2023/06/28 のログ
ご案内:「港湾都市ダイラス “ハイブラゼール”」にユンジェンさんが現れました。
ユンジェン > 数日の山中行の末、ようやく辿り着いた港湾都市。
その中でも最も栄えており、最も争いの気配が強い場所へ、少女は迷いなく踏み込んだ。
金銭、色事、人の欲望を掻き集めて詰め込んだ巨大建造物──少し視線を巡らせるだけでも、悲喜交々、無数の感情の発露が見て取れる。
有り余る財貨で他者の人生を買いとった者の笑声。未来の全てを奪われた者の慟哭──

「……魔族の領域より、住人のたちが悪そう……です、ね」

あまり表情が変わらない少女ではあるが、唇の端に笑みが浮かぶ。
どこか上機嫌な、弾むような足取りで、物騒な得物を引きずりながらウィンドウショッピング──奴隷だの娼婦だのを、だが。

ユンジェン > ──やがて目をつけたのは、いかにも血の気の多いだろう男達が集まっている小道。
魔族とて勿論、人の街で快適に過ごす為には何が必要か知っている。
金だ。
財布に手足が生えて歩いていると思えば、良い狩り場である──と。

「幾日かは滞在したい、ので……お金持ちの方がいれば良いのですが」

魔の倫理観が異端のものとならない街。住みよい土地である。

ご案内:「港湾都市ダイラス “ハイブラゼール”」からユンジェンさんが去りました。