2020/11/02 のログ
ご案内:「◆港湾都市ダイラス “ハイブラゼール”クリュソス」にリスさんが現れました。
■リス > ハイブラゼールにある大カジノ、クリュソス。ダイラスの中でも有数のカジノだ、実家で暮らしていた時でも、良く此処の事は耳にしていた。
オークションが開催されてからは、少し足を運んだことがある。オークション事態での買い物はほとんどしないが、会場周辺に広げられる露店の方が気になるから。
今回も、実家に今現状の報告を行い、暇になったのでちょっと遊んでみようかしら、とハイブラゼールに来てみた。此処の雰囲気は、幼いころとちっとも変っていないので、逆になぜか安心できる。出来てしまうのは屹度慣れ親しんでいる場所だからなのかも、と、人々の間を潜り抜けながら考える。
カジノの中の酒場には、旧友もいる。お風呂屋さんとか、娼館には、屹度抱いた女の事かもいるだろう、でも今は―――行かないというか、どうしようかと、決めあぐねている。
クリュソスの売店や、その辺の露店がとても気になる。商売人としてもそうだし、一人の女の子としても、だ。
今回は、お仕事ではなくて、遊びに来ているのだから、その辺を気楽に行きましょう、と思ったはいいが、思った以上に様々な店があるから、何処から手を付けようかしらと考え。
ふらりふらふら、と露店を軽く眺めながら、興味の湧くようなものを見回す。
「――――お土産でも、買っていった方が良いのかしら。」
個人的には、ダイラスも、マグメールも然程離れている感はしないが、それは、海は母の領域で安全に船が出る事。
空もまた、自分たちの領域であり、気軽に飛んでこれる事、品物の無い移動であれば、別に遠いという距離でもない、気軽に日帰りで遊びに行ける程度の認識だった。
ただ、純粋な人間のメイド長であり、義理の妹、とか弟たち。あとは、家から出たがらない系の家族。
彼女たちに対して何かしら買っていった方が、良いのかと思う。
本当に欲しい物があれば、屹度姉であろうが、買ってきてという妹たちだし、妹は良いだろう。
控えめな娘とか、メイド長である、義理の妹とか、嫁、とか。
そっちの娘たちに対して、何か買おうかしら、と、少女は、露店を眺めて、考えた。
■リス > 「うーん……。」
露店には、様々なものがあるから、どれもこれも目移りする。トゥルネソル商会で扱っているものは兎も角、シェンヤンの物が多く目につくのは仕方のない事。
ドレスとか、アクセサリーとか……。を考えてみる。長女は、多分それなりだと思う、次女は喜ばない。三女は……困りそう。義妹は、多分無駄遣いとか言いそうだが、喜んでくれると思う。
次に、シェンヤンの本……。長女は、不明。次女は、喜ばない、三女はこれ一択だろう。義妹の方は、物によって、という所。お料理のレシピ本とかは良いかもしれない。
香水とか化粧品……。 長女、多分喜んでくれると思う、次女、喜ばない、三女困る、義妹、困る。
「――――。うん」
ああ、次女の女らしさの薄さよ。あの子は判るが、武器を贈った方が喜んで振り回すだろう。誰に似たのだろう、それを口にしない方が良い気がした、と言うか、そもそも今は一人だし。
とりあえず、シェンヤン的なお土産。洋服と本、お土産として買って置くことにする、化粧品とかも一緒に。
藤の籠に買ったものを丁寧に入れてから、もう少し、くるりと、見回ってみる異にしよう。
自分の物も、買いたいと言うのはある。
いい物は手にしてみて、どんな物なのかを知りたい、そして、それが売れるものであれば、それを商売にするのもありだ。
「………あと。」
久しぶりに、ダイラスの娼館とか、いっちゃおうかなー……と、そんな不埒な考え。
最近人肌寂しいし、と、そんな自己弁護。
ご案内:「◆港湾都市ダイラス “ハイブラゼール”クリュソス」にロッティさんが現れました。
■ロッティ > 「――オークション、ねぇ……。」
ふらりふらり、と雰囲気だけを感じにカジノまで歩いてきた、少女の姿。
"この姿"になってからは初めてのカジノに、しかしその大きさに目を見張って。
