頭を薄い胸にそっと抱き寄せて、心臓の高鳴る音を聞かせようとする。
肌が紅潮し熱を帯びているのは、相対するリンも同じだった。
イアの下で身体をよじらせて、欲求の高まりを教える。

「娼館の子を、じっと眺めてたけど……
 女の子のほうが好きだったりするかい?」

相手の頭に顎を乗せて、からかうような声で質問を重ねる。

イア > 一緒、と聞けば喉を鳴らして笑いながら楽しそうに、一緒だ、と呟く。
顎先に何度も啄むような口づけをして、両腕を相手の胴に回して自分からも抱きつく。

「……ほんとだ。どきどき、してる」

抱き寄せられるまま、薄い胸に耳を当てれば相手の鼓動が聞こえる。
体温が上がっているのはお互い様か。
身体の下で熱を持って存在を主張する欲望を感じて、自身も股間に熱が集まるのを感じる。

「妬ける?」

からかう様に重ねられた質問に、こちらからも揶揄するように返して。
一層甘えた様子で擦り寄る。

「そういうんじゃねーよ。人、探してただけ」

後半は寂しげに、ぽつりと零し。
それを振り払うように尻をもぞりと動かして、リンの股座に押し付ける。

リン > 「はは。ぼくだってあまり男らしくはないが。
 ……探す相手がいるというのは、いいことだね。
 いないよりはきっと」

要領を得ない返事。
相手の尻が自分の上で動いて、う、と声が漏れる。
ゆっくりと形を持つ欲望が盛り上がり、それに押し付けられていく。

「……気持ちよくしてほしいな」

脚衣をずらすと、まだ皮をかむった玉茎がそそり立っていて、存在を誇示するように揺れる。
リンは少し恥ずかしそうに、視線を逸らした。

イア > 要領を得ない返事には追求せずに、肩を竦めるだけ。
呻くように漏れた声に、嬉しそうに笑う。
押し付けた尻にはっきりと猛ってくる欲望の形を感じる。

「サービスするって約束だからな」

下衣をずらす時に自身も少し膝に浅く座り直し。
露わになった陰茎へと、両手を伸ばす。
熱を持って揺れたそれを見下ろしながら両手で包み込んで、皮の上から浅く握って上下に擦る。
時に強く力を込めて、悪戯するように先端を親指でくるくると擽り。

不意に肉茎から手を離すと膝の上から下りて、床に膝をつけた。

「もっと気持ちよくしてやるから」

ちろりと舌先で唇を潤して、上目遣いに誘いかけ。
相手の脚をそっと開かせ、膝の間に身を割り込ませようとする。

リン > 「……っ、上手、……」

手慣れた様子で先端を弄び、愛撫する動きに面白いように翻弄される。
ぞくぞくと快感がこみ上げて、声は抑えられても、隠しようもなく体が震える。
くねくねと悶える様子は女のものに近い。
指の間で陰茎の皮はめくれ、はちきれんばかりに膨張していく。

もっと、という言葉に期待と恐ろしさを感じた。
相手が床に降りて、脚の間に入り込んでくるのを、濡れた眼差しで見下ろす。
髪の毛が内腿にこすれてくすぐったい。
イアの顔の前で、露出した亀頭が露を垂らして揺れていた。

イア > 翻弄され、漏れる声音にくつくつと喉を震わせる。
手の中で皮がめくれ、どんどん熱く膨張していくのを感じて楽しくもなる。

そして、もっと、と誘いかけた言葉に濡れた眼差しが降ってくる。
腿の間へと顔を寄せれば、すっかり露出した亀頭が揺れていた。

「声……我慢しなくてもいいよ」

そう優しい声音でささやいて、肉棒へと唇を寄せる。
鈴口にキスをしてから、舌を伸ばして竿を根元から傘まで舐め上げる。
満遍なく舐めて全体を濡らすと、唇をたっぷり濡らして亀頭に口づけして。
じゅぷ、と水音立てて吸い付くように口腔へと迎え入れた。

「ん、ふ……んんっ」

舌を蠢かせて、窄めた唇で亀頭の縁をひっかけるように刺激する。
何度も頭を上下させて、ゆっくり舐ったかと思えば、ちゅうちゅうと吸い上げて。
熱心に口淫を施し、一度目の射精を促すように。

