2016/10/20 のログ
ご案内:「ハイブラゼール 休憩部屋」にチェシャ=ベルベットさんが現れました。
ご案内:「ハイブラゼール 休憩部屋」にリンさんが現れました。
チェシャ=ベルベット > 賭場の聖地ハイブラゼール。
その大手カジノの休憩スペースで豪奢なソファに身をうずめダラダラとだらしない格好で
くつろぐ猫あり。名をチェシャ=ベルベットという。
背もたれにずるずると背中を預け、片手にグラスに入ったオレンジジュース(トロピカルな花と果物が飾りについている)
を握りだらしなくストローですすっている。ずずーずずー。

別にカジノで有り金を全部すったわけではないその逆である。
チェシャのミレーとしての素質を用いればルーレットはわりと金を稼げる格好の場所であり、
ポーカーやブラックジャックはカードに不可視の糸を繋いでしまえばイカサマし放題である。
ただし店側も魔術的なイカサマを警戒してはいるため多用は禁物だが。
とにかく今あらかた金を巻き上げたチェシャは、こうしてチップをフロントに預けて寛いでいるわけである。ぐだぐだ。

リン > そこに訪れたリンは、対照的に若干水分が抜け落ちたような様相。
あの手この手で有り金を搾り取ろうとしてくるディーラーから這々の体で逃れてさまよい、
気がついたらここにたどり着いていたのだ。
とはいえまだ傷は浅い。永遠にハイブラゼールから出られなくなるというほどではなかった。
賭け事の才能がないことはわかりきっているのにどうして同じ過ちを人は繰り返してしまうのか?

「景気良さそうだな」

なんとか笑いの表情を作ることに成功して、知った顔に挨拶する。

チェシャ=ベルベット > 干からびかけている少年が挨拶をしてきたのでグラスを軽く持ち上げて応える。
どうやら相手にはそう言ったイカサマの心得や運のちからが無いらしい。

「それほどでもない。だが可哀想だから何かジュースを奢ってやろう。
 このええと……青汁トロピカーナとかいうのでよければ」

メニュー表を見ながら、最後尾に書かれた明らかな劇物を勧めてみる。
まぁそれはおいといて、というように自分のジュースをすすり

「カモになることがわかっているならやらなきゃいいのに。
 もうちょっと勉強するかどうにかする算段をつけてから遊べばいいじゃないか。
 それとも、金を湯水のように使いたくなる悪癖があるとか?」

そうだとしたら難儀だなぁ、と思いながらじっと相手を見てみる。

リン > 「なんだそのジュース……頼むやついるの?」

珍妙なメニューを勧められて表情が微妙にひきつる。
ともあれチェシャ同様にソファに腰掛け、楽器をはじめとした荷物を反対側……死角に下ろした。

「は。別に訓練してないわけじゃないし。
 今回は勝つはずだったんだよ。ただちょっと風向きがよくなかっただけでさ。
 もう少し種銭があったら……」

見つめてくる相手から目を逸しながら、ぶつくさと言い訳を並べる。

チェシャ=ベルベット > 「お前が頼んだら頼むやつがいるということになる

だが相手が乗り気ではない様子に普通にただの水を頼んでやった。
「青汁をまろやかなトロピカルフルーツで割った飲みやすいジュースです」と
書かれていたので気になっていたのだが自分では頼みたくない。そんな一品。

「ふーん、タネ銭ねぇ……そういうやつに限ってあとちょっと持ってても
 うまく稼げなかったりするものだけどさぁ……。
 まぁそれだけ大口叩くなら僕がちょっと融資してやってもいい。
 ただし、タダでというわけには行かないけどね」

にやりとチェシャ猫の意地の悪い笑み。何か面白いことでもしてみろという視線。
ややカジノの賭け事に退屈してきた所に
弱みの握れそうな相手が飛び込んできたのなら丁度いい。

「そうだなぁ、たまには音楽家らしくその楽器でも弾いてみてくれよ。
 もちろんそこら辺に呪いを撒き散らさないよう気をつけてだけど。
 もしくは体を担保にするとかでもいいけれどどっちがいい?」

