2023/07/25 のログ
ご案内:「港湾都市ダイラス 祭囃子」に八蛟さんが現れました。
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 夏の風物詩
 水場 星宙 活気
 いくつもあるものの、端の村々とは違い都心たる場所はいつでも賑わいがある
 日差しの中では億劫な、女の寝床すら欲しない気持ち
 しかし雨の多い時期を過ぎれば空気はカラリとしながら、肌に感じるそれに湿度はない。
 日差しは強くてもむしろ涼やかさを感じる始末だろうか。

 故に夜となればより、足取りは軽い。
 ハイブラゼールの賑わいもながら、昼の気怠さを拭うように金の流れを増やすような
 幾つもの屋台や遊戯事が連なる目貫通りがそこにはあった。
 軽装や王都の有名な木造宿で見られがちな衣に袖を通し、割いた竹に紙を貼りつけた扇ぐ団扇一枚
 帯に差して出歩く者らを眺めつつ、鬼は祭り事の空気の中にいるだけで、充分楽しめているらしい。

 鬼の周囲には呑み比べでも仕掛けたのか
 腰を下ろしやすい石段差 丈夫のような良い体格の男も女も数人酔いつぶれている。
 鼾をかいて寝ているそれを見ながら、鬼はカラカラと笑いつつ手元の盃
 皿のような黒いそれに注がれた澄まし酒を、一息で飲み干す喉の動き
 顎に一筋酒を垂らしながら、体に見合った呑みっぷりは簡単に五臓六腑へと浸透していくだろうか。


   「―――フハァ こうもぬるくちゃ熱くて仕方ないね。」


 太い鬼歯 赤い舌 酒で熱くなった臓腑は白い吐息をふはぁと吐き出しながら、楽しく過ごしている様子。
 井戸で冷やした酒はこういった時極上ながら、逆に生ぬるいと酒の熱が良く目立つ
 喉を通り過ぎてカッとくるあの熱が如実にくるよう。
 鬼はつぶれるほど酔うにはそれ相応な酒がいる。
 だがこの熱で火照りやすいのは、仕方がない。  

ご案内:「港湾都市ダイラス 祭囃子」から八蛟さんが去りました。