2021/01/29 のログ
ご案内:「◆港湾都市ダイラス “ハイブラゼール”【地下金網闘技場】」にイリーナさんが現れました。
■イリーナ > ハイブラゼールにいくつもあるカジノ。
そのオーナーの趣味によって併設される施設は様々である。
ギャンブル特化、エロ特化、そして――。
金網で締め切られたペンタゴンにあたるスポットライト。
鈍く響く打撃音に、小さく湧く歓声。
口からか鼻からか、舞った鮮血がマットを汚してゴングが鳴った。
人が沈む音と、アナウンス……それを聞き届けての拍手。
「……あーやだやだ。」
その様子を入り口から横目で眺めているのは赤目の女。
観客を呼ぶためか、開けっ放しの扉にもたれかかりながら中の様子をうかがっていた。
「いい趣味してるわよ、ここのオーナーも」
小遣い稼ぎとしての用心棒としてのお仕事である。
顔も名前もしらないオーナーのことを暇つぶしに口にして。
どうやらリングの清掃をかねた休憩時間らしい。
出場者を募集するアナウンスとともにそれを告げられれば、観客の出入りや歓談で少し賑わいはじめて。
「ま、お金貰いながらショーを見られるんだからもうけもの、かな?」
■イリーナ > どうやら闘技場も人手不足らしい。
女には高額賞金を、男にはその場で相手を犯す権利を――。
「たしかに、そのほうが盛り上がるだろうけどさぁ」
あんたは出ないのかい?
と、何人かに声をかけられたりしながらも――紅い眼の冒険者は鼻で笑い返し。
「雇い主とか、お偉いさんから強制されないかぎりでないわよ。
そういう力のあるやつから言われたら闘技場でもストリップでもやってやろうじゃない。
……あぁ、でも。 お金はしっかりもらうけどね?」
なんて、余裕ぶりながら相手をするだろうか。
そんなことがあるわけない、といわんばかりに。
■イリーナ > インターバルも終わり、ステージ上には二人の男。
そのオッズは偏りがあるものの、それでこそギャンブルか。
「ほらほら、早く戻らないと間に合わないわよ?」
自分にちょっかいをかけていた観客を促しながら一つ、息をはく。
試合開始のゴングから少し遅れて、いかにもいい身分の遣いの者という人間が横を通ったが――。
「あっと……ざんねんね、もう試合はじまってるわよ」
自分のような相手にも礼儀正しい会釈をするその人物を見送り。
「……さーて、のんびりさせてもらいますか」
………と、そんな高みの見物を決め込んでいたのだが。
「――――はぁ?」
熱戦が終わり、再びのインターバル。
ゾロゾロと部下を従えて現れるのはこの施設の支配人。
でっぷりと威厳と脂肪を蓄えた雇い主である。
いわく、お前もステージに上がれとのことであった。
「いやいやいや、そんなの雇われる条件に――」
それなら今日の金はなしだ。
と、言い切られれば口が閉じる。
信用勝負のこの世界、横のつながりで悪評でも流されたら商売あがったりである。
「相手は――……男、女? それとも、魔物? ……武器は?」
観念したとばかりに銀の髪をかきながら詳細を詰めていく。
どうやら、先ほどの勝負に間に合わなかった大口があるらしい。
対戦カードも、趣向もその人物の「趣味」に応えるとのことらしく詳しいことは分からずじまいであった。
「ったく、もぅ……これだからお金持ちっていうのは」
やれやれだ、とため息を吐きながら女は予定外の舞台にあがるために薄暗い地下へと消えていくことだろう。
ご案内:「◆港湾都市ダイラス “ハイブラゼール”【地下金網闘技場】」にエレン・ローズマリーさんが現れました。
■エレン・ローズマリー > 金網闘技場に、足を運んだのは幼い令嬢風の出で立ち
白と黒で纏めたゴシック意匠に身を包んだ処女は、愛用する剣を背中に所持する
その背中には、まるで竜翼のように端の上下に双角を伸ばす逞しい翼を備えていた
供回りを連れてエレンは、名刺を一枚取り出した
この闘技場を取り仕切るオーナーの直筆名刺
その特別なそれと、同じくハイブラの内部にて、幾つかの店を持つオーナーとして
エレン・ローズマリー その名前が刻まれた名刺カードを添えてこの闘技場のスタッフから繋げさせた。
―――数分後
頭にポマードをぺったりと付けた威厳と脂を同量身にまとわせたような男
この闘技場のオーナーと顔を合わせるだろう
周りも、本来ならば食いつぶし合うことが必然の場所へと赴いたオーナー同士のやりとりに
次の舞台よりも視線が食い込んでいく
それを気にすることもなく、エレンはそのモーツァルトブルーに飾る白百合のヘアリボンを弄るようにして笑みを浮かべた
両手の指先はゴシックドレスのスカートを両端でつまみ、片足の爪先を床へコツンと、一つ
「お招き感謝致しますわ オーナー」
そう言って、先ほどの大口の賭けに間に合わなかったことを詫びられながら、今回の試合、観るも参加するも
是非にと誘われる。
「互いに別の場所でのやりとりでこうなるなんて、面白い限りですわ。 ええ、是非に。」
そう言って、妖艶な笑みを浮かべて見せたエレン