リン > 「やだよそんな健康に気を遣ってますアピールをするような歳じゃない……」

ありがたくただの水をいただく。味はしないがただの水おいしい。
大きくため息をついてうなだれる。

「融資ねぇ」

どうにもこの猫少年の笑い方は苦手で、視線はあらぬ方向に向けたままになる。
どうせロクな思いつきではないというのはわかっているので余り真面目にも聞いていない。
が、楽器を弾けと言われると瞬きをひとつ。

「へぇ。弾いていいのかい」

どうやら相手は随分と調子に乗っているようだった。
手袋を嵌め、脇に置いていた楽器を取り出す。
以前見せたものと同じ、青いバイオリン――アクリスだ。
弓を持ち、楽器を鎖骨に乗せたその構えは、力なくうなだれていたのを忘れさせるような凛とした佇まいとなる。

「まぁ、少なくとも、ぼくは呪うつもりはないが――……」

その言葉が真実かどうかは、実のところリン自身ですら曖昧だった。
やがて演奏が始まる。穏やかな立ち上がり。
魔界の大公が人の姫のために作ったその不思議な旋律に――聴いたものを害する力はまだない。
――ただ、席を立ちづらく感じるかもしれない。
いつまでも聴いていたいと思ってしまうような――魅力か、あるいは呪い。

チェシャ=ベルベット > おや、と立ち上がり楽器を取り出したリンに意外そうな顔をしてみせる。
彼自身呪いの楽器に呪われているらしいのであまり弾きたがらないかと思っていたが
こうして立っていよいよとなればそれなりに様になっているし
先程のしょぼくれた姿とは違う凛々しさが際立った。

始まった演奏にチェシャだけでなく周囲に居た人々ですらうっとりと聞き入った。
確かに呪いの魔楽器だが音色だけは確かなもので、とにかく人を虜にする旋律が素晴らしく冴えていた。
これには魔法に精通したチェシャですらうっかりと術にはまりかける。
いやもうすでにはまっているのだろうか、油断しきっていた態度から分かる通り
防備を疎かにしていたせいかその瞳から光が失われていく。

手にしていたグラスが力なくテーブルに置かれ、じっとリンの弾く楽器に視線が注がれる。
すっかりと音楽に魅了され、ぼんやりとした表情になっていた。

リン > チェシャを含めた聴衆が、現にいながらにして
夢幻を見ているかのような顔つきになるのを、リンは認める。
アクリスをそっと離すと、それは宙に浮かびながらひとりでに演奏を続ける。
それを不思議がるものは誰もいないだろう。

「気に入ってくれたみたいだね」

チェシャににこりと微笑みかける。
リンが普段見せるものとは違う毒気のないものだった。

「こっちにおいで」

ソファに座ったままチェシャを手招きする。
旋律が、せっつく小鳥のような、劣情を煽るものへと切り替わっていた。

チェシャ=ベルベット > 宙に浮いてひとりでに奏で続けるアクリスを不思議に思うこともなく
またリンが見せた笑顔にも特に反応することも出来ずにぼんやりと
手招きされるままリンの傍へと座りなおす。

旋律が変化すれば、それまで白い肌の色がほのかに血が巡り上気したものに移り変わっていく。
とろりとした夢見る眼差しに交じる、何かを期待するような色。

「ん……リン……」

かすれ声で小さく相手の名前を呼び、次の指示を大人しく待つ。

リン > 従順に指示に従うチェシャに、満足そうに頷いて
腕で抱き寄せて頬に口づけする。ついで顎、首筋へと。
相手の上がった体熱を確かめるように。

「ふふっ。名前呼んでくれたね。嬉しい」

幼子をあやすように、相手の暗い色の髪を優しく撫でる。

「ねえ。ぼく、きみの身体が見たいな……」

服の裾を控えめに引っ張りながら、
未だ演奏を続ける魔楽器の旋律もかくやと言った、甘く蕩かす声で囁く。
リンもまた、ほのかに高揚を肌に乗せていた。

チェシャ=ベルベット > リンの唇が自分の肌の上を滑る度に、小さく震え心地よさそうな吐息を零す。
従順に大人しく、されるがままに受け入れる。
名前を呼ばれるのが嬉しいと囁かれれば、
リン、リンと甘い声で何度か耳元で囁いて嬉しそうに微笑した。