何とは無しに立ち寄ってみたものの、これは正解だったか……?などと、物珍しさにぶらぶら、露天をほっつき歩き始める。勿論、高額品には手が出る訳もないので、冷やかし程度のものだが。
カジノはカジノで、身が破滅しそうな嫌な予感がして、手を出すのをやめておいた。――背筋に冷たいものが、走った気がしたのだ。
■リス > 「後、何か―――買おうかしら、それとも。」
露店も様々にあるから、一つ一つを見ていくと、値段も様々にある。そして、よくよく見れば、同じ品物を取り扱う露店もある。
同じ品物で、違う値段と言うのは、こういう露店ならではだと思う、店舗型であれば、商人ギルドがある程度値段を平均的にそろえる。
後、考えられるのは贋作―――。こういう所での、お祭りの様な所では、贋作も又ある物なのだ。
その辺を見極められなければ、こういう所では損をする。
それに―――ここは、ダイラス。さらに言えば、ハイブラゼール。快楽と賭け事の街、こういう場所にもその風が吹いていると言える。
「―――これ。」
少女の水色の竜眼は、目を細める。気になった品物、シェンヤンで作られたという布に見えるが、それは嘘だ。
真贋を見極める、財宝を見抜く竜の眼は、それが偽物だという事を見抜く、だからこそこういう所で失敗しない少女で。
ふぅん?と目を細めて、贋作の布を眺めてから、価値も大したことの無い物だと見抜いてしまえば、視線をそらし。
次の店に行きましょ、と大声で売りものを売ろうとしている商人から、離れることにする。
騙されたのか、だまそうとしているのかはわからない、ただ、そういう商人と付き合う必要がない、そう考える少女だから。
懐具合は、まだあるし、もう一冊二冊、本でも、買って帰ろうかしら、と思って。
「―――?」
一軒の本を売る露店に視線を動かす。そこにただならぬものを、見つけた。
魔力の籠っている、本。他の人は、誰も気にしてないのは、屹度『視得て』いないから。
それは、本当の意味での、魔導書というもので、少女は、慌ててその本に近づこうと、歩みを、少し早くした。
■ロッティ > 「――流石に、買えそうなものは売ってないか……。」
適当な露天で、足を止めて。ただの冒険者には、露天の品の真贋など理解できる訳もなく。
店主の語る説明を、話半分に聞き流している。当たり前に値段からして身の丈に合っていないものだとは理解はしているが、小難しい話はやはり苦手なのか、ぽりぽり、と頬を掻いたりして聞いているそぶりだけはしているだろう。
「貧乏人が来るには損ばかりだったかねぇ……?」
足は止めたままで、適当な露天の前で商品を眺めていて。
周りの事を気にするなんてできる訳もなく、商品を買う訳でも無く。見物客の一人として、そこにいた。
■リス > 「すみません、この本を、頂きたく。」
先に、誰かがいる様では有ったが、その人物は―――冒険者だろうか、本を買うような素振りはなさそうだ。
それならば、少女はその女性の脇に立って、売り手のおじさんに、簡素な表紙の本を指さして見せる。
売値としても、そんなには高くない―――少女の認識的には、と言うよりも、少女の眼から見れば、置いてある売値の10倍はしてもいい品物だ。
知らず知らずに手に入れたものなのだろう、価値も判っていないのだろう。少女とて、知らなければそういう売り方をしてしまう。
おじさん自身、商人ではなさそうと言うイメージもある。
買い手が付いたことに悦ぶ、屋台のおじさんにお礼を言って、ゴルドを支払って、その本を手にして、藤篭の中にしまい込んだ。
「お騒がせしました。」
隣で、ぼやいている冒険者風の女性に、ペコリ、とお辞儀を一つ。
買う様子はなかったようにも見えたが、もし、買う積りだったのならば、騒がせたという事にもなる。
そもそも、おじさんは、彼女に向かって説明をしていたようにも見えたので。
「一応、お尋ねしますが―――今の白い本を買おうと、してませんでした……か?」
こういう物は、先に買ったもの勝ちではある。
あるのだけれども、人の心理という物はそれだけでは測れるものではない、買うかどうか悩んでいたという所で脇から入り込むのがマナー違反だ、と言う人もいる。
