2023/03/13 のログ
ご案内:「港湾都市ダイラス “ハイブラゼール” 地下闘技場」からエレン・ローズマリーさんが去りました。
ご案内:「港湾都市ダイラス “ハイブラゼール” カジノ」にホアジャオさんが現れました。
ホアジャオ > 昼間の日差しはすっかり春になったものの、夜になれば吹く風はまだ少し冷たい。
その寒さから逃れるかのように、または溢れる光に誘われるように、この街の人々はカジノに集う。

街で一際大規模なカジノは、大きな入り口から大ホール、そこからまた放射状にカジノテーブルが並ぶ小さなホールへと繋がるようになっている。
不届きものが居ようと、一度は大ホールを通らなければ抜け出せない造りになっていて、だもので警備は主に大ホール近辺にいるものなのだが…


「真是的(なんだってェの、もう)!」

その小ホールのひとつ、酒を提供するカウンターでくだを巻いている女がひとり。
腕章をみれば雇われの警備だと解るが、仕事中とは見えない。スツールのひとつにどっかと腰掛けてカウンターに背をあずけ、ただでさえ吊り上がっている目を更に吊り上げて室内を睨んでいる。

イカサマをしている客がいたので嬉々としてとっつかまえたところ、何やら上客だとかエライ人との関係者だとかそんな類だったらしく、逆にお叱りを受ける始末。
もちろん黙って怒られていたわけではない。散々に言い返したら『給料はやるからもう帰ってもいい』と面倒扱い。

もちろん(ここに居るより外にいた方が喧嘩相手を見付けられそうなので)帰るのだが、あのふにゃふにゃした支配人代理とかいうのに一矢報いたい。

「气死我了(むかつく)ー…」

憤懣やるかたない女の背後のテーブルで、一杯だけ頼んだロックの老酒は氷が溶けてしまってもうごく薄い琥珀色だ。

ホアジャオ > 女の眼の前で、視線に気づくと急にこそこそとしはじめる輩がちらほら。
スツールに座って腕組みして、ねめつけているだけで防犯効果になっているらしい。

なんだかそれも業腹で、女は荒い鼻息ひとつつくと
スツールをぐるっと回してカウンターに向き直る。
きゅーっと飲み干すグラスの中見は、攪拌していなかったがために最後の一口がかなり強い。

「―――… 最恶劣(さいあく)」

たん、とグラスを置く女がぼそっとこぼす言葉に、遠巻きにしている中年ウェイターがひきつった笑顔を浮かべる。

彼はそのあと、どすどすと足音荒く帰る背後の、足跡が残っているのではないかと目を凝らしていたとか…

ご案内:「港湾都市ダイラス “ハイブラゼール” カジノ」からホアジャオさんが去りました。