撫でられた手に頭を擦り付け、躊躇うこと無く相手の要求に従う。
首元のタイを解き、衣服のボタンを外して袖から腕を脱いていく。
他人の目もあるというのに、それを気にした様子もなく
するりするりと最後の下着まで脱ぎ捨て床に落とした。
どこか恥ずかしそうに目を伏せたまま、大事なところを手で隠し
それでも隠しきれない場所は白い肌を晒ししなやかな肢体があった。

そして股の間のものが知らぬ間に柔らかく立ち上がりかけているのを
気づかれないようにそっと手のひらで押しとどめているが
リンならばすぐに気づくやもしれない。

「リン……これでいい……?」

もじりと、身を捩り次の指示を期待するように上目遣いでリンを見た。

リン > 「綺麗だね、チェシャの肌。
 だいじょうぶ? 他の人に見られて、恥ずかしくないの?」

などと言いつつも、脱衣を止めることも裸体を隠してやったりすることはない。
股間を隠す手をつかむと、そっとどかしてしまう。

「だめだよ。ここも見せて」

そして、甘く立つその根元や陰嚢を手袋に包まれた手のひらで軽く揉む。
袋の下にある会陰に、マッサージするように指の腹をくにくにと押し付けた。

「どうして大きくしちゃったの?
 入れたいの? それとも……入れられたいの?
 じゃなかったら、こうして触ってほしい?」

焦らすような緩やかな愛撫を続けながら問いかける。
ふう、と湿った吐息を相手の白い肌の上で滑らせ。
空いた手で自分の脚衣を緩めると……情欲にすっかり反り立つリンの性器が姿を見せた。

チェシャ=ベルベット > 肌を褒められれば嬉しそうにはにかんで、白い肌をさらに朱色に染めた。

「恥ずかしい……けど、リンがみたいって言うから……いいよぉ」

言われて初めて他人の存在に気づいたと言うように身をくねくねと捩ったが
どうせ誰もが旋律に夢中になってチェシャの裸体になど気づいていないのだ。
恥ずかしそうではあったが、それよりもリンに見せるほうが大事といった様子だ。

あっ、と抵抗の声を上げたがそれを止める間もなく手を剥がされる。
大事な部分をリンにいじられる度に甘く鼻にかかった声が薄く開いた口元から漏れ出てくる。

「んっくぅ……っ音楽、聞いてたらっ……ふぅ、
 おっきくなっちゃった……ごめんなさいぃ……あっ
 いれ、入れてぇ……さわってもらうのも好き……!」

必死に閉じようとしていた足が、段々と素直に開かれてゆく。
息を吹きかけられればびくりと、魚のようにのたうった。
甘い立ち方だったそれはすっかり形を変えてもっともっとというように相手の手に擦り付けられた。

だが、リンが晒したそそり立った性器を見れば目の輝きが変わった。
うっとりと、雄々しく立つものを見つめると、鼻先を止せてすんすんと匂いを嗅ぐ。
自然とリンの足の間にひざまずいて性器に頬ずりをし始めた。

「リン、リン……これ頂戴、僕にこれっ……あつくてかたいの……」

リン > すっかり色に狂った様子で、自分の前に跪くチェシャの頭を撫で――
ぐい、と自分の股の間に押し付ける。
頬や鼻先を昂ぶりに擦らせて、先走りをなすりつけてながら、ますますそれを硬くさせていく。
素直に振る舞う猫はただただかわいらしい。

「いいよ。――ほら、」

顔を上げさせ、跪いていたチェシャの腕を引っ張ると
ソファに寝転がらせて、その上に覆いかぶさる。
互いの雄茎が押しつぶされて擦れ合う。

「入れたげるよ。感謝してね。ぼくに」

獣のように猛りながらも、温和そうな笑みを崩さないまま
腰を動かして相手の菊門へとあてがい――ずん、とひと思いに突き入れる。

――いつのまにか、アクリスの動きは緩やかになり、
演奏を止めてしまっていた。

チェシャ=ベルベット > 引っ張られるまま、ソファに嬉々として寝転がる。
プライドも何もなくしてしまったかのように自分の上に覆いかぶさってくるリンに媚びた笑みを作った。
先程なすりつけられた先走りがてらてらとぬめって顔の上で濡れて光った。

「うん、ありがとーございます、リン!ありがとーございまっ……
 んぎぃ…っ!あ、ぐぅううっ……!はいったぁ……リンのおちんぽっ!」

相手が自分へと襲いかかっているにも関わらず文句を言うどころか礼を言って迎え入れる。
散々と互いに昂ぶった幹をこすり付けあった後、自分の後孔へと乱暴に突き入れられたものに大きくうめいて仰け反った。

