2022/12/05 のログ
ご案内:「港湾都市ダイラス “ハイブラゼール” 屋上」にエレン・ローズマリーさんが現れました。
■エレン・ローズマリー > 夜空は曇り空 ダンピールとしては少し不機嫌になるかのように眉を寄せてしまうかもしれない
しかし、雲の厚みが疎らなのか、向こう側に月があることを示すように雲にはいくつかの亀裂が見える
覆う雲を月明りが亀裂を作り、白くぼんやりと目立つあの位置に月がある。
面白い月雲を見たせいか、エレンは屋上で一人機嫌良く上等な小瓶の中身に口をつける。
今夜は珍しく一人の夜 寝床も酒場も、クラブもストリップバーにも顔を出さない。
こんなに寒い夜なのに ラベルに“親指姫”と印字された蒸留酒に蜂蜜を落とした小瓶の酒を呷りながら
一人その人間でも死人でもいられない体を体の内側だけ火照らせる。
熱い度数が 喉 胃 へと通り過ぎていく度、この体に体温という疑似的なものを感じさせてくれるだろうか。
「悪くない夜だけれど、少し物足りないかもね。」
白い吐息も吐かない小柄な体
背から伸びる両端に太い爪を備えた翼が冷たい風を遮るようにしながら、屋上ので一人
こんな夜は一人でいるのだから、熱が恋しい 血でも臓物でも体温でもいいのに、と
熱に焦がれてしまう子供のような体は、バサリと翼を広げ直しながら小瓶の中身
それがあっという間に飲み干してしまい、伸ばした苺色の舌
先端が尖った子供よりも艶めかしい部位へと、最後の一滴が落ちたなら
小瓶を手の中で弄びながらハイブラの一部の屋上から、夜の明かりを眺めるだろうか。
ご案内:「港湾都市ダイラス “ハイブラゼール” 屋上」からエレン・ローズマリーさんが去りました。