2020/12/30 のログ
ご案内:「◆港湾都市ダイラス “ハイブラゼール”【イベント開催中】」にイリーナさんが現れました。
イリーナ > 年の瀬も迫る寒い時期、それでも変わらぬは……いや、だからこそか。
いいこともいやなことも忘れようとばかりにハイブラゼールの街は今夜も眠らない。

どぎついネオンに歓声、艶声、酒と金と女。 
思惑と欲望が入り混じる声は鎮まることなく響き続けている。

「年越しのお金は持たないようにしてるの」

赤い眼と同じように真っ赤なコートを羽織った女がそういいながらディーラーの前にこしかけた。

「大丈夫よ。 すくなくとも飢えない程度の貯蓄はあるから」

港町で働く荒くれもの、同じような冒険者、身なりのいい男もいる。
それぞれ立場は違えども、テーブルの上では関係なし。

席順から生じる参加料のチップを前に出しながら2枚のカードをディーラーから流されようか。

「さて、一年の締めくくりは……っと」

イリーナ > 【この日のツキ具合】 [1d100→93=93]
イリーナ > 「………」

まずい。

「……コール、レイズ」

手の中はエースとキング。
テーブルに並べられた5枚のうち1枚がエース。
オールインと意気込む相手にショウダウンと同時に手の内を晒そうか。

紅い眼が見据える先の相手はそれを見て色を失う。

「どーんな手だったのかな?」

中央のトランプがめくられ、女の手は最終的にAとKのツーペア。
最後まで競り合った相手はKとJ。 なるほど…と女が小さく笑い吊り上げたチップを受け取った。

チップを吊り上げ、ショウダウンであっさり勝つ。

チップを失くした者たちが入れ替わり立ち代わり。
その代わりに、女のサイドテーブルにはチップが積み上がっていく。

「……悪いわねー、どうも今日はツイてるみたいで。」

勝ちながらも、女の表情が曇る。

勝ち過ぎだ――。

ちら、と視界の端に目立たぬように黒い服の男たちが囁きあい、こちらの様子をうかがっていた。

「偉い人を呼ばれるのは勘弁よ。イカサマなんてしてないんだし」

ディーラーに釘を刺すように言いながら、再びチップを前にだそうか。

イリーナ > 「そろそろ換金してもらえるかしら?」

結局サイドテーブルにはチップの山。
年の瀬に今年一番の勝ち額となってしまった。

「……明日もお願いしようかしら?」

カジノに併設された宿で一晩を過ごし、翌日また訪れることになろうか……。

「勝ちすぎるのもなぁ……」

賑わいを背に受けながら女の姿は喧騒に消えていった。

ご案内:「◆港湾都市ダイラス “ハイブラゼール”【イベント開催中】」からイリーナさんが去りました。
ご案内:「◆港湾都市ダイラス “ハイブラゼール”【イベント開催中】」にしずくさんが現れました。
しずく > (欲望と金がうずまき続ける眠らぬ街、ハイブラゼール。
多くのカジノ、酒場、娼館が経営されており、日々自分の欲望を解消するべく歩き回る。)

「〜♪」

(そんな輝かしい街の中、闇に溶け込むほどの黒いドレスに身を染める少女が上機嫌に歩いていた。
休日であり、たまには行ったことのない所に寄ろうと散歩気分で歩いていたのだった。)

ご案内:「◆港湾都市ダイラス “ハイブラゼール”【イベント開催中】」からしずくさんが去りました。