2022/09/18 のログ
ご案内:「港湾都市ダイラス “ハイブラゼール” 人気の薄いスラム地区」にイスルスさんが現れました。
イスルス > その日は “のろま雨” が降る日だった。
風が強まり始める雲が遠くに見える。
明日の昼は雨が濃くなるのだろう。

マフィアグループに所属するイスルスは、明日の天候に愚痴る同僚の言葉を幾つも聞いている。
貴族が好んで使うような 傘 と言った類など、を使用して足元が汚れながら集金に出向くことになる。
守り代をもらう以上 安全 を約束し 殲滅 を誓う。
故にボスや、幹部の者らは気に入りの食事場で出向けば店主やコックが歓迎し
とっておきの寝かせている樽酒や北から仕入れた凍らせたワインを振る舞い
それぞれの好みに合う味付けを、指と手で覚えるのだ。


そんな今夜は のろま雨 人が言う言葉では霧雨とも言う
傘も通じず、しっかりと全身に浴びせてくれる厄介な音の無い雨の夜である。
明日に行えばいいものを、気の早い連中が雨で音を消すこともできず
暗い夜の中というだけで行動を開始する。


「…、…。」


雲の合間で、うっすらと月が千切れて顔を覗かせる。
雨と月の夜 イスルスは外でしっとりと全身を濡らし、その月明り色の髪は全て濡れて頬に張り付き、降りている。
どこか無表情 無感動な表情でも、色目かしく映るかもしれない
水気が頬に流れるだけでも、色気というものはできあがるらしい。
しかしその瞳は鮫のまま 真っ暗な瞳とリムフレームのレンズ越しに。

両手には短めの細身の剣が二振り握られたまま
雨になり切っていない半端な夜に、いけないことをしようとした半端な連中を
この半端な狩りで仕留めるように、パシャリと音を立てる一足目と共に
クラシックメイドスタイルのイスルスが、早々と襲い掛かる。

ご案内:「港湾都市ダイラス “ハイブラゼール” 人気の薄いスラム地区」からイスルスさんが去りました。