2020/05/13 のログ
ご案内:「◆港湾都市ダイラス “ハイブラゼール”【イベント開催中】 路地」にホアジャオさんが現れました。
ホアジャオ > 真っ黒な帳が降りた空に、月がぽっかり浮かぶ夜。

港湾都市の名高い歓楽街は、今宵もまた昼もかくやとばかりに様々な色の光に溢れ、人種年齢性別も様々な人が行き交う。
特に最近は『クリュソス』でのオークション目当ての者が多いのだろう。件の建物にぽっかりと空いた大きな口のような出入口は、それでも行き交うのが難しいように人波が引いては押している。

その賑わいから一つ、奥へ入った路地。
大きな建物たちに遮られて表通りの喧騒がやっと届くか届かないかの薄暗い場所に、人影がひとつ。

「――…まァまぁ、かな…」

シェンヤンの特徴色濃い女は、もぐもぐと頬を動かしながら手にした中華まんじゅうのかぶりついた跡を細い目で眺め、ふん――と鼻息を漏らす。

『オークション』の影響だろう、表通りにぽつぽつとあるシェンヤン料理の露店で買い求めたモノを、ゆっくりと食べようと思っていたところ。地元のゴロツキに因縁をつけられて、ぶちのめしている間に―――しかも一人ぶっとばしたらみんな逃げた――あつあつだった中華まんじゅうはやや冷めてしまった。

(―――冬じゃないから、まァ、いんだけど)

中身は牛肉そぼろ。
―――やっぱり、あつあつのとき食べたかったなぁーと思いながら壁に背を預け片手をポケットに、もぐもぐと頬を動かす。
細い目は路地を辿って、何となく座れそうな場所を探して…

ホアジャオ > 「嗯(うーん)…」

カジノの裏口に繋がる階段とか、そのそばに積まれた木樽とか、結構ある。
そっちに行ってもよかったが、路地に差し込む灯りは月明りだけで、なんとなく何も気にせず座るには憚られる。

表通りに出るのに何か不都合があるわけでもなし
ということで

もうひとくち、かぶりついてもぐもぐと頬を動かしながら
女は薄暗い路地から、光あふれる表通りへと。

ご案内:「◆港湾都市ダイラス “ハイブラゼール”【イベント開催中】 路地」からホアジャオさんが去りました。