2021/03/17 のログ
ご案内:「◆港湾都市ダイラス “ハイブラゼール”【イベント開催中】 酒場」にジギィさんが現れました。
ジギィ > この港街は夜が更ける程に賑やかになる。
昼間の陽光に負けないくらいの光で満ちて、音曲も其処ここで溢れて
行き交う人たちは老若男女問わず、ややぎらついた位の光を瞳に宿してそれぞれに漂っている。

そんな港町随一の繁華街から、すこし港側に外れた場所にある地味な酒場。
夜の船便で到着した連中や船員がようやくたどり着く街の端っこにあるそこは、この繁華街への期待と絶望が入り混じった複雑な場所だ。
ある者は着いたばかりで明日の一攫千金に夢膨らませて
あるものは夢破れて明日のわが身を想って
それでもこぞって通じるのは

『騒ごうぜ!』

という調子。或いは景気づけに或いはやけくそに杯を重ねて喧噪で店内を満たしている。

それを後押ししているのがまた酒場の隅に陣取る楽団で――――

「―――はあ、ちょっと、休憩…」

先から途切れず演奏していた楽団の内のひとり、横笛を奏でていたエルフが手を一振りして団員に合図して、するりと一団から抜ける。
そのまま酒場のカウンターの端へ辿り着くと寄り掛かるように突っ伏して

「―――流石に、つかれた…」

うつ伏せたまま肩が上下するほど呼吸が荒い。
面白そうだったので飛び入りで参加してしまったが、慣れない音調に合わせるのは兎に角気力を遣う。
何とか付いていけたのでまあまあ及第点。女エルフは脳裏に考えて、口の端は少しだけ綻ぶ。