2021/06/22 のログ
ご案内:「◆港湾都市ダイラス “ハイブラゼール”【イベント開催中】 カジノ」にジギィさんが現れました。
ジギィ > 「…―――――――…っ!」
はっ

と言うのが正にぴったりくる様子で、カジノの片隅でやや船を漕いでいた占い師の女が顔を上げる。
慌てて左右を見るが、行き交う人々の中に幸い注目していたものはいなかったようだ…か、単に見過ごされていただけかもしれない。

(あぶないあぶない)

くせ毛から長耳をはみ出させている占い師は、こほん、と独り空咳をして姿勢を正して、意味ありげにタロットカード切り始める。

ご婦人受けのよい占いコーナーが設けられたカジノは、幸か不幸か今宵は本業のほうが大賑わい。広いホールのカジノテーブルはほぼ満席で、老若男女顔を火照らせてゲームに夢中だ。
お陰で占いは閑古鳥が鳴いているからと、アルバイト占い師の身分で勧められた一杯を貰ってしまったのは不味かった。
昼間は普通に薬草採取で野山を掛けていたこともあって、身体はほどよく草臥れていたらしく

(――眠ぅ―――――)

女エルフはヴェールの下で目をかっと見開いてみる。
あんまり効果は無いようで、次には大あくびを零していた。

ジギィ > (これはままならない…)

眉間をぐりぐりと指でもみほぐす。
仕方ない、奥の手だ。
テーブルの下を探って札を取り出し、さらさらと書きつけてテーブルに乗せる。

曰く
『離席中。すぐに戻るのでお待ちください』

ゴメンね♪
と吹き出しで端っこに付け足すと満足げに頷いて、もう一度大あくび。

(いけないいけない)

涙目をヴェールの下で拭うと
何処かにあった、普通のカフェカウンターでコーヒーを貰って来ようと立ち上がる。
そのまま人混みに紛れて…戻って来るまでにまたひと冒険あったらしい…

ご案内:「◆港湾都市ダイラス “ハイブラゼール”【イベント開催中】 カジノ」からジギィさんが去りました。