2015/10/29 のログ
ご案内:「港湾都市ダイラス “ハイブラゼール” 大通り」にソードさんが現れました。
■ソード > (時刻は夜。
ともなれば、この街はこれからが本番。
夜が更けていくにつれて、活気に満ちていく眠らない街。
港町という事もあり、この場にいる人間は多種多様だ。当若男女を問わない。
細かい事を言うなら、別にそれは人間に限らない。ミレー族もいれば、魔族もいる。)
三日来ねぇと、久々な気がするな。
(そんな事を嘯きながら、大通りを進む男が一人。
わいわいがやがやと喧騒に満ちた大通り、人波をすり抜けるように歩いて行く。とは言え、ジグザグに歩いているのではなく、妙に小器用に身をかわしながら真っすぐ、一定のペースで進んでいくような形だ。
とは言え、速度はそう早くない。街並みを眺めるように、ゆっくりと歩いている。
さて、今夜は懐も温かい訳だが。
どうしたもんかね、と。)
■ソード > (娼館への呼び込みの男は、ひらりと片手を振ってかわし行く。
この国へ来て、しばし経つ。
宵越しの銭は持たない、とばかりに金払いの良い男は、遊び方も基本的には派手というか、気前がいい。
結果、いくつかの店の呼び込みやら嬢などからは、顔を覚えられつつもあった。
まぁ、しょせんは流れの冒険者故、認知度が高いとはとても言えないが。)
「あー……今夜はいいわ。またな。」
(声をかけてきた呼び込みの男に、ひらりとまた片手を振りながら言葉を返して通りを行く。
既に酒場で一杯引っかけた後である。今夜はそのまま酒を飲む気分でもなく、とりあえず出ては来たのだが。
来たのだが、どうにもこの後の動きを決めあぐねる。
女の気分ではない、というのでもないが、何となく娼館を選べないでいるのだ。
特に理由はなく、完全に気まぐれである。
ゆっくりと歩いているが、そんな事をしていればいずれ通りを抜けてしまう。まだ、距離はあるが。
賭場にでも入るか、などとも思うも、それは気分でない。
はてさて、と。男は小首を傾げた。)
■ソード > (一件の娼館の前を通りかかる。
呼び込みの男が、また声をかけてきた。
以前、臨時で用心棒をやった店だ。ほんの一晩の事であったが、ちょうどその晩にもめ事が起こってしまったので、印象に残っている。
その後も、継続的に雇われやしないか、という打診を受けたが、これは断っている。
一つ処に勤めるような柄ではない、と。)
「おー?おー……んー……、あーいや、やっぱいいわ。またな。」
(それ以降も、何度か客として利用している店だ。割と良い額を取られるため、財布が重い時しか来られないのだが。
今夜は、財布が重い。
客引きの男に声をかけられ、少し悩む。悩むも、結局は他の店同様断ってしまった。
断った後に、ここにしときゃよかったかね、と思わんでもないが。
とは言え、一度決めた事を後悔するような精神構造はしていない。すぐにそんな思考は吹っ飛んで、男の眼と意識は他の店や選択肢の間を彷徨い始める。)
■ソード > (通りを行く。進む。歩く。
声をかけられては、少し考えてから断って。
声をかけられては、少し考えてから断って。
この繰り返し。
そんな事をしていると、やがて通りの終端が見えて来る。
うげ、と男は珍しく眉根に皺を寄せた。
どう考えても自業自得なのだが、このままでは今夜は適当に寝るだけになってしまう。)
「―――……参ったね、どうも。」
(頭を掻きながら嘯く。何だかどうにも、退屈だ。
そうして、ついにたどり着いてしまった通りの終わり。
振り返る。
己が来た道には、やはり今夜はイマイチ魅力を感じない。
男はこれまた珍しくため息をついてから通りに背を向けて。
そのまま夜の歓楽街から消えて行った。)
ご案内:「港湾都市ダイラス “ハイブラゼール” 大通り」からソードさんが去りました。