2016/06/28 のログ
ご案内:「港湾都市ダイラス “ハイブラゼール”2」にヴィヴィアンさんが現れました。
ヴィヴィアン > 「んッ……く、あのオヤジ、ヘタクソの癖に
 思いっきり突きやがって……ほんと、ムカつく。痛いって言ってるのにさ。」

港湾都市ダイラスに有する大歓楽街、至福の島ハイブラゼール。
その一角で営業する、富豪向けの高級娼館から、明らかにこの館所属の娼婦であろう、
派手な服装――ゼブラカラーの深いスリットの入ったドレスに身を包んだ女性が、歩み出てきた。

「は~あ、この所脂ぎったオヤジや筋肉ダルマの傭兵連中の相手ばっかり。
 ……たまには柔らかくて、真っ白い肌の可愛らしいコを抱きたいわ……。」

どうやら今日はもうアガリのようで、女は誰にともなくぼやきながら、やや乱れた髪を直している。しかし、店の前ともあって他者からすれば客引きをしている娼婦と見まごう事もあるだろう。

ヴィヴィアン > そのうち、女は髪を直し終えて、どこかへと立ち去っていく。
しかしハイブラゼールの夜は、まだまだ終わらない。

ご案内:「港湾都市ダイラス “ハイブラゼール”2」からヴィヴィアンさんが去りました。
ご案内:「港湾都市ダイラス “ハイブラゼール”2」にエーヴさんが現れました。
エーヴ >  娼館立ち並ぶ通りにふらりとフードを被った人物が現れる。無数の建物が重なり合った結果、一つの建物と化した欲望渦巻く街へと。
 酔ったような歩調で歩いており、時折フードの下の顔を擦っていた。腹を抱えて壁に寄りかかることもある。道行く人たちは大抵思うのだ。薬か酒か。相手せずに無視したほうが身のためなのだと。
 特にギャンブルで大金を手にしたような男は浮かれきっている。短いスカートを振る娼婦を前に鼻の下を伸ばしているからだ。故に人物が肩にぶつかっても、突き飛ばす程度で済ますのだ。

 「あいててて」

 人物は地面にへたり込んだ。フードの奥の顔立ちが微かな笑みをたたえている。
 つい今しがたぶつかったときにスリ取った財布を物陰に隠れて検分し、金だけ抜くと財布は適当にゴミ箱に放り込む。油断しきった相手ほどスリ易い。
 艶かしい声の響く建物をじっと見つめて、暫し考え込む。

 「すっごい声。演技なのかな」

 聞かれたら怒られそうなことを呟く。
 さて次の獲物はなにか。娼婦でもいいし、客でもいい。誰でもかまわなかった。盗賊は単純だった。

エーヴ >  さて娼婦の声が演技かといえば―――よくわからなかった。
 実体験として娼婦染みた声を上げつつ行為に浸ってしまっただけに。

 「………」

 深く考えてはいけない話題なのだろうと首を振る。
 酒に酔った恰幅のよい男性が横を通り抜けた。目のみで姿を追いかける。服はだらしなく緩んでおり、財布らしくふくらみがあった。ぶつかって手を突っ込まれる違和感を殺すか、こっそり抜き取るか。どちらも面白い。ふらついた足取りにて接近していくと、まず相手の挙動を観察していく。
 男が振り返った。そのときには既にエーヴは身行く身の程知らずなギャンブラーの一団に紛れ込んでいる。