2022/11/28 のログ
ご案内:「港湾都市ダイラス “ハイブラゼール”」にアストラさんが現れました。
アストラ > 不夜城ハイブラゼールはとても広い。
煌びやかな照明やら音楽が流れてくるカジノエリアやら、劇場やらおしゃれな酒場などを行き交う人々は多い。
帽子こそ今は外しているが、アストラは今貸衣装店の前で腕を組んでいる。
貸衣装屋の衣装を着て宣伝役を担ってくれという依頼を請けたのはいいものの、その衣装がやけに際どいシースルーのドレスやら、露出部分の多い逆バニー衣装、際どい食い込みのものやら。
どれを着ても痴女とされてしまいそうなものばかり。
しかも宣伝として練り歩くように言われたのは娼館やいかがわしい劇場、風呂屋などが並ぶエリアだとか。

「報酬がいいからといって請けるべきじゃなかったわねぇ……」

こういうのは奴隷にやらせるべきではないかしら、と腕を組んだまま、いくつも候補のあるスケベ衣装を前に困った様子でいた。
せめて同伴者がいれば気分も乗るかもしれないけれど、と店内に他に似たような依頼を請けてる人か、パートナーとして付き添ってくれそうな人はいないかと視線を彷徨わせ。

ご案内:「港湾都市ダイラス “ハイブラゼール”」にクライスさんが現れました。
クライス > 「~♪」

 通りを下手くそな鼻歌を歌いながら歩く1人の男。相当に上機嫌だとうかがえる。
 珍しく賭けに勝利。懐は今とても潤っていた。そのまま娼館でパッと遊ぶかなどと思っていると、目に入るのはお店の前で悩んでいる女性。そのスタイル等であんなのを着たら随分と似合うだろうと。同時にスケベ心が沸きあがる。

「やぁやぁお嬢さん。このお店に興味がある感じかな?」

 横について帽子を外すと軽く笑みを浮かべて挨拶。
 そして帽子をかぶり直す。

「随分と珍しい趣味があるようだな。こういうのを率先してきたがるのは珍しいと思ったが」

アストラ > 声をかけられて振り向けば、見た目──はさておき、どこか場慣れしていそうな男性。
色々なスケベ衣装やら際どいコスチュームやらが飾られているの店内はいかがわしいピンク色系統。
いかにも"そういうお店"だと言わんばかりのもので、アストラは頬に手を当てながら苦笑した。

「興味、というか…依頼を請けたの。どれでもいいからこれを着て、館内を歩いて宣伝をしてくれってね」

結構な報酬、しかも前金まですでに受け取っているため断れないことを伝えてから、
ちらりと衣装を見て、白い頬をほんのりと火照らせ、唇を尖らせる。

「別に趣味…というわけじゃないけれど…まったく興味がないというのも嘘になるかしら。
 けれど一人で歩くのは少し気恥ずかしいのと、変な人に絡まれそうだから…。
 お兄さんは今はお暇かしら。良ければ付き合って欲しいのだけれど」

相手にスケベ心があるかどうかはアストラにとっては些末なことである。
お願いと称して軽く見上げて尋ねてみる。

クライス >  「そりゃなんとも良いいら……大変な依頼を受けたなお嬢さんも」

 思わず良い依頼なんて言いかけて急いで言い直す。既に半分以上声に出してしまっていたが。
 お願いされれば薄くほほ笑み。

「俺で良ければ喜んで」

 と店内に目線を向けて、顎に手をやる。
 少し悩むようなそぶりを見せて。

「ところで、どれが着たいかとかは決まっているのか? もしまだなら折角だ。俺に選ばせてくれないか。一緒に歩くのに付き合う依頼料ということで」

 それくらいならば別に構わないだろう? とうかがうようにそちらに目線を向ける。
 どれを着てほしいかはなんとなく既に決めてある。とはいえ、彼女が既に着る衣装を決めているのならそれらは無駄になるが。

アストラ > 「そうよ。大変なの。良い依頼ではないのよ」

ほぼ言っていた彼の言葉に冗談めかすように笑いながら、快く受け入れてくれた彼に笑顔になる。

「ありがとう、助かるわ。
 …どれもこれも一人で着るには勇気がいるから、パートナーになってくれる貴方が選んでくれるのなら任せるわね」

自分で際どいものを選ぶのも恥ずかしいので、付き添ってくれる彼に選んでもらうのは歓迎だと頷く。
すでに決めているということも知らず、店内にはいろいろな衣装があるので、たいていの物は置いてあるだろう。
彼が選んでくれるものを受け取ったら、すぐそこの試着室を借りて着替えてくるつもりである。

クライス > 「あらら、聞かれちゃってたか。失礼、美人のお嬢さんに着せるなんて良い趣味だと思ってしまってね。男の性と思って許してほしい」

 フフと笑うと少し恥ずかしがるように帽子を深くかぶる。
 しかしその後の発言を聞けば口の端を持ち上げるように笑う。

「それはいい、ではそうだな。安心してほしいあまりにもあまりなのはしないさ。いくら君でもこういうのは嫌だろう」

 そういって手に取ったのはほぼ透けているような服。それこそ服というはずなのに下着姿で街をねりあるくような。そんなあまりにもあまりな服。
 それはしないから安心してほしいというが。これは人の心理を操る技法のひとつ。はじめに無理難題をふっかけ、そこから少し落とす事で意見を通しやすくするという手法。万人に通るわけではないが。
 まず無理難題。今回の場合はほぼ下着で練り歩くようになるレベルのシースルーの服を相手に見せた後。