でっぷりと肥えるオーナーは、その背中の剣を見て、ニヤリと笑みを。
エレンは―――
同じく地下の舞台入り口へと、足を運ぶことになったのだ。
■イリーナ > 金網に囲まれたペンタゴン。
先ほどまでの熱戦で生まれた鮮血が落としきれずに残る白いマットである。
いくつもの照明に浴びせられた舞台の上。
用意された刃が落とされたスティレットを手に女が立っている。
さすがに、魔導銃は観客へ被害を及ぼさないようにと使わせては貰えず。
アナウンスが赤い目と、同色のコートを羽織った女を紹介する。
そこそこ名前の売れた冒険者、皆様も本日入口で彼女とあったことでしょう。
そんな彼女がどれだけの力を持っているのか、はたまた――……殿方様のお望み通り、あられもない姿をさらすのか――。
「うっさい」
結局、ステージに上がるまで相手がだれかは知らされず。
観客に媚を売る気にもなれず、渡された獲物の使用感を確かめるように軽く、振っていようか。
■エレン・ローズマリー > 武舞台まで、供回りはオーナー側の人間が、今回の舞台に対する説明を行う
相手は刃引きを使用し、如何な結果でも問わない
勝利からの結果も、同様に好きなようにしていい
今回の兼で互いに顔合わせができたこと
今後の関係も含め蜜になることを願うなど。
随分とあからさまな接待にクスクスと小さく、気品を含ませた笑みを浮かべて手元で口を隠す
今頃舞台を眺める胴元の席で、あの男は繋がりを造ることができたと笑みを浮かべているのだろう
差し出す代償も、オッズの差をあからさまにすれば損もさほどないことになる
「私、出来レースで遊ぶなんて初めてよ。」
そう言って、最後に銃だけは預からせてほしいと言われる
エレンの好みと、財力でオーダーした肉付けされた3連式の銃
それを言われると一瞬ためらうものの、脇から抜き取り、預けることになるだろうか。
『皆さま! 大変お待たせいたしました!
今回 特別舞台を一つ設けさせていただきます!
当店で雇われし冒険者 イリーナ スタッフとして雇われた彼女を対戦相手とし―――
ハイブラゼール内で当店オーナーと今回繋がりを持つにいたりました
夜店をいくつも構えるオーナー エレン・ローズマリー氏との武器による闘技となります!』
まさか、別の店のオーナーが参加という形で遊びにくる結果
観客は、ざわめきと、半人外という小柄 なれど怪物のエレンを眺め、歓声を上げた。
エレンは、イリーナにではなく、観客に対し剣をマットに突き刺すと、スカートの両端を持ち一礼を。
実に自身のペースで済ませたのなら、互いに向き合うことになるだろう
刃引きのスティレットというそれに対し、エレンが携えれば大剣に匹敵する 魔剣を向き合わせることで。
「宜しくね、イリーナ?」
そう言って、パチンッとウィンクを向けた。
勝っても大した得にもならないこのオッズ
この場は蹂躙の舞台へと仕上げられた。
■イリーナ > そんな「上」の思惑など知らぬ哀れな雇われ冒険者。
さすがに殺し殺されがないように、と武器のことについては納得はしていたのだが――。
「なんでこうなったかなぁ」
舞台の反対側。
金網から現れたのは自分よりも小柄な少女であった。
「……はぁ?」
困惑気味に眉が寄る。
しかし、相手が軽々と持つ剣と、その先がマットに突き刺さるのを見せられれば――。
「おいおい」
シャレになっていない、とそして降り注ぐアナウンス。
「――――………はぁああ!?」
なんとお相手は他店のオーナーときた。
素っ頓狂な声があがるも、それを引き寄せたのはお上品な礼と、声。
「……っ、どうぞお手柔らかに」
唇を小さく噛みながら、ひきつった笑みを向け――。
武器の差もある。
だが、それだけではない――ただの人間と魔族という圧倒的な種族差に女は完敗し。
……舞台は、次の演目へと移っていく。
つまり、勝者が敗者をどのようにこのステージで嬲るのか。
■エレン・ローズマリー > 舞台の上にいたのは、赤で身をまとめ、銀髪のミディアムという、少しエレンよりも背の高い女性
身体の造りを見る限り凡そ育っているような冒険者
この店でスタッフや、用心棒として雇われる程度の格はあるようだ
瞳を細め、観察し終わると互いに合図とともに始まっただろう剣撃の相武
過程は省かれてしまう程度の流れでしかない
結果だけ見れば、体を痺れさせ、半魔に力で蹂躙された哀れな冒険者が転がっている
エレンは、その相手を見下ろしつつ、周りから起こる歓声
エレンという少女成れど怪物という相手が、どれほど品良くしようと、どうイリーナをむさぼるのか
怒声や急く声ではない
早く見せてくださいよ、とわずかばかりの目上言葉を交えて飛んでくるのだ。
エレンも、武器を軽々と肩に担いで廻りに手を振るって応えては、さぁ 本命の時間が始まる。
ご案内:「◆港湾都市ダイラス “ハイブラゼール”【地下金網闘技場】」からエレン・ローズマリーさんが去りました。
ご案内:「◆港湾都市ダイラス “ハイブラゼール”【地下金網闘技場】」からイリーナさんが去りました。