2016/12/02 のログ
ご案内:「港湾都市ダイラス “ハイブラゼール”2」にイアさんが現れました。
イア > とある娼館の軒先に、一人の少年が佇んでいた。
首には鎖が繋がれ、その先は、娼館の主である老齢の女性と話し合っている男の手に握られている。
でっぷりと肥えた身体つきに頭髪のない頭をした、冴えない顔立ちの壮年の男は、しきりに少年の方を見ては娼館の主へと売り込んでいるようだ。

今まさに売り込みをされている当の少年は、面倒くさそうに欠伸を一つ零した。

「……今更娼館なんかに売れるわけねーのにな」

非力な少年は、斜に構えた口調でぽつりと呟き、ちらりと二階の窓から外を眺める娼婦たちへと視線を向けた。
皆、美しかったり可愛らしかったり、婀娜っぽかったりと華やかな様子である。
表向き待遇は悪くなさそうだ。
だからといって、少年は買われたいわけでもなく。
何かを探すように、娼婦の顔を一つ一つ眺めていった。