リン > 「ん……」

優しげな囁きに、もう一段心臓が高く跳ねて。
熱く濡れた舌が這い上がり、やがて最後には先端が
唾液にぬかるんだ口へと沈み込んでいく。

「あっ、すごく、いいっ……!」

思わず腰が跳ね、口腔の奥へ突き入れてしまう。
口蓋や頬裏に押し当て、先走りを塗りつける。
じっくりとした口淫に、じりじりと射精欲を刺激されて、息をつまらせる。
悲鳴のような喘ぎ声。

「出るぅ……出すよっ……!
 ちゃんと、飲んで、ねっ……」

そう長くはかからず、宣言とともに濃厚な精汁がイアの口内に絞り出された。

イア > 腰が跳ね、口腔の奥へと突き上げられれば苦しげに呻くが、口淫は止まず。
口蓋に、頬裏に先走りを塗りつけられるとそれを味わって。
悲鳴のような喘ぎに、ぞくぞくと快感を刺激される。

「んっ、んんぅ」

宣言に、小さく頷きひときわ強く吸い上げた。
勢いよく、濃厚な白濁が口内に放たれる。
こくん、と喉が鳴る。
熱く注がれる精液を懸命に飲み下していく。
やがて射精が収まれば、中に残ったものまで啜り上げて。

「っぷ、はぁ……っは、どう、だった?」

顔を紅潮させ、瞳を涙に潤ませて見上げ、微笑んだ。
少年の股間の逸物は、ショートパンツの中で苦しげに膨らんでいる。

リン > 「ん――ぅぅ……っ❤ いぃ、いぃ……」

吸い上げ、嚥下する喉の動きが、敏感に伝わり、それがまた快楽となる。
相手の肩を掴んで、余すことなく吐き出し切る。

「ふぅ……。
 すごく、よかったよ。
 苦しかったかい? いっぱい飲めたねぇ、よしよし……」

気遣うように相手の頭に掌を乗せる。
深く呼吸をして小休止する。快楽の余韻がぴりぴりと、まだ身体に残っていた。
見下ろせば、布地の下で窮屈そうにしているのを見つけて、嬉しくなる。

「ぼくのを飲んで盛り上がっちゃったの?
 いれたい? それともいれられたい?」

悠然と身体を傾けて、淫靡に微笑む。
ソックスに包まれた足先が伸びて、盛り上がりをくにくにと小突く。

イア > 肩を掴まれ、残らず吐き出されたものを、零すことなく嚥下した。
そして、労うかのように頭撫でられるのを猫のように瞳細めて嬉しそうに受け入れて。
けれどじんじんと焦れったく快楽を求める部分は張り詰めて。

「……うん。リンの、濃いのいっぱい飲んで……して欲しく……なった」

恥ずかしそうに、彼の淫靡な微笑みから視線を下へと逸らす。
すると視界にはソックスに包まれた足先が、自身の股座をくにくにと小突くのが見えて。
びくんと逸物が跳ねる。

「……リンの、ちょうだい?」

はぁ、と熱い吐息と共に強請る言葉を吐き出して。
潤んだ瞳が再び彼を見上げる。

リン > 足裏に欲情の熱を感じて、それだけで力を失っていた陽根が再び猛り始める。
欲しい、という言葉に応じて、さらにくしゃくしゃと掌で頭を撫でてやる。
イアを立たせ、再びベッドの上で対面するよう促す。
そして、パンツに手をかけてそれをすっかり取り払ってしまう。

「挿れられるのもいいんだ?
 ふふ、この間とは逆だね」

指を咥えて濡らし、相手の後孔に差し入れて、やわやわとほぐす。
それが済むと、すでに唾液で濡れそぼっている竿をそこにぐりぐりと押し当てる。

「力抜いてね」

ずに、と菊門を割って、熱い塊がイアの体内へと侵入し始める。

イア > 目の前で、力を失っていた肉棒が再び猛るのを見るだけで、じわりと先走りがパンツに滲む。
促されるまま立ち上がり、ベッドの上で対面する。
顔が紅潮している。
下衣を取り払われると、少年らしい肉茎が元気よく跳ね上がり、雫を飛ばす。

