2020/02/15 のログ
ご案内:「港湾都市ダイラス “ハイブラゼール”」にギュンター・ホーレルヴァッハさんが現れました。
ギュンター・ホーレルヴァッハ > 欲望と背徳の街、ハイブラゼール。
多くの金と欲望が交差する夜の歓楽街に、山の様なチップを積み上げて賭け事に興じる少年が一人――

「…私の勝ちだな。それでは約束通り、一家共々僻地の開拓団へと旅立つが良い。何、住めば都という言葉もある。多少の食糧難と魔獣に目を瞑れば、良い所やも知れぬぞ?」

少年は挑戦者を拒まない。その膨大なチップは、挑戦者の望む額が賭けられ、勝負に勝てばその全てが手に入る。
但し、賭け金に見合った対価は必要となる。対価は少年の気紛れ。或いは、自己申告。

今宵築いた負債の免除を賭けて挑んだ女性は、周囲の客の慰み者と化した。
自らの船を手に入れると意気込んだ青年は、文字通り裸一貫となってカジノから叩き出された。
そして、富裕地区に家が一軒建つ様な金額を求めた男は、家族全てを賭け金として敗北し、黒服の男達に店の奥へと引き摺られていく。

「……無駄に緊張する事も無いと思うのだがな」

少年は特段イカサマをしている訳でも無ければ、賭博に強い訳でも無い。いわば、挑戦者達は余りの緊張と欲望に目が眩んで自爆しているばかりなのだ。
現に、冷静に勝負を挑み少年に勝利した者もいる。奴隷となった幼馴染を救うだのとのたまった青年は見事に勝利を収め、意気揚々と大金を抱えてカジノから出ていったのはつい先程の事。

尤も、無警戒に大金を持ち歩いていった青年が無事に帰宅できたのか。己に取ってはどうでも良い事なのだが。

ギュンター・ホーレルヴァッハ > そんな少年の戯れの様な賭け事で、夢を叶えた者と、叶えられなかった者。多くを失った者と、全てを失った者。
果たして、何者が多かったのか。結果を知るのは、貴族の戯れを眺めていた客達だけなのだろう。

ご案内:「港湾都市ダイラス “ハイブラゼール”」からギュンター・ホーレルヴァッハさんが去りました。