2020/08/28 のログ
ご案内:「◆港湾都市ダイラス “ハイブラゼール” 野外酒場「ガーデン・プア」 」に八蛟さんが現れました。
■八蛟 > 立地状奴隷や拳闘士に事欠かない都市 ダイラス
大歓楽街は今日も盛り上がり、血と喧騒に塗れ、べっとりと汚れの付いたゴルドが行き混じる場所だ。
そんな中にある野外酒場は、食い逃げと奴隷が逃げないように、囲いに特殊に金をかけている。
悪趣味な主人の趣味だろう。なにせ造りは障壁でも張っているのか、壁がまるでない。
あの垣根を超えれば逃げられるのに。
そう奴隷が外を羨みながら今日も働かされる。
だが周りには関係がなく、稼いできたゴルドを手に呑みにくる。
鬼の八蛟もまた、テーブルの一角を占領し、香草塩の切り落とし肉を骨付きで掴んだ。
直接喰らいつき、繊維に沿って ブチッブチリッ と食いちぎれる肉塊。
手には体格に合わせたピッチャーサイズの樽グラスで注がれた火酒もある。
食い千切った肉塊が噛み砕かれ、火酒で塩辛い口の中を洗い流すような真似をする。
塩辛い口の中に火をつけるようなものだ。
「んっんっんっ、んぐっ
―――ぶはぁっ」
精製された濃度の高い火酒は一度に煽った時の灼け付く熱が心地いい。
頬に早くも色づきそうなほどだ。
竜でも酔わせる酒とは良く言える
周りがすげぇな姉ちゃんと、火酒の一度で流し込んだ量に苦笑い。
ご案内:「◆港湾都市ダイラス “ハイブラゼール” 野外酒場「ガーデン・プア」 」にタピオカさんが現れました。
■タピオカ > ダイラスの冒険者ギルドにて依頼をこなしたその夜。
ぬくもったお財布と、ぺこぺこのお腹を抱えて野外酒場の脇を通りかかった。
この酒場には目に見えない、食い逃げと奴隷逃亡用に張り巡らされた魔法の壁が設置されている。
そんな噂を耳にしながら、いつもなんとなく通り過ぎて他の場所で夕餉を摂るのだったけれど。
今日はひときわ大きな背丈の人影を中心に賑わいを見せている。身の丈と同じ豪放な飲みっぷりをするその相手は女傑そのもの。季節の移り変わりに空を渡った龍が、気まぐれで酒場に来てるみたいだ。
気と興味惹かれ、うつむき加減のウエイトレス、奴隷の1人に来店を告げる。
そのまま指差し、相手のテーブルへの相席をねだった。
「あのお客様が良いと言うのなら……」
とひとまずの許可を得、8首大蛇のもとへと足音軽く近づいて。
「こんばんは、お姉さん!
とっても良い飲みっぷりだね!
それにとっても強そう。
お近づきになりたいな。一緒の席に座って良い?」
気安く片手を揺らしながら、相手の前で笑顔を浮かべ。
相手が許しても許さなくても、そばに従っていた奴隷の給仕に向かって、
「この人にベーコン・ボルケーノと火酒のおかわりをお願い」
と、挨拶と席代かわりに注文する。
こんがり焼けたベーコンにジャガイモと香草を何層も重ね、その上からとろけたチーズをふんだんに垂らした料理だ。見た目と大きさが火山を連想させる、そんな肉料理を進呈し。
■八蛟 > 「こんくらいじゃあ酔えないねえ。
竜でも酔うものじゃないとね。」
そう言いながらピッチャーサイズを飲み干すまでは時間がかからない。
味の濃い肴を用意し酒をすすませ、金を稼ぐのも酒場の常だ。
舌を伸ばし、ボタリと落ちた雫を最後にドカッとテーブルへ置くと、湯気た立ちそうな吐息を吐き出した。
「ふぅぅぅぅい……あがっ?」
肉をガフッとまた食いちぎろうと、掴んでいた肉に大口を開けた時だった。
ヤヅチの目の前に寄ってきたのは、ヤヅチからすれば童とも言えそうな小柄な♀
かといえど、人間でいえば平均的な育ちだろう。身体の栄養も悪くない。
鬼の目の前に来たかと思えば、ニコニコと宣う言葉は、そこらにいそうなゴマすりとは違う。
好奇心、興味の塊だ。
だが酒もなくちゃ進むものはない。
腰に差していた警棒サイズの手綱煙管を取りだし、刻みを詰める。
ガチンッと鳴らした鬼のサイズの火打ち金とホクチの火が濃く紫煙を立ち昇らせた。
「―――フゥゥゥゥゥゥ~……
ガキに奢ってもらうほど困っちゃいないんだけどねえ。
―――遠回しは無しにしようじゃないか。
ア タ シ に 何 の 用 だ い ? 」
そう言って、鬼の赤い瞳は、蛇のような縦筋の瞳を相手へ向け、獰猛な笑みを浮かべた。
■タピオカ > 「あはは。遠回しに何かを言ったつもりは無いんだけどな。
単に、お姉さんに興味があってお話がしたかっただけ」
紫煙の中で、くすくすと肩を震わせる。
自分の物言いに裏を含ませたつもりはなく、またその腹を探られるのはあまり快くなかった。
「せっかくだからお料理だけでも受け取ってほしかったんだけど……。
僕に奢ってもらうほど困っていないと言うなら、やめておくよ。
お邪魔してごめんなさい、お姉さん。
食事とたばこ、ゆっくりと楽しんでね」
獰猛な笑みかけに対して、にこやかにそう伝え。
奴隷の給仕へと注文のキャンセルを言付けると、別の席に座り直し。その日の夕食を楽しんでから、来た時と同じように足音軽くその場を立ち去り――。
ご案内:「◆港湾都市ダイラス “ハイブラゼール” 野外酒場「ガーデン・プア」 」からタピオカさんが去りました。
■八蛟 > 「そうかい。」
てっきり興味で酒盛りか鬼退治でもしたいのかと、剣呑な雰囲気で誘ったヤヅチ。
逆にそれが振られたとでも思ったのか、褐色銀発の童は席を離れていく。
ヤヅチは少しつまらなさげにしていた。
童の見る目は相手を英雄や魔王を見るようなそれよりも
これから一戦交えようとする大馬鹿野郎のそれを似た気質を感じていたからだ。
「ま、あの程度で引くならそれまでさな。」
酒をどうしようとしていた奴隷を下げ、肉も半端に残してテーブルに代金を差し出す。
「ごっそさん。
興が削がれたしどっかで呑みなおすよ」
そう言って羽織を肩に下げながら、ノシノシと出ていき。
ご案内:「◆港湾都市ダイラス “ハイブラゼール” 野外酒場「ガーデン・プア」 」から八蛟さんが去りました。