2020/06/07 のログ
ご案内:「◆港湾都市ダイラス “ハイブラゼール”【イベント開催中】」にしずくさんが現れました。
しずく > (欲望と金が渦巻き続ける大都会、ハイブラゼール。
貴族たちの娯楽のため、人々、奴隷はこの街で満足を行かせるように動かされ続けている。)

「えひゃぁ~…。」

(そんな中、一人の少女しずくは、酒場のテーブルで落ち込んでいた。テーブルの上に転がる数枚の銀貨。
どうしようかと悩んでいる姿がよくわかる。)

「やっぱり、バイトだけじゃお金が足りない…どうしよう…。」

(生活する分には良いが、新しい服やおもちゃを買うためにはお金が必要。
今のバイトでは足りないし、かといって危険なものに手を染めることはできず、どうしたものかと悩み中。)

ご案内:「◆港湾都市ダイラス “ハイブラゼール”【イベント開催中】」にアルファさんが現れました。
アルファ > 場所は賑わい犇めくハイブラゼールのカジノだろうか。
仕事で温まった懐具合を確かめるように腰の金貨袋手で叩きながら遊具の類に目を向ける。
スロット、ポーカーテーブル、それにビンゴ。どれも人集りが出来ているが。

「ふーん」

今宵はどうもスタッフとして働かされている奴隷の数が多いような。
賭博に熱狂する富裕層と相反して額に汗して清掃に勤しむ彼らを見ると遊ぶ気も失せた。
遊具から休憩室に目を向ける半妖はその中で一度出会った者の姿を見つけてゆっくりと歩み寄る。

「隣の席、いいかな?」

相手の目を見ながら問いかけつつもテーブルに並べられた硬貨を不思議そうに見た。

しずく > 「えひ…?」

(声を掛けられてふと頭を上げる。
目の前にいる男性に目を向ける。
黒く長い髪にぎょろッとした目、その下にはクマが深く入っており、かなりおどろおどろしい雰囲気を醸し出していた。)

「あ、はい…どうぞ…。」

(元気なくそのまま許可すると、そのまま、腕を組んでふぅっとため息を一つ漏らす。)

アルファ > 忘れているように見える相手に苦笑して

「おや、覚えてないかな?以前ここであったアルファってもん……どうしたの?」

意識はやつれて見える隈の表情に目を奪われた。
心配そうに目を眇めつつも向かいの席に腰を下ろして。
暫くは落胆を見て腕を組む。
目は溜息零す姿とテーブルに並べられる硬貨を見て。

「もしかして……ここに並べられている硬貨が全財産とかじゃないよね?」

しずく > 「え?あれ…そうでしたっけ…?」

(思い出そうとするにも、思い出せない。
今まで色んな人を相手にし過ぎたせいで、記憶があいまいになっているのかもしれず、忘れてしまっていた。)

「…えっへっへ…。はい、図星です…。
今あるのはこれだけですね…。」

(暗い目が更に闇を得た様なくらい目になってテーブルを見る。
ここに広げられた硬貨、それ全ては自分の財産だった。)

アルファ > 「そうだよ。忘れられてちょっとイラっと来たけれど」

わざとらしく睨みつけてから溜息をついて笑みを作った。

「まぁこんなことで怒っても仕方ないか。
 それじゃはじめまして。アルファっていうんだ。よろしくな」

目を細めてそう語りかけて視線は下に。
財産というにはあまりに心許ない硬貨数枚に睫毛を伏せた。

「こりゃ一日生きるだけで足りるかどうかも怪しいね。
 働かないの?今なにか騒動が起きてるから稼ぎ時だと思う。
 そうじゃなくても親族を頼ったりとか。
 そんな死にそうな顔をすることないと思うよ」

しずく > 「あ、どうも…しずく、です…。」

(不機嫌にさせてしまったようで、申し訳なさそうにしながらも、顔にはにやけ顔がある。
軽く自分も挨拶。)

「一応、バイトはしているんですけど…。それだけじゃ足らなくて…。
それに…親は私が勝手に独り立ちした時に離れて、わからないままで…。」

(バイトで働いても入るお金は少ないために、足りない。
親も自分は知らないために、頼ることもどうすることもできなかった。)

アルファ > 「ふふ、知ってる。しずく。改めてよろしくね」

語る声は明るく、けれども顔は硬貨に目を這わせて半眼となる。
続いて語る事情に小さく唸って。

「ありがと。だいたい事情はわかったよ。にっちもさっちもいかなくて
 途方に暮れているってことだね」

答えてから暫し無言。組んだ腕の前腕を叩いて思考を巡らせる。
やがて金貨袋を取り出したのならそこから真新しい袋を取り出す。
机に置けば小気味よい金貨の音が響いてゆく。

「それじゃしずく。今夜の俺の相手をしてくれないか?
 代金はこれくらいでいいか?足りないならもう少し出せるが」

どうだろう?と視線をあげて暗い相手の顔に明るい笑みを投げかけた。

しずく > 「…あぁ、えっと…。
すみません…今日はちょっとスランプと言うか…なんというか…。」

(バイトで稼げないのも顧客が少なくなったため。
確かに、欲求不満はいつものことだが、苦しくなった原因を今になって引っ張られるのもどうかとなった。)

「まぁ、稼ぎ時と言うなら、もうちょっとバイトを増やしてみますね。
私、眠れなくてもぶっちゃけ、平気なので…それでは…。」

(立ち上がると、軽くニコっと笑いかけ、そのまま、酒場を後にどこか夜の街並みに消えていった。)

ご案内:「◆港湾都市ダイラス “ハイブラゼール”【イベント開催中】」からしずくさんが去りました。
アルファ > 「おや」

足早に去っていく相手を呆然と見る。
何かに悩んでいるようだが心を読む力もないので知ることもできない。

「ま、頑張るならそれでいいか」

金貨袋を自分の懐に戻してテーブルから立ち去る。
後に残るのは慌てん坊のサキュバスが忘れた数枚の硬貨のみ。

ご案内:「◆港湾都市ダイラス “ハイブラゼール”【イベント開催中】」からアルファさんが去りました。