だから、一応の為に、確認の質問をしてみることにした。
それから、あら、と小さくつぶやく。目を瞬いて。冒険者の事を見上げる。
■ロッティ > 「ん?あぁ、気にしなくて大丈夫だ。そも、俺の手には届かない値段の本だったしな。白い本でも、届かないさ……?」
確認の質問をされたのが自分か、と気が付けば苦笑と共に軽く手を振って否定して。
ぼやいていたのが聞こえてしまったか、と恥ずかしそうにしながらも、店主へと向けて、説明の礼と軽く頭を下げて。
「俺はただの物見遊山な客だよ。むしろ、本の方が買って貰えて喜んでるんじゃないか?」
たとえ自分が狙っていたとしても、流石に先に買われたものに手を出そうという程横暴なつもりもなく。
下手に財産をはたいて高いものを買って、自分には使えないもの、なんて言われても空しくなるだけだ、なんて考えていて。
「――どうかしたのか?」
と、見上げるような視線を、少女から感じて戸惑いの声色。俺は彼女に何かしたか……?と、不思議そうな顔で問いかける。
■リス > 「ああ、それは良かったです。買うかどうか悩んでいる脇での事でしたら、大変だと思いまして。」
彼女の言葉に、買う気が無かったことが確認できて、少女は微笑みを浮かべて、安どの吐息を吐き出して見せる。
それなら問題はなかった、これは後で家に持ち帰り―――妹か、娘か、に渡す事にしよう。
と言うのも、まだ何の本かは確認できていないし、もし危険な本だとしたら娘に渡すのは大変だから、一度妹に見てもらうことにする。
そして、戸惑い、と言うのだろうか、不思議がっているのだろう。こちらの事を見下ろす視線。
怪訝、が強く出ている表情で、隠し事は出来ない人なのかしら、と少女は考える。
「いえ。上手く、『お化粧』してるんですね。
―――『化粧』、してもらった、方なのでしょうか。」
敢えて、少女はその表現を向ける。
場所が場所だから、そう言ったが、伝わるだろう。彼女の顔に化粧は無いから。
他にも人がたくさんいるから、そんな所で、それを伝えれば、騒ぎになるだろう、それは少女としては余り望むものではない。
だから、迂遠に、婉曲に。
彼にその意図が伝わるのならば、少女が何を言っているのかは理解できるはずだ。
「それでは、失礼しますね?」
ただ、気が付いた、それだけの話。彼女の事を知らないし、踏み込む気もない。
ただ気が付いたから、気まぐれにそれを言葉にしてみただけ、ある意味でいえば、気まぐれでしかない。
ペコリ、とお辞儀をしてから、次の露天、何を見ようかしら、と歩み始める。
■ロッティ > 「―――な。」
『化粧』という表現。迂遠だが、つまりは本来の自分が悟られた、という事なのだろうか、と意図を自己解釈。
どちらにせよ、この身体が"違う"ことに気づかれた。
――どうにか、できたりはしないだろうか。そんな、希望への思考が、身をもたげて――
「待ったっ!ちょっと聞きたい事がっ――!」
光明の一かけらにでもなれば。
そんな、ある意味すがるような思いで、歩みを始めたその後ろ姿へと、追いかけて、声をかける。
自分には元よりどうにもできない、この身体。
どうにかできる希望があるなら、自分に出来る事なら何でもしようか。そこまで考えてしまっていて。
■リス > 「はい?」
声を掛けられる。まあ、ああいう風に言えば、そんな反応になるのも判らなくはない。
やはり、先程の言葉の通りに、化粧をさせられた方だという事なのだろう、少女は理解する。
とは言え、急に大声を上げるものだから、周囲の目がこちらに向くのを感じる、とはいえ、だ。
少女は―――リス・トゥルネソルは、このダイラスに本店を置くトゥルネソル商会の長女であり、ある意味地元では有名人とも言える。
だから。
少女自身、隠すことなく、同性愛者だという事は知れ渡っていて、噂でもリスを知る人は、友人は、ああまたかと言う様子で視線を戻す。
しかし、だからと言って、此処で立ち話と言うのも良くない筈だ。話題が、話題だからだ。
「落ち着いてくださいまし?