「こんなのはどうかな。結構露出少な目だと思うよ」

 と見せるのは黒のタイトなドレス。とはいえ、膝より少し上、太腿をギリギリ隠せる程度までしか丈はなく、横に大きなスリットが腰の辺りまで入っているし背中は丸出し。袖も肩まで出ているという衣装だ。
 しかもこのスリットと背中の開き具合から本来ならば専用の下着でもなければ衣装のデザインを損なう。つまりは依頼である衣装を見せるにはこういった衣装用の下着を装着していないかぎり下着無しを強要される形になるデザインだ。

「勿論無理はしないけれど……これが1番露出が少ないからねぇ」

 君を思うならこれじゃないかな? なんてあくまで親切っぽく言い切る。

アストラ > 「ふふ、そんな風に言われたら許してしまうじゃない」

なんだかんだと褒められるのはまんざらでもないのである。
そうして見せられたのはあまりにもあまりなもの。ほぼ下着姿になりかねないような際どすぎるもの。
さすがにそれはと困ったように頬を赤らめながら、次に見せられたタイトなドレスを見て、確かにさっきよりは幾分露出が控えめだと頷いた。
彼の心理技法にすっかり嵌っている騙されやすい女である。
デコルテラインに背中や腰まで入ったハイスリットが気になるところではあるけれど、まぁそれはいつも着ている服装とさほど変わりはないので気にしない。

「ありがとう、それじゃあこれにするわね。少し待っていてもらえて?」

親切な物言いに笑顔で受け取り、試着室へと向かう。
そうして着替えだしたのはいいものの、アストラの下着の紐の部分がどうしても見えてしまうようでどうにもバランスが悪い。
黒のドレスには合わないわけでもないけれど、生地から違うので少し迷い、まぁいいかと潔く下着も取り払った。
軽く長い蒼銀の髪を束ねて横に流しつつ、専用のハイヒールに靴も変えて試着室を出よう。

「お待たせ。どうかしら?」

彼の選んだ衣装はアストラの白い素肌によく映えているだろう。
ただ予想外のことがあるとすればアストラの胸と尻が大きくてその分上に引っ張られてしまった布地のせいで、本来の裾の丈よりもさらに短くなっていることぐらいか。
肉付きのよい白い太腿からすらりと伸びた脚を晒している。
深いスリットや背中、露出したデコルテラインから見ても下着の色はなく、よくよく目を凝らせば豊満な乳房の先端の形がうっすら見えたりしたかもしれない。

クライス >  
「ふむふむ、いや素晴らしい。今日はカジノには勝つしお嬢さんのエスコートもできるしと幸運続きだ。先週の負けを全部清算した気分だよ」

 フフフと落ち着いた笑みを見せる。
 下着を着ていないのも確認すれば猶更笑みは深くなるが、一旦それを隠す。
 肌に映えるように黒のドレスにしたのも我ながら妙案だと内心絶賛する。丈が想定以上に短かったのも良い誤算だ。

「それで、後はそれを着て街を歩けばいいのかな?」

 俺はその君を護衛すればいいわけだと表情を隠すように帽子を深くかぶる。

「それじゃあ早速出発しよう。ああ、そうだ。お手をどうぞお嬢様。もしその衣装でこけてしまったら……大変だろう」

 と手を差し出す。
 そこだけ切り抜けば紳士的な様子に見えるかもしれないが。実際は自分の欲望のままに動いているだけであった。

アストラ > 「あら、今日の貴方は幸運の女神がついているのね」

機嫌よく語り笑みを見せる男性に笑いながら艶やかに微笑む。
一通りおかしなところはないかと見て貰った後、訊ねられたことに頷いて向かう場所を答えた。
ハイブラゼール内に詳しいならば、宣伝に向かう場所がいかがわしい劇場や酒場に風呂屋、娼館なども立ち並ぶエリアであることに気付くだろう。

「ひと通り回ったら戻ってきてと言われているけれど、時間制限は何故か設けられていなかったの。
 だから観光がてらどこかに立ち寄ってもいいと言われているのだけれど」

そう告げて、護衛を申し出てくれる彼に微笑んで頷く。
実際一人で出歩くより異性とペアならばナンパに合う確率は格段に落ちるのだ。
まさに護衛を兼ねている彼が、どんな目的があろうとアストラにとってそれは与える対価になる。

「そう言えば、自己紹介していなかったわね。アストラ、冒険者よ」

紳士的にエスコートしてくれる彼の手に礼を言って手を重ねれば、
自己紹介をしてから共に店を出て歩き出し、目的の場所へと向かっていこう。

クライス > 「ああ、そうかもしれない。今もこうして手に……な?」

 とキザったらしい事をサラ理と言ってのける。
 それから少しだけ考える。

「なるほど、もしかしたらこういう展開もある程度想定済みなのかもしれないな。では小一時間ばかり街を歩いた後少し酒場にでも行こうか」

 と提案をする。
 お酒を入れてから宿に誘えばいいだろうという考え。失敗したらそれまでだ。

「おっと、俺はクライス。王都で何でも屋をやってるよ。もし何かあったらいつでもご贔屓に。それじゃ向かおうかお嬢様」

 と言えば歩き始める。仕事をして、その後にでも宿に誘うだろう。

アストラ > 【移動】
ご案内:「港湾都市ダイラス “ハイブラゼール”」からアストラさんが去りました。
ご案内:「港湾都市ダイラス “ハイブラゼール”」からクライスさんが去りました。