2021/11/30 のログ
ご案内:「港湾都市ダイラス “ハイブラゼール” 地下闘技場」にイスルスさんが現れました。
イスルス > ハイブラゼール地下施設 地下闘技場

喘濁叫喚のアケローンの見世物場と違い
地下闘技場は喘ぎではなく悲鳴と絶叫を求める
淫靡ではなく凄惨を求めるなら、其処に集う者達は須らく奴隷だとしても
奴隷堕ちになっただけの屈強な闘争者

涙と光景の何倍も流れ映る血と暗部
イスルスは武舞台となる中央にて リング内を闘争不可避にさせた透明な壁
磨き上げられた葉粘と木蜜から作られているという中で立つ

メイドとしての教育をしっかりと受けているように、両脚を真っ直ぐに立たせ、両手は腹部に重ねておかれた姿
対戦相手よりも先にたどり着いた場所で、武舞台の中央より少し離れた位置
向かい合うべき立ち位置で静かに待つ

クラシックメイドスタイル 首輪 ハイライトの無い瞳のメイド
腰に携えたスティレットが獲物かと、周りの観客らはすり鉢型に仕込まれた席で上で見上げ、前で見つめ、だ。
互いに向かい合う時刻になると、目の前に立つ相手の片手剣と小盾姿と共に
イスルスは向かい合って相手を、光の無い瞳で見つめた後に横を向き 長いスカートを薄く持ち上げて
片足の爪先を立てる礼にて 観客席の主に対して一礼を向けた。

無言 無機質 全てが無
向き直ったイスルスが黒い革のグローブを両手に嵌めると、静かに握りしめて調節した五指
革が引き攣り、ギヂィ……っ と静かに鳴かされた。

互いに現役護衛 奴隷堕ちのオーク戦士 互いに飼われ者である
明日を造りたければ今をどうにかしろ、を旨に生きてきた瞳は希望ではなく
必ず殺すという殺し屋のような経験の詰まった瞳を向けてくる

イスルスは、髪以外に体毛の無い今の姿なれど 背中の毛筋がぶわりと起き上がるのを感じた
背筋の神経が、一つ一つ力んでいるかのよう

ゴングが鳴り響く

                カァァーーーンッ!

始まりと共に、イスルスは腰から引き抜いたスティレットを逆手に握り
両脚を開き前髪で隠れがちな瞳をジッと向けた。

ご案内:「港湾都市ダイラス “ハイブラゼール” 地下闘技場」からイスルスさんが去りました。
ご案内:「港湾都市ダイラス “ハイブラゼール”  地下闘技場」にイスルスさんが現れました。
イスルス > 互いに感じるだろう オークの嗅覚 イスルスの嗅覚
其処からくるのは イスルスの身に着ける中に香水がないこと 女の甘い匂い
清涼な洗剤臭 そして血の匂いは拭えても、拭いきれない死臭

イスルスはオークの体臭の中に、金属 冷や汗 そして適当に拭われているのだろう血の匂い
そして死臭を感じる

互いに、獲物の片手剣とスティレットダガー 双方に意識を向けながら
身なりは闘士とメイド 奇異な差の中に、マフィアの主が飼い慣らすメイドならばと
皆はアケローンとは違った目を向ける

オークと互いに、向かい合ってからこれですぐの出来事
始まらない勝負は此処では興を冷めさせるからと、禁じられており
測り合うことすらも許されない

殺せ 動け が来る前に 互いが踏み込んだ
小盾を構え、剣を振ろうという意識の前進行動に対し、イスルス
逆に腰を低く、脚を溜め、バネのように飛ぶと小盾正面に向かって身体を廻し、靴底蹴りを放つ

響く黒鉄の音色 内側の木が割れる音と共に、場内に響き残る鉄の音はない
この透明な壁の中がそれを軽減している為、互いに血潮の匂いが漂う壁の中
足元を崩したオークに対し、肩にまたがり、剣腕の手首をつかみ、捻り壊す
掌が向こう側に行ったというそれは見える者は見えるだろう

 ゴ ギ ン ッ と 鳴るオークの逞しい骨が外れる音 皮と肉だけになったその剣腕に対し
刺突のダガーが切っ先を向けた瞬間、小盾の横合いからの殴りつけ

強く床を踏み叩く音、跳躍する身軽さ
一度後転し、やや重い音と共に 動きは軽く着地してみせると
小盾を振り、腕の損傷を逃れたオーク しかし手と首の腕が外れたそれに対し
額から脂混じる汗を足すそれ スンスンと鼻を動かせば 苦し気の汗の匂い

腕を直す前にもう一度強襲しようとするイスルスの構え
オークは小盾を外し、左腕で剣を構え直す姿に

互いに片手に備わる剣と杭剣 それだけに集中し直す形となった

ご案内:「港湾都市ダイラス “ハイブラゼール”  地下闘技場」からイスルスさんが去りました。