そして音楽が途切れたことに気づくとチェシャの瞳にも力が戻ってくる。
色狂いの様子から一転、だんだんと正気を取り戻せばいつの間にか自分が裸のまま
リンに覆いかぶさられてしかも犯されている状況にぎょっとした。

「な、なにやって――!やめ、離せっばか、変態め!
 くそが……っ嵌めやがったな!」

中のものに喘ぎ苦しみながらもがいて相手の体を引き剥がそうとするが、
手足の力は一向に戻らないらしい。
相手の肩の辺りを押し返そうと試みるが弱々しい抵抗にしかならない。

「……っいいから、抜けよ!あっ……なにおっ立ててるんだっ!」

リン > 「あれ? どうしたの。
 さっきまで尻尾振っておちんちんねだってたのに……」

とぼけた声。
途端に罵声を上げてもがきだすチェシャに、くつくつと笑ってみせる。
従順に振る舞う性奴隷もいいが、こっちのほうがらしくて安心してしまう。

相手の二の腕を押さえつけて抵抗を封じる。
身体を折り曲げて、チェシャの胸先を食み、吸う。
砂糖細工のように白い肌は、甘い味がするような気がした。

「ごめんねぇ。きみのお尻にひっかかって抜けないや。
 きみのおちんちんもよかったけど……こっちのほうも具合いいね……
 もう出ちゃいそう。ねえ。出してもいいよね?」

しっかりと奥に食い込んだ淫棒が、チェシャの腹を突き上げるように動く。
抽送のペースが早くなる。

チェシャ=ベルベット > 「ちが、そんなの……お前のせいに決まって……!」

慌てて否定するも、それが本心から否定できるものでないことはチェシャ自身知っている。
何にしても結局は淫乱な性分で、操られていたとは言えセックスが嫌いなわけではないのだ。

押さえつけられた体に相手の唇が這う。すっかり出来上がっていた体は
意志と反して確実にチェシャに快感をもたらしていた。
胸の先端が吸い上げられれば甘ったるく吐息を漏らして、体を揺らす。
舐めしゃぶられればすぐに硬く尖り、赤く色づいた。

「んぁあ、やめ、ばかぁっ出すな!絶対出すなぁっ!
 いいから、抜けよぉ!あっ、やめ、おっきくするな!むね、吸うなぁ!
 出したら、あっん、ぐぅ、だしたらぁ、殴るからなっ……!絶対あとでぇ……!」

罵声と暴言をふんだんに叩きつけながらも合間合間に喘ぎが交じる。
言葉は拒絶したものだが、下の口はリンの硬く猛ったものを逃すまいとしっかりと絡みついて離さない。
びくびくとチェシャ自身のペニスもまた、絶頂が近い様子で揺すられる体と共に腹の上で跳ね回る。

リン > 周囲の客は未だ余韻に囚われていて、歩く屍のようになっている。
正気を保っているのはリンとチェシャの二人だけに見えた。

「酔ったときに見せる姿のほうが本性とも言うけど?
 イヤって言うなら、その元気なものおとなしくさせなよ。
 いやらしいんだからぁ……」

せせら笑い、相手の胸や腹をさらに舌先で愛撫し、浮かぶ汗を舐める。
過敏に反応する姿が面白いのだ。
やかましい罵詈雑言も今は耳を楽しませる音楽にすぎない。
もう少し焦らして長く苦しめてやってもよかったが、
リン自身も抑えきれないものがあるようで、動きはますます激しくなっていく。

「こんなに気持ちいいんじゃ、限界っ……!
 ほらっ、たっぷりお尻で飲んで……っぅ!」

まぶたを固く閉じて叫び、相手に強くしがみつくように力を込めると、
熱く粘着くジュースをチェシャの肉洞にたっぷりと注ぎ込んだ。

チェシャ=ベルベット > 「うるさいっ、だまれっ……あっ、うぅ、だからぁ、やめろってぇ!」

実にその通りの言葉を必死に言葉で言い返して否定してはいるが
だんだんとその勢いは削がれてきてしまっていた。
リンに刺激される度にいやおうにも性器は張り詰めて先走りをだらだらと零すし
顔も締まりのないだらしのない表情に変わってゆく。

