2021/02/10 のログ
ご案内:「◆港湾都市ダイラス “ハイブラゼール”【イベント開催中】 酒場」にジギィさんが現れました。
ジギィ > 夜なお賑わうハイブラゼール。
今宵も街は色とりどりの明かりに溢れて、見上げても広がっているはずの星々を見付けるのが難しいくらい。
通りを行き交う人――来る人、行く人、招く人、それぞれ色々な人種も入り混じって熱気を生み出して皆が酔っている様にさえ見える。

その繁華街の少し端。
カジノの並ぶ通りにすぽんとそこだけ抜けたようにちんまりとした酒場がひとつ。
周囲の絢爛豪華な雰囲気に押されて閑古鳥が鳴いているかと言えばそうでもなく、通りがかれば中からはカジノに負けず劣らずの喧噪が溢れて来る。
覗き込めば客のほとんどが出来上がっている。
負けが込んだモノやらカジノの美人ディーラーに振られたものやら、要するにそういう『上がった』連中の一時避難所というか、シャバへ戻る途中の踏み台というか、そういう用途で繁盛しているらしい。

「はーいはい、そーいうのはあっちのお姉さんにやってね。よろこぶから」
お金は取られるけどね、とけらっと笑う声。

5つもテーブルが所狭しと配置されている中を、銅色の肌の女エルフが器用に両手にジョッキを持って擦り抜けていく。
時折尻に伸びる手からはくるりと身を翻すようにして躱して、目的のテーブルにどん!と置くとさっさとまたカウンターへ戻って行く。

たまたま立ち寄った食堂は時が過ぎるにつれあれよあれよと酒場へと様変わりして、店主から「手伝ったら駄賃をやろう」といわれたのにノった結果、今に至る。
途中で取って来た注文のメモをカウンターの向こうに押しやって、空いていたスツールに腰掛けて一時休憩。
店内には他にもお店の女の子が2人、更に娼婦らしき女性もちらほら。
圧倒的に男性が多いように見えるが、獣人とか性別が判別できない輩もいる。

(何人いるんだろ…)

ひとりふたりさんにん
ふと指さし数え始めてみたり。

ジギィ > そうこうしているうちにカウンターに次の出来上がったオーダーが並べられる。

「おっとこいつは…」

皿の多さに一瞬唇が尖って眉根が寄る。
腕に乗せて運ぶウェイターやウェイトレスの姿を見たことはある。
やってみたいとも思う
けれども
割ってしまって難癖付けられるリスクは犯せない。
素直に近くからお盆を引っ張り出して、せめてそこに精一杯奇麗に配膳して
両手にそれぞれ持ってみると…ちょっとぷるぷるしたりしないわけでもないが。

「はいはいはい、ちょっとおにいさん長い脚どけてねー」

ひょいひょいするするとヒトの間を縫っては仕事を続ける。
女が店主から上がっていい、と謝礼と共に声を掛けてもらって暖かい懐とともに外に出る頃には
通りの喧噪は更に増しているんだろう

ご案内:「◆港湾都市ダイラス “ハイブラゼール”【イベント開催中】 酒場」からジギィさんが去りました。