「う、るさい……嫌ならしなくて、も」

虚勢を張ってしなくてもいい、なんて続けようとしたが、後孔へと指が差し入れられた瞬間、肉棒が嬉しそうに張り詰めて跳ねる。
解されているだけで呼吸が荒くなっていく。

「んっ、は……ぁ、リン……」

後孔に熱い肉槍が突き立てられ、たまらず甘い声が漏れる。
菊座はきゅうと締まり、内壁は蠕動して侵入を拒もうとするが、徐々にその反応は受け入れるものへと変わっていく。

「あ、ぁ……ふぁ」

蕩けてだらしなく開いた唇の端に、涎が零れてしまう。

リン > 「嫌なわけない」

陰茎が素直な反応を示すのを、目を細めて見つめる。
挿れた指先の熱が心地いい。荒らげる息の音を耳を澄ませて聴いた。

「きついけど、いい具合だよ……。
 ほら、もっとおちんちん元気にしてるの見せて」

相手の両脚に手をやって広げさせる。
そうして腰をゆする。
にちにちと、相手の中で大きくなりながら、少しずつ奥へと侵略していく。
緩慢だが、容赦はない。
身体を曲げ、唇の端の涎に舌を這わせ、舐めとる。

「淹れられるの、好き?
 好きなら好き、って、言ってご覧?」

繰り返し、耳元で問う。甘く心を蕩かすような声。

イア > 「み、るな……よ」

恥じらい、両手で勃ちきって先走りに濡れる肉棒を覆い隠そうとする。
けれど、腰を揺すられて手が自らの先端に触れただけで、情けない声があがる。

「あっ、あ……リン」

徐々に内壁が押し広げられる感覚にぞわりと肌が粟立つ。
少しずつ、ゆっくりと、しかし確実に奥へと侵入してくるのをはっきりと感じる。
唇の端に伝った涎を舐め取られるだけでも、恥じらいと快感に身体が震えた。

耳元で甘く蕩けるように問われる声に、ぎゅっと目を閉じて頷きを一つ。

「……す、き……やさし、の、すきぃ」

幼げな口調で、澄んだ少年の声音がだんだんと素直に暴かれていく。
虚勢が剥がれて、溶かされていく。

リン > 「勝手だねえ。ぼくだって、恥ずかしかったのにさ……
 おしり、気持ちいいんだね」

相手の唇に吸い付き、隠そうとする手は掴んでのけてしまう。
そして力強く勃つ肉棒を握りしめて、それの脈動を感じる。
溢れる先走りに指が塗れる。

「偉いねぇ……すてきだよ、イアの、こえっ……」

少年のたどたどしい答えに、一層男根の力が増す。
自身が雄であったことを思い出したかのように、緩やかだった動きが性急になり、
腰を引いては打ち付け、腸の奥までえぐり入れる。
それに合わせて、つかんだままの相手の雄茎もこしこしと指でしごいてしまう。

「あ、ぁーっ、出ちゃうっ、イアのおしりのなかで出しちゃうっ……!」

快楽のままに叫び、熱塊がイアの中でひときわ強く膨れ上がり、律動とともに
熱液をほとばしらせ、イアの小さな体に注ぎ込んでいく。

イア > 唇を吸われ、両手は掴まれて、隠そうとした意図は阻まれる。
それによって、羞恥が身を焼き快楽へと変じてしまう。
握り締められただけで、先走りに薄く白が混じる。
強い快楽に、頭が真っ白になってしまいそうで。

「あっ、リン……リン……っ」

内壁を抉る肉槍が、一層力を増して体の中で暴れる。
性急になった動きにがくんがくんと揺さぶられて、急激に快楽を煽られる。
掴んだままの陰茎を同時に扱かれて、切羽詰まった喘ぎが零れる。

「リン、リンっ……きて……っ、おれも、おれも出ちゃうぅ……っ」

眉根を寄せて、苦しいほどの快楽に瞼をきつく閉ざして、ふるりと身を震わせた。
律動と共に腸の奥まで叩きつけるような熱い迸りを受けた瞬間。
青年が達したのと、ほぼ同時に少年の若い肉茎も膨れ上がり、爆ぜるように白濁を噴き上がらせた。
とくとくと注がれて、お腹が熱く重くなってゆく。
鼓動が高鳴り、蕩けた瞳が薄らと開いて、彼を見つめた

