2020/11/16 のログ
ご案内:「◆港湾都市ダイラス “ハイブラゼール”【イベント開催中】」にロブームさんが現れました。
ロブーム > あまり人気のない裏通りに、太った男が店主を務める露店がある。
茣蓙を引いた上にあるのは、どれこれも、怪しい品物ばかり。
女を一発で昂ぶらせる媚薬、強制的に女の子宮を支配する淫紋の描き方を書いた魔導書、先天性の不能でさえ立ち所に治す精力剤。
そして、不治の病を治す薬や、限定的なれど若返りの力を持つ薬など。
どれもこれも、魅力的で――そして何より、違法の品であった。

「(私の宝物庫から幾つか出したものだが――客はともかく、摘発しに来る者には興味がある)」

既に、多くの客が来ているので、此処の店の噂は広まっているはず。
男にとっては、その噂を聞きつけて、それを咎めに来る誰かの方に興味がある。
それが美しき心を持つものであれば――増してそれが女であれば、言うことはない。

ロブーム > とはいえ、勿論客の方が、美しい心を持っている場合もあるだろう。
友人や家族の病気を治したい、とか、自分の夢のために薬が欲しいとかそういう類だ。
無論、それはそれで構わない。大事なのはあくまで行動ではなくて、心。
心が美しいのであれば、それはロブームの堕とす対象だ。

「(とはいえ……そうそう、やってくる事もないか)」

あくまで、今まで来たのはそういった切実なものではなく、ただの欲望故の購入者であった。
無論、欲望と夢にさしたる違いはないが、それでも美しさというのはその少しの違いにあると男は考える。

「(そういったものを心に宿すものは、いるだろうか)」