2020/11/03 のログ
■ロッティ > 「人竜……。自分はロッティ。立派な商人、だったのだな。」
ゴクリ、と注文された紅茶の片方を受け取り、一口飲み込んで。
先に自己紹介をされ、ぽふ、と驚いた顔で見つめていて。
「伝手が、二つ――。
妹参加、もう一つの……。
魔法を好む、人竜の――。」
ぽかん、と驚いた顔。驚かされる話ばかりで、目が、離せない。続きを、と表情で促すように。
■リス > 「過去形にしないでくださいまし?
父も母も、娘が砂糖吐き出すぐらいに甘ったるい空気だしていちゃいちゃしながら会長職してますわ、ダイラス―――ここに有る本店で。」
言い方が悪かったのかもしれない、父も母も生きてるし、今も精力的にお仕事してる、30代半ばのまだ、働き盛りで母は未だ千と少しくらいの、自称ぴちぴちギャルである。
ともあれ、二人とも元気にしてるので、死んではいないという事だけ、強調して置く。別に怒ってるわけでもないし、話題に持ち上げるほどでもない。
ただ、死んだという勘違いだけして欲しくないというだけ。
「此処からは、商売の話にもなってきますわね。
妹であれば、紹介するのは吝かではありません。
で、ロッティ様?故ありの偽名だとは思いますし、その姿ですから、察してそれ以上は問いません。
ただ、―――わたくし、余り嘘は好みませんの。そこは、気を付けてくださいましね。
と、話が逸れました。―――対価は、如何されましょう?
彼方とは、今日知り合っただけの間柄。
私は商人ですわ、行為には、対価が必要となります。
鬼ではありませんし、治せる、治す方法があった、と言う際にお支払いを願いましょう。
とは言え、ね?」
少女は、彼を見る。静かに見やる視線は、幾ら出せるのか、何を、差し出すのか。それを図るような視線。
■ロッティ > 「――失礼。言い方を間違えたな。ん、んんっ。
商売の話、か。自分が、何を差し出せるか、か――。」
訂正されて、両親が生きている、と理解させられて軽く手を振って。
そのまま、言われた対価について考え始める。
お金――却下。まず自分が払いきれる金額では無さそう。
命――これも却下。命で賄うとか下策中の下策だろう。
身体――無しではない、だろう。ただ、対価になりうるかは、別問題だが。
「お金、身体、恩――ううん。」
指折り数えて、どう差し出したものか、と深く考え込んでしまっている様子。
■リス > 「ああ、焦らず、ゆっくり考えてくださいましね。
実際に貴女の呪いを解除するのであれば、妹ですから。妹に対する報酬ですわね。
そうですわね、妹の好みとしては―――魔導書ですわね、彼女が持っていない魔導書などを対価にすれば。
後、私もそうですが、妹も。
同性愛者なので―――彼方の体は残念ながら、対価とはなりませんわ。
女の子を紹介してあげる、と言うのでいいのではないかと。
その女の子をちゃんと口説けるかどうかは、妹次第ですし。」
落とし所としてはその位ではないだろうか、お金に関しては正直、ダイラス本店、マグメール、バフート、ヤルダバオートと、主要な所に分店を置く程度には富豪である。
つまり、対価としては欲することがあってもないなら内で別の対価でも良いと言える程度の感覚。
彼にできる事、躰を差し出す、性的な奉仕に関しては―――本来の姿が重なって見えるので、どうしても性対象に見えない。
なら、女の子の知り合いとか何とかを紹介してもらう、が彼にできる事で対価となりうることだと思う。
その女の子をちゃんと口説いて、行為に至れるかどうか、それは妹次第だ。
無責任と思うだろうが、人身売買がしたいわけでもないし、無理やりは好きではない、妹はどうかは知らないが。
だから、提案としてはこんな所だろうか。
彼に、別の提案があるならば、聞く準備はある。
■ロッティ > 「妹さんに対する報酬、か。
――魔導書、なぁ。
同性愛者、か。身体は対価とはならない、か。
女の子を……まぁ、じっくり考えないとな。」
かと言って、今までの冒険で得れた魔導書は、そこまで多くなく。
そこらにありそうな魔導書ばかりでどうにもなりそうになく。
性奉仕は否定されたので選択肢から除外して――知り合いの女の子、と言われてもどうしたものか、と。
今の所思い浮かばない頭を、必死に回して、何とか対価となりそうなものを、考え込んでいて。
■リス > 「別に、今決めなくても、良いのですわ。
彼方にとって大事な事は、方法が、可能性が発生したという事でしょう?
報酬を用意できるようになった時に、連絡を頂ければ……ね?
連絡先は、私の所に届けてくだされば、妹には届きますから。
トゥルネソル商会・首都マグメール店に、リス宛てに頂ければ。」
彼にとって、一朝一夕では用意することは難しいだろう、そして、値段にして言わないのは、逆に彼の為にもなろう。
魔法の技術などは基本的に割高になるというよりも、冒険者であれば、魔法の治療の値段の相場判るだろう。
悩んでいる彼を前に、少女は紅茶を飲み干して、立ち上がる。
「それでは、ロッティ様、私は、そろそろ戻りませんと。
流石に両親に、遊び過ぎて怒られてしまいそうですし。」
宜しいでしょうか?
未だ、聞きたい事とかあるなら、それぐらいはお付き合いしますわ、と、言いながら。
■ロッティ > 「ん、あぁ、わかった。引き留めてすまなかったな。
トゥルネソル商会・首都マグメール店に、リス宛てに、だな。用意できる目途が経ったら、連絡するさ。」
用意は今はできる気がせずに、こくり、と頷いて。
希望を与えられて、相場を何とか用意する、という目標が出来たのを理解する。
「今の所は聞きたい事はもうないからな。今日は有意義な話ができて良かった。」
紅茶と有意義な話をありがとう、と頭を下げてしっかり礼をする。
人として、大事な事だと思っているが故に。
■リス > 「いいえ、私の方がお誘いしたようなものですから。」
そもそも、最初に声を掛けたのは此方だし、彼の状況を知り、此方に招いたのはリスの方である。
彼のいう事は、的外れな謝罪ですわ、とコロコロ笑って見せて。
商売と言うのは、こういう物でもある、欲しいに必要を提供する、そして、その対価を貰う。
いい商売だった、と思えて少女は小さく笑って見せた。
「ああ、一応―――店長ですから店長宛てでも、良いですわ?」
軽くウインクを飛ばして見せて、支払いは此方で持っておこう。
今回に関しては此方が持つのが筋という物であるから。
個室の入り口で、思い出したように彼の方を見やろう。
「自分で隠しているのも、窮屈なものですから、人に隠されるのは、さぞや窮屈かと、思っただけですわ。
元に戻れることを、祈っております。」
では。
少女は、軽くお辞儀をしてから、個室を出て、支払いを済ませて、店を出ていくのだった―――
ご案内:「◆港湾都市ダイラス “ハイブラゼール”クリュソス」からリスさんが去りました。
■ロッティ > 「――商売人、か。色々、あるんだな。」
苦笑と共に、その姿を見送って。支払いまで持たれてしまっては、しっかり対価を用意してからじゃないとな、と考えて。
「早めに戻れるなら、戻りたいものだな。祈られるのも、悪くはないか――。」
ありがたいな、等と思いつつ、自分も席を立ち、個室を、そして店を出るのであった――――
ご案内:「◆港湾都市ダイラス “ハイブラゼール”クリュソス」からロッティさんが去りました。