2020/05/04 のログ
ご案内:「◆港湾都市ダイラス “ハイブラゼール”【イベント開催中】クリュソス」にホアジャオさんが現れました。
■ホアジャオ > 月が白々と空に昇る頃。
不夜城ハイブラゼールの大カジノ、クリュソスは今日もカジノ客とオークションに出向いた者たちで今日も賑わいを見せている。
幾つもあるオークション会場は、ごく普通の市民向けから貴族向けまで層に分かれている様で、立ち入る部屋によって雰囲気が違う。
ある部屋からはヤジやらそれを制する声やらが廊下まで響き、ある部屋からは時折木槌が叩かれる音だけが零れる。
会場内の熱気も人種も老若男女も様々。案内板があるわけではないから、目当てに訪れた客は一通り部屋を覗いている様で、それもまた賑わいの一端となっている。
その会場のうち貴族向けの厳粛な雰囲気が漂う部屋に、やや場違いな雰囲気を醸し出す女が一人。
腕組みをして壁に背を預けながら、オークションに興味があるのかないのか。
商品を見るとヘエーと紅い唇を尖らせたりはしているが、すぐにその細い目の視線は、辺りにたまに訪れる給仕の盆の上のおつまみへと移動する。
(――――予想通りだケド)
通りかかった給仕の盆から取り上げた、キャビアとクリームチーズの乗ったクラッカーに齧りつきながら思う。
護衛対象の公主一団と連れ立ってきたものの、何時もの通り公主は好き勝手男をひっかけに行ったらしい。
いや、多分もうひっかけて何処ぞに連れ込んでいるだろう。
こうなるとお役御免で良いことになっているので自由なわけだが
ちょっとオークション見物でもと洒落込んで見たら、とんと興味がわかない。
たまーに、実家の方で見かけたモノとかが出品されると今日を惹かれたりはしたが、まあ、時間つぶし以上の何ものでもない。
(こーいう所で警備とかやってるヤツとか、喧嘩してくンないかなァ……)
ごくん、とクラッカーを飲み込むと、視線は最早別のものを探し始めている…
■ホアジャオ > 流石に貴族向けの会場だ。
よくよく見れば、自分の様に壁際に控えている『お付き』らしき者も何人かはいる。
……けれども
(…足ンなそう)
どいつもこいつも、どちらかというと『魔法』よりの実力者の様に見える。
魔法とやり合う気分じゃないし、第一まともにぶん殴ったら一発で壁の染みにできそうだ、等と大変失礼な事を考えつつ。
指に残ったクラッカーの油をぺろりと舐めると、厳粛な雰囲気の部屋に背を向けて
喧騒が溢れるほうへと
ご案内:「◆港湾都市ダイラス “ハイブラゼール”【イベント開催中】クリュソス」からホアジャオさんが去りました。