2022/03/08 のログ
ご案内:「港湾都市ダイラス “ハイブラゼール”」にカーレルさんが現れました。
カーレル > なんでも屋をしていると方々から人探しを頼まれることがあるが、
この街で消えた人間を探すくらいなら王都のドブ川を浚って沈んでいる
縁の削られた金貨銀貨でも探したほうがマシである
他の街でなら幾らでも探しようはあるけれども、この街で消えたというのであれば、
大抵は魚の餌になったか、魚の住処になったか、或いは魚を獲る為に航海する船に乗ったか、
男であればこの何れかである
女の場合は少し事情が異なり、どこぞの店の前で男に声をかけて一夜の夢を売っていたりだとか、
金持ちの情婦になっていたりだとか、まあ、容姿で様々だが大抵は碌な事にはなっていないであろう

今回、とある男を探しているが幸運な事に男の所在は割とすぐに見つかった
しばらく遠洋に出て船の漕手をしているらしいが、無事に帰ってくるかはまた、別の話
とりあえず、仕事はここまで。依頼主には『数ヶ月前まではたしかに無事であった』と報告する事になるだろう
流石に海の上にまでは、自分でも迎えには行けないし、今すぐ無事を確かめに行く事も叶わない

歓楽街にしては少し寂しい通り
この辺りに集まってくるのは大抵、カジノで大損こいたか、遊ぶ金が尽きかけているかの連中であるから、
大通り辺りに比べるとグッと寂しい雰囲気で、街角に立つ女達もどことなく暗い表情である
何というかどこもかしこも夜の華やかさであるとか賑々しさに欠けている

小さな立ち飲み酒場に入り、店で二番目に高い酒を注文する
良い酒ではないが決して質が悪いというわけでもなく、王都の貧民地区辺りで供される酒と比べれば、
随分と上物の酒である、仕事も一段落ついたし、これくらいの贅沢をしてもバチは当たらんだろう、と
提供された酒をぐいっと一気に空けて同じものを注文する…決して酔うことは無いのだけれども…
一仕事を終えた、となれば幾分か、旨く感じるような気がしないでもない

カーレル > 供された二杯目の酒をゆっくりと飲んでいく
最後の一口を飲み干せば、ふ、と短く息をついて、懐より取り出した代金をテーブルに置いて
今夜はどこかに宿をとってゆっくり明日の朝、王都に戻ろうか…
なんてことを考えつつ、一先ずは適当な宿を探すため、酒場を後にするのだった―――

ご案内:「港湾都市ダイラス “ハイブラゼール”」からカーレルさんが去りました。