2020/05/06 のログ
ギュンター・ホーレルヴァッハ > 結局、魔導機械以外に目ぼしい物は無く。
取り敢えず満足のいく買い物が出来たかと、少年は会場を後にするのだった――

ご案内:「◆港湾都市ダイラス “ハイブラゼール”【大カジノ クリュソス】」からギュンター・ホーレルヴァッハさんが去りました。
ご案内:「◆港湾都市ダイラス “ハイブラゼール” 娼館の一室」にマルズヴェインさんが現れました。
マルズヴェイン > 昼間の娼館は、どこか物憂げで気怠い空気に満ちている。
男は、昨日船着き場で見かけて知り合い、杯を交わした船の船長の、その姿が気に入ったものらしい。
幅広のつばの帽子に、七つボタンの上着がそろった、いかにも海賊船の船長とでもいう装束を試したいなどと言いだせば、酒席はなるほど盛り上がった。
そして知り合った海賊に紹介され、こうして娼館の一室にて、男はこの国の最初の朝を迎えたのだった。

窓からのんびりと空を見上げ、異国の家並を見渡してゆく。
届く声も言葉も珍しい。
昨夜の残りの強い強い蒸留酒を、生のままに男は酒杯に注いで、ベッドにごろりと横になったまま、呑気に窓を見上げたままに…。

「…鳥はよいなあ」

などとのたまうのだった…。

マルズヴェイン > 昨夜の敵娼の姿はない。
男の相手に疲れ果て、腰が立たなくなったと言われれば、酒の相手をさせるのも気が引ける。

男は、代わりの女をとやたらと気を回す主に手を振って、まずは酒をとそう告げた。

異国からの、このような変わり者の相手をするという、そんな女がいてくれるなら、ついでにその女に酒を運んでもらえばよい。

が…まずは。
こうして、異国の情緒を愛でているのも、悪くはない。
春の朝寝…というにはもう随分と遅い時間ではあるが。
長旅の疲れも気怠いこんな日は、こうして長閑に酒を飲んでいるのも、決して悪いものではないと。

男はまた、長閑に空と、空ゆく鳥を見上げては、琥珀の酒を干してゆく。

マルズヴェイン > 「四十九年
 一睡夢
 一期栄華
 一杯酒…かぁ」

不意に男は、そのようなことを呑気に窓へと向けて吐いたのだった。
そのような、恬淡とした心持になるには、まだまだ己は生臭い。
そういう、己へと向けた呆れた色も過らせつつ。

異国の酒薫がくれる、一期の栄華を一睡の夢に求めんと、再び男はまどろみに…。

ご案内:「◆港湾都市ダイラス “ハイブラゼール” 娼館の一室」からマルズヴェインさんが去りました。
ご案内:「◆港湾都市ダイラス “ハイブラゼール” 娼館の一室」にマルズヴェインさんが現れました。
マルズヴェイン > ハイブラゼールの娼館に、聴きなれぬ珍しい楽の音が響く。
蛇の革を張った弦楽器である、という。
それを爪弾いては、低い声で歌っているのは、異国から来たという異装の男。

この娼館の出す酒がよいと、昨夜から流連を決め込んだものらしく、宵の口から娼館の一階、酒場となっているここで、酒とその蛇皮線という楽器を片手によい機嫌である。

爪弾く曲も、唄う歌も、異国の情緒のものだった。
男がこれまで旅してきた国。ここでないどこかの歌と曲であろう。

それを男は、気の向くままに、趣のままに奏でて唄っては、客待ちの娼婦達に聞かせるともなく、聞かせていた。

なかなか物珍しくもあり、礼はと聞けば、酒でよいと。
娼館の主の問いに男はそう告げた。

そうして今、男は時に蛇皮を爪弾き、時に酒杯を傾けては、歓楽の街の宵の口を楽しむ風情なのだった。

マルズヴェイン > 歓楽の街の夜はまだ、始まってもいない。

娼姫達も、客を取るのはこれからだろう。

どこか物悲しく、それでいてどこか長閑でのんびりとした。
そんな蛇皮の音色と男の声とが、酒の香に乗り、妓楼の薄闇へと溶け交じる…。

ご案内:「◆港湾都市ダイラス “ハイブラゼール” 娼館の一室」からマルズヴェインさんが去りました。