リン > 「ううぅっ……イアっ……イア……」

相手の名を何度も呼び返す。
体を抱き寄せて、じっくりと時間をかけて精液を吐き出す。
やがて枯れきったころに、ゆっくりと身体を倒して互いにベッドに寝そべる。
腹部を濡らした相手の白濁を指ですくい、口に入れる。

「かわいがられるのもいいけど、かわいがるのもいいもんだ。
 きみも、挿れられると女の子みたいによがるんだねぇ。いやらしい……」

しみじみとした口調で言って、見つめる相手にこつんと額同士をぶつける。
寝そべったまま身体を押し付け、回した手で背筋を、尻を擦る。
行為の余韻の熱。リンも同じように胸が高鳴っていた。

イア > 抱き寄せられ、重ねた身体が互いの体温を伝え合って混じり合う。
じっくりと吐き出された精を受け止めて、ゆっくりと引かれるまま寝台へと横になる。
目の前で、彼が自分の白濁を口に含むのを見て、また羞恥を覚える。

「それは、同意するけど……
 リンだって、抱かれる時は可愛いもんじゃねーか」

額をぶつけられて、視線が彷徨う。
身体を押し付けて背筋を撫で、尻を擦られれば、力ない腕でぺち、と脇腹を軽く叩き。
耳まで赤く染めながら、恥ずかしそうに、じゃれつくように睨みつけた。

リン > 「改めて言われるとぼくも恥ずかしくなってくるな。
 はは……似た者同士、お互い様、だね」

イアの言葉に、抱かれたときの有様を思い出したのか目をそらして照れ笑い。
提琴入れがぼんやりと輝いて、ほんの少しだけ身長が小さくなった。

「ま、イアに言われるなら悪くはないかな……。
 きみはかわいいって言われるのはいや?」

別にいやだとしても言うのを控えるつもりなどはないが。
じゃれるような仕草を心地よさそうな表情で眺める。
片方の手の指に付着した精液をねとねととこね回し、もう片方の手でイアの赤くなった耳たぶをつまんで軽くいじってやる。

イア > 「ぐ……そういうことに、しといてやるよ」

似た者同士、お互い様。そう言われるのは悔しいけれど、否定することもできなくて。
強がってそんな風に返した。
提琴のケースがぼんやりと光って、彼の背丈がほんの少し縮んだのを察すればそういう魔法の道具か何かかと納得して。

「俺は、男としてかわいいは、褒め言葉じゃねーと思う」

むすりと頬を膨らませて、幼げに不服を告げる。
とはいえ心底嫌という訳でもないようで、照れて視線がふらりと泳ぐ。
耳たぶを弄られれば、彼の脇腹を撫で上げて。
精液をこね回すのを見れば、咎めるように菊門をきゅと締め上げて。
他愛ない戯れを。

リン > 「はは、頑なだ。まあ、可愛さっていうのはつまり弱さで、男らしさとはかけ離れてるよね。
 ……どのみちぼくは男としてはかなり弱いから、武器になるなら、それでもいいかなって」

そんな風に、自分の考えを語る。
男らしさ、というのには憧れていないわけでもないが、どうも自分はそういうのは向いていないと知った。
入れっぱなしのものを締め付けられれば、うひ、と声を上げて身体を丸める。

「なんだよぉ。まだし足りない?」

戯れの仕返しとばかりに、軽く内へ突き返す。
そんな応酬をしながら、夜は更けていくのだろう。

ご案内:「港湾都市ダイラス “ハイブラゼール”2」からリンさんが去りました。
イア > 「俺だって、強くはねーけど、それで満足はしてないからな。
 したたかなのは、悪くねぇと思う……」

自分とは違う考えだけれど、彼には彼なりの処世術とか生き方とかがあるのだ。
そういうものをなるべく否定はしたくなかったし、認められないものでもなかった。

「ひぅっ……そうだって言ったらしてくれんのかよ?」

戯れの仕返しを受ければ、軽い悲鳴をあげつつも、挑戦的に笑み浮かべ。
結局したのかしなかったのか、そんなことはどうでもよくて。
最終的には二人、微睡んで夜を過ごしていったのだろう……。

ご案内:「港湾都市ダイラス “ハイブラゼール”2」からイアさんが去りました。