ここで、大声を上げてお話しする事でもないでしょう、ですから。
―――そうですね、あそこの酒場にしませんか?」
白い指はそっと近くの酒場に指を向ける、ハイブラゼールは、大きな複合施設であり、カジノだけではなく酒場もたくさんある。
そして、貴族向けのカジノがあるなら、貴族向けのそういう酒場もある。貴族向けの酒場であれば、人払いの出来る場所もある。
少女が指さしたのは、その、人払いの出来る、個室のある酒場だった。
「どうぞ、此方へ。」
用事があるのは彼女―――否、彼の方だ。
ついてくることを確信している足取りで、少女は先に酒場へと移動し。
慣れた様子で、内密の話をするための部屋を借りていく、彼が付いてくるなら、そのままその場所へ誘導するように、歩く
■ロッティ > 「――っっ。」
周りからの、視線を感じて口を謹んで。
ここはカジノで、人や、お金の集まる場所。それを思い出した様子で、ぺこり、と周囲へと頭を軽く下げて謝罪する。
大慌てせずに、一度周りを見渡してからでないと駄目だな、と自分に反省点を一つ、付けて――。
「…わかった。話を聞かせてもらいたいからな。」
す、と指が向けられた酒場を見て、一つ頷いて。
先を歩いて酒場へと歩く少女へと、続いて足を進めていく。
慣れた様子の相手に、疑問の色を示しつつも、意見は聞きたいが為に、誘導されるがまま、後ろをついて歩いて。
■リス > 「はい。私も、悪目立ちは、したくありませんので。
ここでは、其れなりに有名人ですから、痴情の縺れに直ぐに結びつけられてしまいますの。」
コロコロと笑う少女は、否定はしないし、それを気にした様子はない、寧ろ、それを誇っている。
隠すことない、女性愛者で、縺れるほどに思ってもらえるのは、少女から言えば―――嬉しい。
それだけ、愛してくれていると感じられるのだから、喜びを感じ、其れに応えたく思うものだった。
ただ、自分ではなく相手を思えば、今回は否定しておいた方が良いだろう。
ついてくることが当然という様子でリスは、彼を個室へと連れていく、相談用の個室はさほど広くなく、4畳程度。
二人で酒や食事をして談笑するには少し広いだろうが、貴族が使う事を考えると、これでも狭いのだろう場所。
奥の席を薦めて、リスは入り口近くの席に座る。
「まず、何がお聞きしたいのですか?
私は彼方に絡みつく魔力は見えますし、彼方の本当の姿が見えます。
これは、私の種族の持つ、特性のようなものですから。」
たぶん、真っ先に訊かれるだろう何故を、先に応えておくことにする。
トゥルネソルを知るものなら、少女が竜だとわかるだろうし、こう、対面でしっかりと少女の眼を見れば、その双眸は竜の眼だと判るだろう。
竜だから、彼女の呪いを、魔力を視ることができた、彼だと知ることができた、と言う種を直ぐにばらして置く。
■ロッティ > 「有名人なんだな……痴情の……痴情の!?」
思わず二度見。まさかすぎる発言に、戸惑った様子。
初めて会ったばかりの少女の噂など、聴いてる訳もなく。聞いていたとしても、誰かもわからない中では判別できないので首を傾げる程度で。
個室へと、案内されて奥の椅子を進められ。
ちょこん、と。誘われるがままに椅子に座って話を聞く姿勢。
「……呪いの解き方を。」
真っ先に聞こうと思った何故を、至極あっさり答えられて。
相対してその双眸を見れば、竜の眼と判別できて驚いた顔。
種をあっさりとばらされて、納得と同時に驚愕も込めて少女の姿を見つめていて。
■リス > 「直球ですわね。
では、自己紹介を。私は、リス・トゥルネソル。
人間を父に、リヴァイアサン種の竜王を母にもつ、人竜(dragonhalf)ですわ。
そして、父と母に、商売を叩きこまれて、生きてきましたの。」
軽く呼び鈴を鳴らして給仕を呼んで、紅茶を二人分注文し、自分の分を持ち上げ、唇を湿らせて。
彼女にも、どうぞ、と飲むように勧める。
彼女の聞きたい事、呪いを解くことに関しては、直ぐに答えを出さない、と言うよりも。
ちゃんと答えるために、先に自己紹介をした。
「私は、人竜ゆえに、彼方の呪いを見る事が出来ました、その姿が、偽りだと看破しました。
でも、商売しかしていない、普通の町娘ゆえに、呪いの解き方、という物は知り得ません。
―――ただ、『私は』、の話ですわ。
私には、伝手が二つあります。
一つは、妹。
もう一つは――――相手に許可を貰わないと、彼方にお話しすることも出来ませんわね。
妹は、同じく人竜ですが、魔法を好み、研究しております。
もしかしたら―――その望みを叶える事が出来るやもしれません。」
紅茶を一口すすり、彼の様子を眺める。
一気に話したのは、敢えて分断して話しして激昂されても、困るから。