「ひ、やめろっ……!やだ、やだぁ…!だすな!だしたらっ、いくっいっちゃうからぁ……!
 やだぁあああ、ああっ、いくっ……!」

やがてリンの勢いが激しさを増し、自分へとほとばしるように精液を流し込まれれば
チェシャも観念してぶちまけられた熱い体液を奥へと飲み込んでいく。
どくどくと流される射精と刺激にチェシャもほぼ同時に達して漏らすように精液を垂れ流した。
腹の中側にどっぷりと種付けをされれば、動物としての本能か、リンの性器を絞り上げるように締め付け飲み込んでゆく。
ぐったりと横たわったままの体が時折ひくつき、チェシャの瞼は閉じられたままぽろりと快楽の涙が零れた。

リン > 「ふぅ……」

息を吐いて快楽の余韻を楽しみ終わると、身体を起こし、腰を引いて己の槍をチェシャから引き抜く。
腹部にこびりついた、チェシャの出したものを指で拭い取り、
チェシャの唇をこじ開けさせて指を突っ込んで舐めさせる。
役目を果たしたアクリスを、ケースの中にしまう。

「いやー。すっきりしたよ。いろいろな意味で。
 これで痛み分けって感じじゃない?
 あ、大丈夫? 起き上がれる?」

ここを訪れたときの干からびかけた様子とは一変して満ち足りた表情で声をかける。

チェシャ=ベルベット > 「ん……」

意識が朦朧としている間に自分で出したものの始末を自分で突けさせられていた。
抵抗の色は薄く、進んでちゅうちゅうと舐めしゃぶってリンの指をべたべたのよだれまみれにした。

ぴちぴちと活きがいい感じで復活したリンとは対象的に
しばらくは動けない様子でソファに寝そべっていたが
おもむろに起き上がると満足そうなリンの頬へと一発平手打ちをかまそうと手を振り上げた。

「うるさいっ!なにが痛み分けだ!ただの強姦じゃないか!
 別にお前に楽器を弾かせたのはこうしたかったわけじゃないんだからな!
 ……このクソエロドチビ!チップは譲ってやるからさっさとどこかへ失せろ!」

手のひらが命中しようがしまいが、シャーッと猫の怒りが爆発してリンに食って掛かる。
脱ぎ捨てた衣服からポケットに手を突っ込むと預けていなかったチップを掴みだしリンの前に投げ捨てた。

リン > 「ギャン!」

見事に平手打ちが命中してのけぞる。不服そうな表情。

「ぼくも必ずしもこういうことがしたかったわけじゃないし……したかったとも言えるけど……。
 それにそっちだって楽しんでたくせにぃ~~。
 ……って、いいのこれ」

単に追い払いたいだけというのはわかるが、
好き勝手してさらにチップまでもらえるとは随分できすぎた話である。
とはいえ据え膳は食べるし落ちている金は拾うのがリンの信条だった。

「ま、またね~」

チェシャの気が変わらないうちに素直に懐にしまうと着衣を整えて立ち上がり、
楽器や荷物を抱えてすごすごと退散していく……

チェシャ=ベルベット > そそくさと退散していくリンの後ろ姿を睨みつけてふん、と鼻を鳴らす。
まぁ気持ちよかったのは本当だから仕方ないとしても、それを相手の目の前で
漏らすかどうかはチェシャ次第である。そしてチェシャは死んでもいいたくないタイプだった。

命中した手のひらが痛みで熱くてじんじんするが、
ぼやぼやしていると周りの客が音楽の魅了から解けて騒ぎになってしまう。
再び衣服をさっさと身につけるとカラカラに乾いた喉に飲みかけのジュースを流し込んだ。

まだ腹の奥がたぷたぷと熱で満たされて熱い。魅了が解けていなければあるいは
もういくらか付き合っても良かった気もしたがシラフに戻ってしまってはどうしようもない。
払ったチップは木っ端のような額であるし、今更カジノを続けて楽しむ気分でもなかった。

場所を移動して宿でも取ったら誰か買ってくれるものか相手してくれるものを探そうと心に決めて席を立ち上がった。

ご案内:「ハイブラゼール 休憩部屋」からチェシャ=ベルベットさんが去りました。
ご案内:「ハイブラゼール 休憩部屋」からリンさんが去りました。